連続テレビ小説「スカーレット」

今週のきみちゃん

今週のきみちゃんVol.13「お父ちゃんの初めての涙」

2019年12月14日(土)

ヒロイン・喜美子役の戸田恵梨香さんが、毎週の放送の中から印象に残ったシーンやエピソードについて語ります。


オフでも八郎さんを敵視する北村さん(笑)
今週のきみちゃんVol.13「お父ちゃんの初めての涙」 喜美子の家までカケラを見に来た十代田八郎(松下洸平)は、大野信作(林遣都)が企画した集団お見合いに参加するため、早々に帰ってしまいました。八郎が忘れていったハンカチを見つけた喜美子はたまらず、八郎のあとを追いかけ、「好きや!」と告白。八郎に抱きしめられる喜美子。なんとその瞬間を父・常治(北村一輝)、妹・百合子(福田麻由子)、信作が目撃!激怒した常治は八郎を殴って、喜美子を家に連れ帰ります。

「喜美子は、家族の前で女の部分を見せてきていないので、その瞬間を家族に見られたという恥ずかしさもありましたが、目の前で人が殴られたという衝撃も大きいですし、心が忙しいシーンでした。このシーンのあとからお父ちゃんの情緒が不安定になっていくんですよね。『3歳くらいのお父タン、お父タン言うてた感じでひとつよろしゅう』とか言いだしたり(笑)。

実はその感じが撮影の合間にも続いていて、北村さんご自身が、本気で八郎さんのことが嫌なんだなという気持ちが伝わってくるんです。『あそこのお店おいしいよね』みたいな普通の会話をしていても、八郎さんというか松下さんがいらっしゃると『お前には話してないねん』と突然人が変わるんです(笑)。松下さんはしばらく大変だったと思いますよ(笑)」


純粋でまっすぐな八郎さんにキュンとしました
今週のきみちゃんVol.13「お父ちゃんの初めての涙」 信作の手引きで八郎の家を初めて訪ねた喜美子。壁には以前、喜美子が描いて渡した鳥の絵が、深野心仙(イッセー尾形)の絵と並んで飾られていました。常治に反対されたことをなかなか言い出せない喜美子は、これが最後になるかもしれないから「帰さんといて」と迫ります。八郎は喜美子の言動に苦しみながらも、「一緒に頭下げよ、結婚しよな?」と優しく諭すのでした。

「フカ先生の絵と喜美子の絵が並んで飾られているのを見て、喜美子は『知ってたら渡さんかった、恥ずかしい!先生のと並べて、恥ずかしい!』と言いますが、喜美子の気持ちと私の気持ちがリンクして、とても恥ずかしい気持ちになりました。でも、こうやって大切に額に入れて飾ってくれているのがうれしかったです。八郎さんは『結婚前や、男の一人暮らしの部屋に上げるなんてあかん』と何度も言っていましたが、この人は本当に純粋でまっすぐで、何に対しても本気でウソのない人なんだなということが伝わってきて、『この人のこと好きだな』という気持ちが湧いてきてキュンとしました。
今週のきみちゃんVol.13「お父ちゃんの初めての涙」 今週のきみちゃんVol.13「お父ちゃんの初めての涙」 61回の喜美子の最後のセリフ『帰さんといて』は、いくら関西弁といえども、言うのが恥ずかしくて恥ずかしくて。61回から62回に回をまたいでいるので、八郎さんが苦しむ場面にすぐ入ることができず(笑)、しばらく見つめ合わないといけなかったのですが、松下さんには私の目を見ないようにお願いして、私はずっと松下さんの耳の辺りを見ていました。

『喜美子、呼んで』に続いて、『帰さんといて』なんて、私はプライベートで一度も言ったことがなかったので...。喜美子って本当に大胆で強気ですよね(笑)」


急に夫婦になったような不思議な感覚に
今週のきみちゃんVol.13「お父ちゃんの初めての涙」 商品開発室で喜美子と八郎が2人の今後について仲よく話していると、臨月の熊谷照子(大島優子)が突然入ってきました。「喜美子のこと、よろしゅう頼みます」と八郎にあらたまったあいさつをする照子。すると急に陣痛が始まってしまい、喜美子と八郎は照子の出産に付きそうことになります。

「商品開発室では、基本的には八郎さんと2人で恋愛部分を紡いでいくシーンが多く、川原家に帰るとまた別の世界があって、という感じだったのですが、その2人の空間に初めて2人以外の人・照子が入ってきて、急に本当に夫婦になったような感覚になりました。1人と1人と1人ではなく、2人対1人、という感覚です。こういう感覚は今までやってきたお芝居の中で感じたことがなかったので、不思議な気持ちになりました。

それと、その時、こんなにおなかが大きくなって、自分たちよりもはるか先に進んでいる照子の姿を見て、彼女の強さとはかなさを感じ、自分の境遇をしっかりと受け入れている彼女のことを支えてあげたい、という気持ちにもなりました。喜美子と照子の関係も、これまでしっかりと紡いできたんだなと感じたシーンでした」


お父ちゃんの初めての涙に衝撃を受けました
今週のきみちゃんVol.13「お父ちゃんの初めての涙」 結婚の許しを得ようと八郎が何度足を運んでも一向に取り合わなかった常治。しかし、照子の出産に付きそった喜美子を八郎が家まで送り届けた夜、ついにあいさつが許されます。常治はマツ(富田靖子)に苦労ばかりかけてきた自分の人生を引き合いに出し、喜美子と結婚したいなら、陶芸家になるという夢を諦め、堅実に働いてほしいと言います。しかし喜美子は猛反発。一度は承諾した八郎も「一緒に夢を見させてください」と常治に懇願します。2人の熱意に押された常治は、陶芸展での入賞を条件に、ついに2人の結婚を許すのでした。

「今までどんなことがあっても泣かなかったお父ちゃんの目に涙があふれているのが衝撃的でした。お父ちゃんが初めて涙を流すのはここなんだ、と。お父ちゃんにとって喜美子がどれだけ大きな存在なのかということを思い知り、私自身の中にもお父ちゃんへの愛情がどっとあふれてきました。
今週のきみちゃんVol.13「お父ちゃんの初めての涙」 八郎さんと2人で『お願いします』と言うシーンでは、八郎さんが喜美子の前に出て深々と頭を下げていますが、『やっぱり常治には八郎のことばは入ってこない。喜美子が許してほしいって言うから、喜美子の顔を見て、うんとうなずくしかないんや』と、北村さんがおっしゃったんです。その北村さんのことばを聞いて、私の中でお父ちゃんへの感情が大きく変わりました。本当にお父ちゃんのことがいとおしくて、このシーンを経てから、お父ちゃんと喜美子の関係がより密になったような気がします」