スポーツ

2020年03月23日 (月)

「球数制限」にどう取り組む

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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ことしのセンバツ高校野球は大会史上初めて中止となりました。センバツが開催されていれば、ピッチャーの「球数制限」が初めて導入され、高校野球の歴史の1ページに刻まれる予定でした。

ことしのセンバツに向けて、NHK大阪放送局では出場校を対象に、投手の障害予防に関するアンケートを実施し、28校から回答を得ました
球数制限に向けた各チームの取り組みや指導者の意見をご紹介します。

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【①けがから守るための具体的な取り組みは】

アンケートは4問。

1問目は「投手の障害予防のために具体的に取り組んでいることは

多く寄せられた答えが
・整形外科医や理学療法士などと連携をとり、投手のコンディションをチェックする。
・「投球管理表」を作成し、日々の投球数を細かく把握する。

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中でも、投手のコンディショニングの管理をくわしく回答したのが健大高崎(群馬)。
・練習試合に登板するピッチャーはローテーションで決め、どの試合に投げるか事前に知らせる。
・投げるのは土日のどちらか1日、100球以内で降板し、その後2日間はノースロー。
・ブルペンでの投球練習は登板予定日の2日前だけ。
・投球数を表に記入して管理する。
・年に3回のメディカルチェックを受ける。
・選手が痛みを訴えやすい環境作り。

このように、投手のけが予防に徹底的に取り組んでいます。

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このほか、ヨガを導入している学校(智弁和歌山)、イチローさんなどが取り入れていた初動負荷トレーニングなど独自の練習を取り入れている学校(鳥取城北)、また、セルフコンディショニングの講習会を実施する学校(大阪桐蔭)もあり、さまざまな角度から、けがの予防にアプローチしていることがわかりました。

 

【②球数制限の導入を機に新たに始めたこと】

2問目は「球数制限の導入にあたって新たに始めたこと」です。

主な回答はこちら。
・複数の投手を育成する。
・投手が他のポジションの練習をする一方、野手が投球練習をする。

各校ともエース1人に頼らないスタイルを模索しています。

「最低3人の投手は必要。先発、中継ぎ、抑えと適性を考慮する」(群馬・桐生第一)や「先発、中継ぎ、どこでも大丈夫、など性格を把握する」(東京・国士舘)と、投手の個性にあわせて役割を決めようとしている学校もありました。

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【③「球数制限」導入への不安は】

3問目は「球数制限の導入にあたって不安に感じること」を聞きました。

・バッターが積極的に打たない、追い込まれてからわざとファウルにするなど球数を稼ごうとする待球作戦が行われ、攻撃スタイルが変わるのでは。
・日程や組み合わせを考えて投手を起用することが難しい。
・公立など部員が少ない学校は不利になり、チーム格差が広がる。
・不本意な降板や継投を余儀なくされる場面が想定され、継投の難しさを感じる、などの意見が寄せられました。

これ以外にも、「球数を多く投げることが悪いという風潮になると成長の妨げになる。正しくしっかりとした知識を持ち、投げられるようにしないといけない」(大阪桐蔭)、「大学、社会人、プロ野球に入って球数が増えたときに対応できるのか。投げる体力をいつ養うのか不安」(大分・明豊)など投手の育成を心配する意見も寄せられ、けがの予防と投手の育成の両立にジレンマを感じている様子が感じられます。

一方、「高校だけではなく、小・中学校から変えなければいけない」という意見が多くありましたが、山梨学院からは「中学生の硬式野球ではプロ野球と同じ規格のボールを使っているし、マウンドから打席までの距離も同じ。中学生までは使うボールを軽くする、マウンドからの距離を短くすることがけがの予防につながる」という意見がありました。

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【④ことし導入される申告敬遠による影響】

4問目は「球数制限と合わせて導入される申告敬遠による影響」を聞きました。

「投手の負担が減る」と肯定的な意見がある一方で、
・攻撃側は代打など次の準備を早く行う必要がある。
・作戦をあらかじめ考えている守備の方が有利になる。
・試合の展開が早くなるので、気持ちの切り替えが大事。
など、ゲームの「間」がなくなることへの不安を訴える声もありました。

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【高校野球は変わるのか】

センバツが中止になったため、球数制限は今後、各都道府県で行われる春の大会で順次、導入されることになりました。球数制限の導入やそれに至るまでの議論は、指導者や選手本人の意識を高め、投手の酷使の抑止につながると思います。さらに、高野連は、「飛びすぎ」が指摘されている金属バットの反発性能の抑制も進めていて、今後、高校野球は大きく変化するかもしれません。

 

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(高校野球担当 今村亜由美記者)

 

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