歴史秘話ヒストリア

2020年06月11日 (木)

歴史秘話ヒストリア「比叡山延暦寺」

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最澄の教え「一隅を照らす(いちぐうをてらす)」。今、自分のいる場所を照らすことで、社会を明るくするという、その言葉は、コロナ禍の今、深く心に響き、とても勇気づけられるものでした。番組でご案内いただいた、比叡山延暦寺の僧侶、小林隆真さんは、現代の私たちが思い悩むような問いに、最澄も同じように悩んでいたということを知ったことが、ご自身の仏門に入るきっかけの一つになったといいます。一人の人間ができることとは、何なのかと問い続けた最澄を、少し身近に感じることができました。

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「一隅を照らす」教えの証しとして、根本中堂で1200年という長きにわたり灯り続けているという「不滅の法灯」。お堂の中でじっと見つめていると、とても心が落ち着きます。亡くなった祖父母や、ずっと前の先祖も同じ炎を眺めていたのかもしれないと想像が膨らみ、先祖に思いをはせたり、今の自分はどんな存在なのかを改めて考えたりする、特別な時間となりました。

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 小林さん曰く、法灯を絶やさぬよう継ぎ足される菜種油は、当番が決まっていないとのこと。え!? どうして守られているのか伺うと、当番があるとかえって忘れる恐れもあるため、気付いた人が進んで行うことになっているそうです。そこにも、最澄の教えが息づいているのですね。実は、この法灯、新型コロナウイルスの影響で不安を抱える人々の気持ちを穏やかにしようと、5月末から、24時間ネットで映像が配信されています!これも、新しい時代の教えのかたちかもしれません。

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去年5月に、プライベートで延暦寺を訪れた際は、山の新緑が目にまぶしく、琵琶湖の青も一際輝いて見えました。しかし、今回のロケ当日は、しとしと降り続ける雨と、春先とは思えないほど底冷えする日に。でも、小林さんは「雨で霧のかかる比叡山も、雰囲気があってとてもいいのですよ。」と、肩を落としていた私に優しく言葉をかけてくださいました。確かに、深い霧に包まれた堂塔伽藍は、とても神秘的な趣きに。その霧さえも、そのうねりが生き物のように感じられました。最澄が、さまざまな「生命」を感じたという比叡山。どの季節、どんな時も、その生命力から多くの気づきを与えてくれる特別な場所なのですね。

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小林さんには、ロケの合間にも、たくさんのことを教えていただきました。写真は、玉体杉にご案内いただいた時に撮ったものです。ニコニコと笑顔が絶えない小林さん。本当にありがとうございました!

■ コメント(1)
  • 憲資

    2020年06月11日 18時33分

    はじめまして!

    毎週、拝見させて頂いております。
    今回は、比叡山延暦寺と最澄がテーマでしたが
    「一隅を照らす」の教えは、コロナ感染拡大
    による今の世の中にも通ずるものだと思います。

    コロナ禍の中で、皆それぞれが自分たちで今、出来る事をやる
    事によって見ず知らずの誰かを救う事になり、先行きの見えない
    世の中にかすかな光を照らす事で希望を与える事になります。
    コロナ禍により殺伐とした世の中であるからこそ、
    慈悲の心を持って日々、1日1日を大切に生きて行きたいものですね。

    これからも毎週、拝見させて頂きます。
    番組の皆様もくれぐれもお身体御自愛頂き
    良い番組をよろしくお願い致します。