2023年12月21日 (木)
全国高校駅伝 小林祐梨子さんが語る女子の見どころ ~大混戦の記念大会~
女子は大混戦を予想
陸上長距離で北京オリンピックに出場した小林祐梨子さんに、女子のレースの見どころを聞きました。
女子はことしが35回の記念大会で、出場校が58校に増え、小林さんは大混戦を予想しています。
5人がたすきをつないでマラソンの半分の距離を争う女子。
ことしは都道府県の代表に加えて地区代表を含む58校が出場します。
このうち初出場は8校と、ここ10年で最も多くなっています。
小林さんは予選会でのタイムや選手の実力に大きな差はなく、初出場のチームも上位争いに絡んでくるのではないかと期待を寄せています。
【小林祐梨子さん】
「過去には記念大会で地域代表のチームが3位以内に入ったという歴史もあります。
ことしは例年に比べて突出した選手やチームが少ないので、どのチームが上位に食い込んでもおかしくないくらいの大混戦になると思います」。
優勝候補筆頭は仙台育英
大混戦を前提としながらも、小林さんが優勝候補にあげたのが宮城の仙台育英高校です。
直近6大会のうち優勝は3回。去年の準優勝を経験したメンバーを中心に6回目の優勝を目指します。
【小林祐梨子さん】
「女子はレース時間が1時間余りと短いため、いかに5人の選手がそろっているかが大切なのですが、しっかり5人とも粒がそろっているのが仙台育英だと思います。
駅伝の勝ち方をよく知っているチーム。たとえ思った順位でたすきが渡ってこなくても、焦らないレース運びで着実に順位を上げ、気がついたら先頭にいるというようなレース展開をことしもできるかに注目です」。
神村学園のエースに注目
その仙台育英を予選会のタイムで唯一上回ったのが鹿児島の神村学園です。
仙台育英と同じく、直近5大会すべてで3位以内に入っている強豪です。
小林さんがポイントに上げたのが、3000メートルの高校最高記録を持つ“歴代最強”の留学生、カリバ・カロライン選手の走りです。
神村学園は去年、1区でふた桁順位と出遅れましたが、アンカーのカリバ選手が区間賞の走りを見せて、順位を3位に大きく押し上げました。
【小林祐梨子さん】
「強いというレベルではなくて、男子の区間でも対応できそうなくらい最強の選手だと思います。
だからこそ、神村学園は彼女1人に頼らない走りが大事になってきます。
たとえ出遅れたとしても焦らない駅伝をして、一人一人が自分の力を出し切るという、当たり前ですけど高校駅伝で一番難しい部分を突き詰め、アンカーのカリバ選手にどの順位でたすきを渡せるかというところが見どころだと思います」。
見逃せないレース
優勝争いに加えて、8位入賞争いも混戦模様の今大会。
だからこそ、ことしの女子のレースはおもしろいと小林さんは考えています。
【小林祐梨子さん】
「8位入賞を掲げているチームがたくさんいますので、数秒差で明暗が分かれそうなくらい大混戦模様です。
歴史のある名門と言われているチームが勝つのか、ニューフェイスのチームが勝つのか、ダークホースが出てきそうな気もしています。
ことしはチーム数も多いですので、見逃せない戦いとなりそうです」。