おはよう関西

2021年10月15日 (金)

【ウェブ記事】世界から注目!シニア女性のファッションSNS

 

 

こちらの写真をご覧ください。

ベージュのパンツに、鮮やかな赤のトップスが映える着こなしがかっこいいですね。

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一方こちらは、モノトーンでシックにまとめた一枚。

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こうした写真を自身のSNSに投稿しているのは、なんと71歳の女性。

3年前に投稿を始めましたが、それまではSNSには無縁の生活を送っていました。

それがいまはフォロワーおよそ5000人、海外からも人気を集めています。

人生100年時代といわれる中、新たなチャレンジに乗り出した女性を取材しました。

 

親子二人三脚で発信する「日常の一コマ」

SNSに、日々のファッションを投稿している橋本啓子さん(71)です。

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カメラマンを務めるのは娘の季子さん。

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服は撮影のために新しく買うのではなく、手持ちのものからコーディネートをします。

この日は、自宅周辺の大阪城公園で撮影しました。

その洋服を選んだポイントや込めた思いをコメントに添え、投稿します。

 

啓子さんのコメント

「なんとなく今日は、このアイボリーの装いに気が向いたのです。

ブラウンのベルトと靴で、秋の雰囲気を出したつもりなんですが」

 

撮った写真をその場で投稿すると、

すぐにフォロワーからの反応がありました。

 

寄せられたコメント

「So beautiful and elegant !(とても美しくてエレガント!)」

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コメントは、なんと海外から。外国にもファンが多いのだといいます。

 

啓子さん

「カナダの人ですね。あちらは何時くらいなのかな。ツールとしてはこういうもの(スマートフォン)だけど、その向こうに人がいらっしゃるっていうのをだんだん痛感します。」

 

娘からの後押しをきっかけに、新たな挑戦へ

啓子さんがSNSを始めたのは3年前、68歳のときです。

当時、飼っていた犬が体調を崩すようになり、家でふさぎ込むことが多くなっていたといいます。

外の世界との関わりはほとんどなくなっていました。

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啓子さん

「外に出ても犬のことことしか頭がいかない。『どうしてるんだろう』で帰ってきてっていうのが1年半くらい。もうなにも楽しくないですね、外いったりしてもね」

季子さん

「(啓子さんは)世界が狭かったので。そのとき」

 

見かねた季子さんが、生活のハリになればと写真の投稿を勧めたのです。

以前は街中で印象に残ったファッションを紙に描いくなど、もともとファッションが大好きだった啓子さん。

それまでまったく触れていなかったSNSを始めることにしたのです。

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季子さん

「1日2日に一回は外向けの服着て、ちょっとでも短時間でも、外に出て、

動いてっていうのをした方がいいんじゃないかなというのがそもそものきっかけです」

 

SNSに縁のなかった啓子さんでも楽しく撮影できるよう、ポーズのアドバイスから発信まで季子さんが手助けしながら行なっています。

 お気に入りの服を着て街なかでの撮影を重ねる中で、啓子さんはしだいに元気を取り戻していったといいます。

さらに、思わぬ反響もありました。

投稿を続ける中で、SNSにコメントが寄せられるようになったのです。

 

啓子さんのSNSに寄せられたコメント

「赤色ってやっぱり映えますね~!挑戦してみようかしら」

「いつも素敵なコーディネートで、こんな風に私も年を重ねられたらなと思っています。」

「私は啓子さんに憧れます!そして目標です。年齢を重ねることに不安しかなかった私に勇気を与えていただいています。」

 

啓子さん

「お友達がすごく増えたっていう感じですね。もちろん同じ世代の方ともやり取りがあるんですが、不思議なことにお若い方だったり娘と同世代の方だったりするんですね。そういうことは今まであまりなくて、すごくおもしろいですね」

 

啓子さんの活動に企業も注目

啓子さんのSNSは、企業の目にもとまりました。

兵庫県の60代70代に向けたシニアファッションブランドを展開している、ネット通販会社です。

もともと介護用品の販売を行っていましたが、年々アクティブになるシニアに向けてファッション業界にも乗り出しました。

 初めて洋服を開発するにあたり、啓子さんをアドバイザーとして迎えたのです。

 

添田優作社長

「ブランドを立ち上げるにあたって、実際着る方からの細かいアドバイスが欲しいと思っていたときに、たまたま啓子さんのSNSを拝見しまして。ちょうど我々が体現したいというか、年齢を重ねたからこそできるおしゃれっていうのをすごく体現されている方だなと思って打診させていただいたというしだいです。」

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啓子さんは商品開発会議に何度も参加。

今のシニアが求めるファッションについて、意見を伝えました。

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そこで完成したのが、このブラウスです。

シルエットは、シニアが抱く体型の悩みをカバーできるようゆるやかに。色使いは、気分が華やぐ鮮やかなものを揃えました。

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SNSから広がる活動の輪

このブランドは京都の百貨店に期間限定の売り場を設けました。

 店頭には啓子さんの姿も。

洋服の販売は初めてですが、積極的に声をかけていきます。

 

啓子さん

「私でしたらこれ(スカーフ)とか合わせます」

お客さん

「おしゃれ!」

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70歳目前でチャレンジしたSNSで、世界が大きく広がった啓子さん。

この経験を、多くの人に伝えたいと考えています。

 

啓子さん

「(年を重ねることは)いいことも悪いこともある、でもいいことの方に目を向けてプラスマイナスのプラスになる生き方をしていただけたらなと思いますね。

インスタで私がそういうこと発信することで、歳いくことが怖くなくなったっていうコメントいただくのが一番うれしいですね」

 

 

取材:影浦 安希子ディレクター(NHK大阪)

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年齢を重ねる中で、いくつになっても新しいことに挑戦し続ける大切さを、取材させていただいた私自身、強く感じました。

啓子さんがこれからまたどのようなことに取り組まれていくのか、私も楽しみです。