2023年12月13日 (水)
全国高校駅伝 取材記 須磨学園男子(兵庫)~絶対的エースを中心にチーム一丸~
(練習風景)
3年ぶり8回目の都大路出場を決めた須磨学園男子。ふだん練習を行う学校に取材に伺いました。
須磨学園は海を見下ろす高台にあります。寮はなく全員が自宅から通っています。
(須磨学園グラウンドから見た大阪湾)
絶対的エース折田!
須磨学園には絶対的なエースがいます。折田壮太選手(3年)。5000mのベストタイムは高校歴代2位の13分28秒78。高校総体5000m日本人トップ。鹿児島の国体でも優勝。圧倒的な強さを誇ります。
(折田壮太選手)
都大路で走る区間は決まっていませんが、いずれにしても区間賞候補、チームを引っ張る存在です。その折田選手、去年はチームメートと一緒に都大路にレースを見に行きました。1区・烏丸通に曲がる角の付近でさっそうと走る選手たち。その去年のレースでは兵庫県代表 西脇工の長嶋幸宝選手が飛び出して1区区間賞を獲得しました。
(折田選手)
「うらやましかったし、頑張れと思う反面悔しさもあって、来年は本当にここに立ちたいと思った。ずっと、長嶋さんだったり前田さん(前田和摩選手 報徳学園出身・現東農大)だったり、兵庫の先輩を追いかけてきた」
ことしは、地元の先輩に負けない都大路の走りを誓っています。
釣りでリフレッシュ!
無敵の強さを見せる折田選手ですが、1、2年生のころは、貧血や故障に苦しんだ時期もありました。先輩たちに追いつこうと「自分のキャパをわかっていなくてオーバーワークだった」といいます。その反省もあって「体のリフレッシュと心のリフレッシュ」を兼ねて出かけるのが「魚釣り」です。淡路島から須磨学園まで通っている折田選手、休みの日には深夜2時に自宅を出て自転車で海岸へ。ことしの夏はエイやヒラメを釣り上げたそうです。
チームを支える副キャプテン
(左・西垣怜選手/右・三木浩輔選手)
山口哲監督、チームメート、支えてくれた人たちへの感謝の言葉があふれ出てくる折田選手。中でも感謝しているのが、副キャプテンの2人です。
(折田選手)
「自分がキャプテンですが、試合が続いて手が回らないところもあって、副キャプテンの2人が、チームのことだったり試合へ向けた計画だったりをやってくれて、チームを本当に回してくれている。それが自分の結果につながっているし、総体や国体で活躍できたのは、三木と西垣のおかげ」
(三木浩輔副主将)
「個人個人の体調・メンタル、誰一人として部の集団の中から漏れた存在にならないように、全員にふだんから気を配るように意識していました。自分はメンバーからは外れましたが、メンバー外のみんなで、選手が気持ちよく走れるように自分たちで考えてサポートすることに集中しています。折田も気負い過ぎずに、後半も強い仲間たちがいるので、そのメンバーを信じて、のびのび走ってもらいたいと思います」
(西垣怜副主将)
「三木君と2人協力してチームを作れた感じです。兵庫県大会優勝はひたすらうれしかった。去年、都大路を見学して、ことし、須磨学園が爆走するところをずっと想像してきました。走りたい区間は7区ですが、もし自分が都大路で走れなくても部員全員での駅伝なので1人1人の役割を果たしていけば、それで十分だと思っています。須磨学園は“感謝の多い”チーム、みんなが力を発揮して、見ている人たちにも元気を与えられるような走りをできるように頑張っていきたいと思います」
感謝の気持ちを都大路で
チームを率いる山口哲監督は「今年のチームは仲間への感謝の気持ちを持てるチーム」と話します。取材中、監督からも選手からも「感謝」という言葉がたびたび聞かれました。
(山口哲監督)
「うちは初出場と変わらないチーム。選手は全員初めての都大路ですから。チャレンジャーがまわりのチームを気にする余裕はまったくないです。都大路は選手たちが3年間目指してきた場所、その場に立てる喜びを爆発させてほしいですね」
エースを中心にまとまった須磨学園、感謝の思いを都大路にぶつけます。
(取材・坂梨哲士アナウンサー)
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