歴史秘話ヒストリア

2019年05月08日 (水)

自由は死せず 反骨の政治家 板垣退助    記:渡邊佐和子

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 今回は、自由民権運動家として有名な板垣退助の若き日の姿をお伝えしました。立派なひげを蓄えた政治家のイメージが強い板垣ですが、若き日は戦いに明け暮れる天才軍略家として活躍していたのですね。

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ご紹介した数々の戦略には、合理的で現実的な考え方を貫く姿がありました。錦の御旗を掲げ、戦わずして相手を攻略したり、近藤勇率いる甲陽鎮撫隊との戦いでは、名字を替えることで甲府城に入城。栃木県では、日光東照宮を戦禍から守るために僧侶に仲介を頼み、敵と話をつけてしまう。どれも、相手の気持ちを推し量り、着実に目標をクリアしていく策略がありました。

 

同じく土佐出身で、幕末のヒーロー坂本龍馬。もし大政奉還が失敗したら「板垣と話し合うつもりだ」と手紙に記していたということでしたが、同じ志の元で二人が手を携えることがあったなら、日本も違った形で道が切り開かれていたかもしれません。幕末の混乱期に命を落とした龍馬に対して、明治の世に活躍の場を求め、自由民権運動を巻き起こしていった板垣退助。激動の時代を生き抜いた板垣には、常に日本の未来を見据えつつ、情熱をもって最善手を打ち続ける凄みを感じました。

 

実は以前、板垣が欧州に渡航した際に購入したという、某有名ブランド製のトランクを拝見したことがあります。ローマ字で「ITAGAKI」と記された、ストライプ柄が印象的なカバン。欧州から大量の本を持ち帰ったという板垣ですから、きっとたくさんの本が詰まっていたのだろうと想像しました。

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議会政治がはじまって130年ほど。そして、今年は没後100年。「自由」という理念をかかげ、国民を奮起させて、議会の開設にまでこぎつけた板垣退助の功績に、感謝せずにはいられません。

 

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■ コメント(1)
  • 八束 磨里

    2019年05月09日 07時26分

    こんばんは。板垣退助というと……、そう、百円札とあのお髭、そして自由民権運動。その運動たるや、演説の度にヤカンが飛んできたり、妨害が入ったりだった……と、子供の頃図鑑で読んでいたのですが、彼の熱意によって、庶民を惹き付けたのですね。しかも、政治家になる前は、軍略家だったとは……。戊辰戦争の結果に貢献した人だった事実は、なかなか新鮮でした。
    この国の今日の政治に至る道筋を整えた、立役者は、国会や郷里で像となって、今を見据えているのですね。彼が唱えた『自由』というもの、私たちはしっかりかみしめているだろうか、また、この国のまつりごとは、果たして万民のためのものたり得ているのだろうか……。なかなか考えさせられる気が致します。