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2021年02月25日 (木)

瀬古利彦にとってのびわ湖毎日マラソン【後編】

 

瀬古利彦さんは2016年に日本陸上競技連盟のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーに就任し、東京オリンピックに向けて、新たな代表選考レース、MGC=マラソングランドチャンピオンシップを設けるなど改革を進めてきました。選手強化のための環境づくりを進める中で、大切にしているのが、かつて自身が出場したびわ湖毎日マラソンでの苦い経験です。

 

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「自分で勝った大会の映像はだいたい見るんですけど、勝っても見ないのはびわ湖毎日マラソンだけです。ずっといばらの道でスタート地点に立ちましたから、ずっと苦しかったわけですよ。悩みごとを全然人に言えなかった、自分でためこんでしまった。全部自分で解決しようってね。それがだめだったね。全部抱えちゃって、思うようにいかなかった」

 

自ら経験をいかして選手と向き合う


 

日本陸連のマラソンの強化責任者として全国を駆け回る瀬古さん。大会の会場では、持ち前の明るい性格で選手たちと向き合っている姿を見かけます。

 

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東京オリンピックの1年延期という異例の事態に直面するなか、日本の将来を担う選手たちのサポートに徹しているのです。

 

seko12.jpg(左)東京五輪の男子マラソン代表に内定している中村匠吾選手

「1年待たされて結構目に見えない疲れがみなさんあるんです。今度中村くんもけがで出られないということになりました。(東京五輪内定の中村匠吾選手はびわ湖毎日マラソンをけがで欠場)。選手って弱みをあまり言いたくないんですね。どんどんためこんで知らないうちに疲れがたまってきて走りに影響するという。ずっと緊張感を持ち続けているから、なんとなく体に異変があるんだなというのがわかります。自分の経験から。そういうのを全部なくしたい。自分だけで悩むなと。みんなで悩もうと。私が守ってあげないと。あと6か月、我々の仕事だと思います」


節目を迎える大会への思い



瀬古さんの人生に大きな影響を与えたびわ湖毎日マラソン。次の大会から大阪マラソンとの統合が決まり、びわ湖を舞台にトップ選手が競うのはことしで最後となります。瀬古さんらしく、ユーモアあふれることばで感謝の気持ちを示しました。

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「大会を見ながら泣いちゃうかも知れない。本当に今まで日本のマラソンの強化を担ってくれてありがとうと。だってアベベも走ったんですよ。フランク・ショーターも走ったんですよ。なくなったらさみしいですよ。でもね、びわ湖で走ることはなくなるけど、そのまま大阪に行くわけですから。歴史はずっと続く大会になって欲しいですね。本当に幾多の日本のトップ選手を育てていただいてありがとうございました。びわ湖毎日マラソンは永遠に不滅です」

(取材/大阪放送局報道部スポーツ 今村亜由美記者)

↓ ↓ びわ湖毎日マラソンNHK特設サイト ↓ ↓

 https://www.nhk.or.jp/rr/biwako/

 

 

 

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