2023年12月15日 (金)
全国高校駅伝 取材記 東洋大牛久男子(茨城)~元トップランナーの下で成長続ける~
4年ぶり2回目の都大路出場の東洋大牛久高校。
茨城県南部・千葉県にほど近い牛久市に学校があります。
元トップランナーが体を張って教える
チームを率いるのは、山本浩之監督(37歳)。やや異色の経歴の持ち主です。
小学校から高校までサッカー部に所属し、浦和レッズの大ファンでよくスタジアムにも応援に行っていたそうです。
埼玉県立川口北高校時代に長距離の能力を見出され、サッカー部に所属しながら陸上の大会にも出るようになりました。
その後は東洋大学に進学し、箱根駅伝には3回出場。
4年生の時には東洋大学初の総合優勝を果たしました。
実業団・コニカミノルタでも駅伝・マラソンで活躍。
2017年の東京マラソンでは2時間9分台で日本人2位に入り、世界選手権マラソン代表まであと一歩というところまで行きました。
そして、2021年4月に東洋大牛久高校の監督に就任。
就任後も選手とともに自らもトレーニングを続け、2022年の大阪マラソンが第一線からの引退レースとなりました。
今でも茨城県のトラックレースやマラソン大会に出場、練習では時々選手とともに走って強さを見せつけています。
自身がトップチームに所属してきた山本監督。
練習ではコニカミノルタ時代の練習メニューを取り入れたり、ことしの夏は東洋大学の合宿に選抜メンバーを送り込んだりと、さまざまな経験を積ませて選手の成長に繋げてきました。
いまの3年生の入学とともに就任した山本監督。
選手たちの成長、チームの成長を感じながらつかんだ都大路です。
ギャップが魅力のエース
中でも大きく成長したのは、宮崎優選手(3年)。
ことしの茨城県大会1区で28分57秒というこの区間では驚異的なもタイムを出しました。
(真ん中・黄色い手袋が宮崎優選手)
山本監督に「エースの宮崎選手はどんな選手ですか?」と聞くと「声が小さい(笑)」。
確かに練習後に話を聞いてみると、とってもやさしい声・・・
ただ監督曰く
「走りになると全然違う。芯の強さもあってぶれない。1人でもどんどん攻める走りができる」。
優しい声と強気な走り、さらには素敵な笑顔。そのギャップの中で都大路区間賞を狙います。
宮崎優選手
「積極的に前に出る走りで区間賞を取って、チームにいい勢いをつけたい」
チームを引っ張るキャプテン請井快星選手
山本監督が「ちゃんと意見を言えるキャプテン」と評するのが請井快星主将。
走りでも言葉でもチームを引っ張ってきました。
山本浩之監督
「波風を立てないように、という若者が多い中で、チームを作る上では多少波風立っても言わないといけないことがある。
それを言えるキャプテン。私にも言ってきますけど(笑)」
請井快星主将
「キャプテンとして、選手1人1人の表情を見ながら、チーム内の関係性を大事にしてきた。
都大路は待ちに待った舞台。
決まった時はうれしいというか、(今までにない)初めての感情だった。
最後まで粘れるのが自分の持ち味、都大路では最後のラストスパートを意識して頑張りたい」
チームを支えるマネージャー9人!
選手とともに都大路出場を願ってきたのが9人のマネージャーです。
「駅伝が好きだから」「中学時代陸上部だったので」「部活動説明会の際に陸上部が面白かったから」など、
入部理由は様々ですが、「選手が走りに集中できる環境づくり」を意識して、練習器具の設置・片付け、選手のタイムコール、さらには選手の動画を撮影してチームのSNSグループに投稿するなど、さまざまな形でチームに貢献しています。
さらには選手たちが気持ちよく練習できるようにとグラウンドや部室の掃除も欠かしません。
そしてマネージャーたちが選手全員に作ったお守りも。
マネージャーたちの思いも背負って、選手たちは都大路の舞台に立ちます。
(取材・坂梨哲士アナウンサー)
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