あの街この街

2019年07月10日 (水)

滋賀県 東近江市 小椋谷

 

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滋賀県東近江市の小椋谷を訪ねました。小椋谷地域は「木地師文化発祥の地」として2018年度、日本森林学会の林業遺産に認定されました。木地師とは、とち、ぶな、けやきなどの木を、ろくろを使ってお椀やお盆などの元になる木地を作る職人さんのことです。

 

その歴史は古く、平安時代にさかのぼります。文徳天皇の第一皇子、惟喬親王が、皇位継承争いに敗れ数人の側近とともに都を離れ、小椋谷にたどり着きました。惟喬親王は、亡くなるまでの19年間をこの地で過ごす中、木の実の殻を見てお椀を作ることを思い立ちました。法華経の軸が舞う、つまり巻物が回転する様子を見て「ろくろ」という工具を発明したという伝説が残っています。
技術を伝授された木地師たちは、良質な木を求めて、一ヶ所に定住することなく全国各地を渡り歩きました。
江戸時代には、木地師たちを保護・統括する目的で支配所が設けられます。この地の役人が木地師を訪ね歩き、身元を保証する手形を発行して、木地師たちが全国を自由に通行できるようにしました。当時の資料や手引きろくろなどの古い道具は、地域で大切に保管・展示されています。

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小椋谷の木地師は一時途絶えた時期もあったそうですが、現在は3人の方が活躍されています。そのうちのお2人が、北野清治さんと、息子の北野宏和さん。
北野さんは、20年ほど前にこの地に惹かれて移り住み、地元の長老から、ろくろを譲り受けたことから木地師の道を歩み始めました。北野さんは「日本人にとって欠かせない伝統工芸の器を、この地でつくることを誇りに思っています」と話していました。

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7月15日(月)には、蛭谷地区の「木地師やまの子の家」で、「木地師文化フォーラム」が開かれます。当日は、林業遺産認定の伝達式や「木地業を地域づくりに活かす試み~産業としての新しい価値と発信」と題したパネルディスカッション等が行われます。

 

 

 

 

 

 

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