スポーツ

2021年08月20日 (金)

アルプスに帰ってきた吹奏楽

2年ぶりに開催された夏の全国高校野球吹奏楽部の演奏が大会を盛り上げています
去年は、新型コロナウイルスの影響で、センバツに続き、夏の大会も中止に。
ことしのセンバツも吹奏楽部の演奏は、飛まつ感染を考慮して認められませんでした。
今大会は、50人を上限に演奏することが認められ、2年ぶりにアルプス席から選手たちの背中を押す応援曲が届けられています

sports210820_1.jpg

sports210820_s.jpg

 

【コロナで目標を見失う】

兵庫神戸国際大付属高校には、この夏を心待ちにしていた女子生徒がいました。
フルートを演奏する2年生の堀谷彩夏さんです。堀谷さんは、1つ年上の姉が吹奏楽部に所属。
野球部を応援する姿に憧れ、去年春、同じ吹奏楽部への入部を決めました。

sports210820_2.jpg

しかし、新型コロナの影響で、大会が相次いで中止になったため、活動の軸だった野球部の応援ができなくなってしまいました。
目標を見失った堀谷さんはその後、休部しました。

sports210820_3.jpg

(堀谷彩夏さん)
「ほんまは野球で汗を流しながら応援するのを経験したいなと思っていたのに、コロナだからみんなともバラバラになって。教室の端っこに立って、1人で演奏することに孤独を感じました。吹奏楽部って、こんなんやったかなって思っていました」

 

【センバツが転機に】

転機となったのはことしのセンバツです。
アルプス席での演奏こそ認められませんでしたが、出場校の吹奏楽部などが事前に収録した応援曲スタンドのスピーカーから流れていました
応援団の1人として駆けつけていた堀谷さんは、その曲に心を動かされたと言います。
『音楽の力で野球部を応援したい』という思いが、再び呼び起こされました。

(堀谷さん) 
「音楽があったらこんなに盛り上がるんだなって。みんな心1つにやっている点で魅力を感じました。自分の音楽が野球部の力になってほしいと思いました」

sports210820_4.jpg

 

【甲子園までの歩み】

実は、神戸国際大付属高校の吹奏楽部は部員がわずか6人だけ。
兵庫県内で交流のある啓明学院高校と合同で演奏します。
大会前には、試合の展開を想定しながら、演奏する練習をしました。
新型コロナの影響で応援の機会がなく、6人の部員のうち5人は球場での演奏は今大会が初めてです。
大舞台での演奏に不安も抱えながら、心のこもった演奏で野球部を応援したいと練習を重ねてきました。
自宅でも顧問が用意した演奏の録音を繰り返し聞いて楽譜を覚えるなど、準備をすすめてきました。

(堀谷さん) 
「初めて演奏していいよっていう舞台が甲子園っていうのは、多分誰も体験できないようなことなので、誇りに思って堂々と演奏したいと思います」

 

【アルプス席から精いっぱい】

そして、迎えた試合当日
感染対策のため、アルプス席で隣との間隔をあけ、座席に座っての演奏です
応援の気持ちをフルートに込めました。

sports210820_5.jpg

その思いが伝わり、神戸国際大付属は2回に先制点を奪いました。
堀谷さんは、特に力を入れて、練習をしてきた「スパルタンX」の曲を演奏します。

(堀谷さん)
「盛り上がっているところにさらに勢いを増していく曲なので、もっともっと得点を入れてほしい」

sports210820_6.jpg

その直後、神戸国際大付属は追加点を奪い、2対1で初戦を突破しました。
堀谷さんにとっても夢の舞台「甲子園」。応援はまだまだ続きます。

sports210820_7.jpg

(堀谷さん)
「うちの学校の吹奏楽部は少人数なんですけど、他の高校に劣らない、野球部への気持ちは、一番だぞっていうのを他の高校に見せつけたいです」

 

取材:大阪拠点放送局 映像取材 市川可奈子

 

ニュースほっと関西 ホームページ

関西 NEWS WEB

関西のスポーツ

もっと見る

プロ野球のニュース一覧

もっと見る

大相撲のニュース一覧

もっと見る

サッカーのニュース一覧

もっと見る

東京五輪・パラのニュース一覧

もっと見る

フィギュアのニュース一覧

もっと見る

おすすめの記事・特集@SPORTS STORY

もっと見る

人気の記事ランキング@SPORTS STORY

もっと見る

最新の記事@SPORTS STORY

もっと見る

高校野球NEXT

もっと見る

関西 NEWS WEB

もっと見る