スポーツ

2023年01月19日 (木)

全国男子駅伝 取材記 ~安芸路で輝け!高校生ランナー【後編】~

有終の美を飾る! 伊藤匠海選手(東京)


 千葉県富津市では1月5日から7日まで、東京チームの中学生と高校生が合宿を行いました。

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東京陸上競技協会は2006年に駅伝プロジェクトを立ち上げ、年間を通して練習会や合宿で中学生と高校生の強化に取り組んできて、力を伸ばした選手がことしの全国男子駅伝のメンバーに選ばれました。

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高校生4人は別々の学校です。メンバーが特定の学校に偏っていないところに、オール東京で強化にあたってきた成果が表れています。特に、3年生の3人はそれぞれがリベンジの気持ちに燃えています。

 

田中純選手は城西大城西の全国高校駅伝初出場の立役者です。ところが、1区で区間29位と本来の走りが出来ませんでした。

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国学院久我山の鈴木耕太郎選手は、1年生と2年生の時に都大路を走りましたが、3年生で臨んだ今回は都大会で2位となって出場を逃しました。

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最も悔しい経験を重ねてきたのが、拓大一高の伊藤匠海選手です。

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去年夏の全国高校総体では5000メートルに出場。日本選手8位以内という目標を立てて、会場の徳島に乗り込みました。しかし、ラスト1000メートルに差し掛かったときに思わぬ事態が起きます。

tokyo16.jpg(撮影:拓大一高 青柳友博顧問) ※後ろから2人目のオレンジ色のユニフォームが伊藤選手

 伊藤匠海選手

「ほかの選手と接触したわけではないが不意にふらつき、トラックの内側のラインを踏み越えてしまい、そこで失格となってしまった。気温が高い中、1キロ2分50秒を切るペースについていったため疲れが出たのかもしれない。悔しさだけが残るレースになってしまった」

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その後、高校駅伝の都大会では3区を任されますが、中間点過ぎで脱水症状に襲われ、途中棄権しました。それだけに全国男子駅伝に並々ならぬ決意で臨みます。

伊藤匠海選手

「高校最後の大会こそ、有終の美を飾りたい。駅伝の全国大会出場は初めてなので楽しみだし、支えてくださった先生や両親に恩返しの気持ちを込めて走りたい」

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伊藤選手は5キロで争う4区を希望していました。3区の一般選手からたすきをもらう区間です。

伊藤匠海選手

「東京チームで一般区間を走る予定の旭化成の茂木圭次郎さんは、拓大一高の卒業生で、今、外部コーチを務めてくれている。練習メニューを組んでもらいアドバイスもいただく頼もしい先輩とたすきリレーできればうれしい」

茂木選手も高校時代はチーム東京の強化の中で成長し、実業団に進んだ後、第21回大会では7区の区間賞を獲得しました。東京は、2位が最高順位。駅伝プロジェクトの積み重ねに加え、高校3年生の悔しい思いをバネに、悲願の優勝を目指します。

 (取材:佐藤洋之アナウンサー テレビ実況担当)

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