高校駅伝男子

2021年12月25日 (土)

全国高校駅伝 兵庫・西脇工~生まれ変わったチームで~

西脇工業は兵庫県中央部の西脇市に学校があります。この夏、東京オリンピックで活躍した田中希実選手の母校で、学校の入り口には、その健闘をたたえる横断幕も飾られています。

nisiwaki1.jpg男子は、全国高校駅伝で優勝8回を誇り、兵庫県では、報徳学園と長く代表を争ってきました。その争いに、近年、須磨学園も加わったことで、去年は33年ぶりに県大会で3位陥落という結果に終わり、選手たちは悔しさを味わいました。

どん底に突き落とされた選手たちは、まず、普段の生活を見直すことから部の立て直しを始めました。

時間を守る」「挨拶をする」「整理整頓をする」「言葉で感謝を伝える」「練習中も率先してグラウンドの石を拾う」

nisiwaki2.jpg生活態度を改めてことで、部の雰囲気も変わり、次第に結果として表れるようになりました。そうした中で、ことし大きく成長したのが、2年生の長嶋幸宝選手です。

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高校総体の1500mでは4位入賞を果たし、予選では、注目のランナー、洛南の佐藤圭汰選手と同じ組で走り、最後に競り勝ってトップのタイムをマークしました。さらに、12月5日に行われた記録会でも、社会人や大学生に交じってレースを引っ張り、5000mで13分46秒の自己ベストを出しました。都大路では、エース区間となる1区の候補の1人で、スタートから飛び出す走りで西脇工業では初めてとなる1区の区間賞も狙います。

不易流行 時代の流れとともに


西脇工業は、頭を丸刈りにした選手たちが力強い走りを見せてきました。名伯楽と言われた前任の渡辺公二監督の時代から続く伝統でした。しかし、ことしのチームに丸刈りの選手はほとんどいません。今の2年生が入学するときに、その伝統をやめたそうです。

nishiwaki4.jpgチームを指導する足立幸永監督は「かつては、全員が『全国制覇』を目標に入部してきました。今は『勝てたらいいなあ』という選手が多くなりました。その子たちの気持ちを少しずつ変えながらやっていくという時代です。その時代に、古い伝統に縛られたままでいいのかという疑問もありました。不易流行という言葉がありますが、大事なところは引き継いで、新しいことも取り入れながら『新生・西脇工業』の走りができればいいと思います」と話します。ただ『髪の毛を伸ばして負けたら必ず言われるぞ!』と選手をしったして臨んだ去年は兵庫県大会で3位。案の定、周りから厳しい声が届いたそうです。だからこそ、その言葉をバネに、新しいスタイルで強いチームを作ろうと取り組んできました。 nishiwaki5.jpg

そして、ことしの兵庫県大会では、7区間のうち5区間で区間賞を獲得し、ライバル2校を抑えて2年ぶりに都大路の切符を手にしました。タイムは2時間3分35秒、全国の都道府県大会でトップのタイムでたすきをつなぎました。登録メンバーは、全員が兵庫県出身。13分台のタイムを持つ長嶋選手を中心にバランスの取れたチームとなりました。その選手たちの掲げた目標は5年ぶりの入賞。そして、学校最高記録となる2時間3分18秒の更新です。生まれ変わった西脇工業が都大路でどんなレースを見せるか注目です。

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(取材:三瓶宏志アナウンサー 男子テレビ実況担当) 

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