スポーツ

2023年01月20日 (金)

全国男子駅伝 取材記~地元広島を引っ張る嵐と一字違いの男~ 

心待ちにしていた3年ぶりの大会


新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに開催される全国男子駅伝を地元の広島チームは心待ちにしてきました。高校生は全国高校駅伝に出場した世羅高校の選手たちが中心、中学生も全員が全国中学選手権を経験しています。

そこに「箱根駅伝」や「全日本実業団駅伝」に活躍した広島出身の先輩たちが加わって上位を狙います。エントリーされた選手10人を取材すると、所属チームで走るのとは一味違う緊張感や、地元を走るワクワク感が伝わってきました。

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広島を愛するキャプテン


 

広島チームは、年末年始に中学生と高校生の合宿を行いました。想定される区間を試走し、ミーティングも行いました。

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この合宿に大学・社会人でただ1人参加したのが31歳の相葉直紀選手。チーム最年長で精神的支柱です。名前が「嵐」の相葉雅紀さんと一字違いで「学生時代からよく言われるんですよ」と照れ臭そうに話していました。相葉選手は、広島市の基町高校から広島大学に進み、現在も広島の中電工に所属しています。

“出身”も“活動拠点”も“走るコース”も「広島」の相葉選手。「7区は母校の基町高校の近くを走る。本当に身近な大会。2年間中止になり、走りたいという気持ちがさらに強くなった」と強い思いを口にしていました。

高校2年生で陸上を始めた相葉選手。広島大学時代は「1万メートルのベストタイムが29分台だった」と話します。自らの伸びしろを信じ、国立大学から実業団で競技を続ける道を選びました。地道な練習で1万メートルのベストタイムは27分48秒まで縮まり、マラソンにも挑戦してきました。

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そして、去年2月の別府大分毎日マラソンでは2時間8分44秒の自己ベストで5位に入り、パリオリンピックの代表選考レース、MGC=マラソングランドチャンピオンシップの出場権を獲得しました。マラソンでの成長は駅伝にも生かされています。ことし元日の全日本実業団駅伝では、10人抜きの快走を見せ、チームの初入賞に貢献しました。

 

広島に家族に恩返しの走りを


相葉選手にとって、全国男子駅伝の出場は3年前に続いて2回目となります。3年前は、アンカーとして中学生からタスキを受けました。「よくやった、ありがとう。あとは任せて」と声をかけてスタートしたものの、力不足でチームの順位を大きく上げることができなかった悔しさが残りました。

走りたい区間は今回も母校の近くを通るアンカー。大学生も多く出場が予想されるなか「自分は実業団選手なので、やはりみんなに負けたくない。広島に恩返ししたいという気持ちが強いです」と決意を話しました。取材の終わりに、2歳の娘さんのことに話を向けると表情が柔らかくなった相葉選手。「妻と娘の2人に自分の走っている姿を見せて恩返しをしたい」と話していました。2人は平和公園のフィニッシュ地点で相葉選手の到着を待つ予定です。

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3年ぶりの安芸路に臨む、地元の広島。相葉選手が最高の笑顔でフィニッシュする姿を広島県民は心待ちにしています。

取材:武本大樹アナウンサー(バイクリポート担当)「広島市出身、所属も広島放送局です!」

↓全国男子駅伝のNHK特設サイトはこちら↓ ★地元・広島チームの選手たちのインタビューも掲載★

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