2018年08月16日 (木)
大阪桐蔭・中川主将~去年の壁を乗り越えた勝利~
大会12日目第4試合、史上初となる2回目の春夏連覇を目指す北大阪の大阪桐蔭高校は、キャプテンの中川卓也選手がチームを引っ張り、去年、逆転サヨナラ負けを喫した因縁の3回戦を突破しました。
去年夏の甲子園の3回戦で宮城の仙台育英高校と対戦した大阪桐蔭は
1点リードの9回ウラ、ツーアウトの場面でファーストの中川選手が一塁ベースを踏み損なって
その後、2点を奪われて逆転サヨナラ負けを喫しました。
1年前の悔しさを胸に、夏の甲子園に帰ってきた大阪桐蔭の選手たちは16日の3回戦を前に、「去年、超えられなかった壁を超えよう」と声をかけあって試合に入りました。
富山の高岡商業との試合では1点を追う3回、ワンアウト一塁二塁のチャンスで3番の中川選手に 打席が回りました。中川選手は2回戦までの2試合でわずかヒット1本と苦しんできましたが、キャプテンとしてチームを引っ張ろうと集中力を高めていました。ツーボールからの3球目、ストライクを取りに来たストレートを冷静に打ち返し、逆転の2点タイムリーツーベースを打ちました。
その後、2点リードで迎えた9回表の守り。高岡商業の先頭バッターがヒットで出ると、球場中から手拍子が沸き起こります。ナイター照明のついた第4試合で、ベンチは同じ一塁側、そして、9回と、逆転負けした去年と似たような状況に嫌なムードが漂いました。
この場面でキャプテンの中川選手がすかさず守備のタイムを取り、バッテリーと内野陣をマウンドに集めました。セカンドの山田健太選手が「去年を思い出すな」と話すと、みんなが笑顔になったのを見て
「ことしは焦りがない」と感じた中川選手。「絶対に去年の二の舞にはならないぞ」とチームメートの士気を高めて守備位置に戻りました。
そして、直後のバッターを空振り三振に抑えた大阪桐蔭が3対1で勝ち、去年敗れた3回戦を見事に突破しました。試合後、中川選手は「去年は大歓声の中で焦ってミスが出てしまったが、あの経験があったからこそ最後まで全員でしっかりとプレーできたし、勝つことができた」と振り返りました。
1つの壁を乗り越えた大阪桐蔭。史上初となる2回目の春夏連覇まであと3勝です。
(甲子園取材班 金沢隆大記者)