旬の人・時の人

2019年10月25日 (金)

大阪大学教授 森川 和則さん

 

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 化粧や洋服で、顔や体型の印象が変わります。どうすればどんな効果があるのか、これまでの経験や主観ではなく、科学の目で見つけようという研究が進められています。認知心理学が専門の森川先生に伺いました。

 

森川先生は「錯視」を専門に研究しています。見えている現実は、脳が見たものを解釈したり推測したりしますが、それは必ずしも正確ではなく、ずれが生じることがあります。

 

例えば、同じ長さの2つの線の両端に、一つは内向きの矢羽根矢印をつけ、もう一つには外向きの矢羽根矢印をつけると、長さが違って見えます。幾何学的な錯視の一つです。

森川先生の最新の研究が「服装による体型錯視の測定実験」です。3Dコンピュータグラフィックスを使って、服装による体型の見た目の変化を測定します。

 

まず日本人女性の平均的な体型の画像を準備し、白と黒の同じデザインのシャツ、スカートを着せた人物画像を作りました。次に①上下黒、シャツ裾だし②上下黒、シャツ裾入れ③上下白、シャツ裾だし④上下白、シャツ裾入れの4パターンを作成します。

 

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( 画像作成協力・デジタルファッション社 )

実験に参加した30人に画像を比較してもらいました。

 

結果は、黒い服と白い服で比較すると、黒い服のほうが、バスト、ウエスト、ヒップとも1.8センチ細く見え、シャツの裾は入れたほうが1.3センチ細く見えることが分かりました。上下黒、シャツ裾入れと上下白、シャツ裾だしでは、3.1センチもの差が出ました。

 

見た目の印象が数値化されるとよく分かりますね。

 

なぜそう見えるのか、森川先生に伺うと、脳の中で「アモーダル補完錯視」が起きているということです。これは、部分的に隠れたものを見たときに、脳が隠れた部分を推定するものですが、この錯視は必ずしも正確ではなく、見えている部分の形に左右されてしまうそうです。

 

これまで化粧や着こなしによる錯視の数値化はされていなかったので、研究が進めば、科学的な知見に基づいたファッションの法則が生まれる可能性があるということです。

 

 

 

 

 

 

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