歴史秘話ヒストリア

2019年01月09日 (水)

【井上あさひ】東京オリンピックに懸けた男たち

hisutoriaidatenSP04_logo.jpg

 

あけましておめでとうございます

 私、歴史秘話ヒストリアを担当させていただいて3回目の新年を迎えました。本年もヒストリアと私をどうぞよろしくお願いいたします。

 ことし最初のヒストリアは、「東京オリンピックに懸けた男たち」。大河ドラマ『いだてん』の歴史的背景をドラマにさきがけて紹介いたしました。今回紹介した“男たち”のスポーツに懸ける真剣な思いを知ると、日本でオリンピックを開催することの意義を一段深く感じられるような気がします。

 

hisutoriaidatenSP02_logo.jpg

 

『いだてん』と“スポーツ大国ニッポン”

 2020年に開催される東京オリンピック。源流をたどればその礎に、金栗四三、嘉納治五郎、田畑政治の3人の奮闘がありました。逆に、この3人の尽力がなければ、現在の“スポーツ大国ニッポン”の姿はなかったかもしれません。

 スポーツがこれほど日本に普及していなかった時代、ましてや女性がスポーツをすることに偏見があった時代に、スポーツで人と人がつながり、それが世界を変える力を持っていることを知っていた3人。その3人が織りなすストーリーは、まさに大河ドラマ『いだてん』の主軸でもあります。

 

日本最初のオリンピアン

 何事も最初の人は偉大です。当時まだ西洋を中心に行われていたオリンピックに、日本人選手としてマラソンに参加することになった金栗にはどれほどの葛藤があったことでしょう。現在のお金にして500万もの費用を後援会から託され、世界には金メダル級の記録を持っている人物として紹介されていたとすれば、想像を絶するプレッシャーを感じていたのではないでしょうか。

 日本人がオリンピックに参加することの意味をいち早く察知し、激励を重ねて金栗を送り出した嘉納の先見の明もすごいし、それをしっかりと受け止め、厳しい状況の中で全力を尽くした金栗の大和魂にも心が震えました。

 

田畑らがなしとげた五輪招致

 戦後、日本がオリンピック復帰するのは国際社会からの批判が強く、とても困難な状況にありました。それでも日本にとってのオリンピックの重要性を感じていた田畑は、戦後たった2か月で日本水泳連盟を再建。日本人選手の水泳の力を世界にアピールしつつ、オリンピック参加への復帰の足かがりをつかんでいきます。

 そしてその目が見据えていたのは日本でのオリンピック開催でした。しかし、まだまだ日本が戦後復興のさなかであったことから国内からの批判もあり、田畑は国内外を相手に説得を続けることになりました。

 

hisutoriaidatenSP05_logo.jpg

 

平和の祭典を日本に

 1959年のIOC総会で行われたオリンピック招致の日本のプレゼンテーションで東洋と西洋の融合を訴えた演説は、世界平和を象徴するオリンピックを日本でこそ実現させたいという強い思いを世界中に届けることになりました。

 オリンピックは、平和とスポーツのすばらしさを世界中が一体となって享受する祭典です。田畑が後に著書に記した「人類にとってこれほどすばらしく平和で国際親善の実をあげる行事がほかにあるだろうか」という言葉に深く共感しました。

 私もアナウンサーとして、平和の尊さを世界の人々と共有する思いで、2020年の東京オリンピックを伝えてまいりたいと思います。



歴史秘話ヒストリア ホームページ

NHKオンデマンド 

もっと見る

そのほかの記事

もっと見る

 

■ コメント(6)
  • 八束 磨里

    2019年01月09日 23時27分

    こんばんは。こちらこそ、今年も宜しくお願い申し上げます。年末年始をはさみ、ほぼひと月のご無沙汰で、楽しみにしておりました。世界が今、欧州はもちろん米、アジアの広域にいたるまで、何やら不穏で不安定な要素ばかり見聞する今、改めて五輪というものの意義を再認識した次第です。三人の名士は、やはり先を見据えていたというか……、女性のスポーツ参加にも大戦前から取り組んでいたのですね。本当に、先の大戦を境にして、色々な(佳い)ものが、変わってしまったのかも知れません。
    メダルを多く獲得するのも成果ですね。ただ、わたし的には、ラストの1967年にやっとストックホルムのゴールを踏んだ金栗さん、そういう演出を創った五輪記念式典……。これが、オリンピックというもののコンセプトであり、スピリットなのかも、と思いました。それを観る側も大切にしつつ、2020を期待……しようかしら?

  • ぶるちゃん

    2019年01月09日 23時42分

    こんにちは!今回も拝見しました。
    平和の祭典って言葉いいですね。いや、それに尽きます。
    戦争の後のスポーツでの真剣勝負、それは人々を大きく動かします。勝敗だけじゃない、まさに平和の祭典と化します。

    最近だと北朝鮮と韓国がスポーツで 少しだけ 交流しました。本当に美しい光景だと思ったし、二ヶ国間の平和への一歩となるといいなと切に願っています。
    先日、アメリカと北朝鮮の首脳会談ありましたよね。平和の祭典はそれと似ているような気がします。

    オリンピックは平和の祭典、象徴ですよね。野球の出来る時代はいい と一緒です!そんな時代に感謝しながら生きていきたいものですね(^^)

    遅ればせながら、明けましておめでとうございます。お互い、良い年にしましょう!!(^^)
    今日もお綺麗でした。次回は手塚治虫さんですかね。内容、衣装楽しみに拝見させていただきます。では、また!!

  • 歴史の旅人

    2019年01月10日 16時42分

    あけましておめでとうございます。今年もヒストリア楽しみにしてます。。エンディングで、金栗さんのエピソード、やっぱり放送されましたね~。。もうひとつ加えて欲しかったですね、インタビューに答えられた金栗さんのコメントを、ね。。いやぁ~長い道程でした~おかげで途中に孫が3人できました、と、ウイットとんだコメントを。。

  • ピピ

    2019年01月11日 19時23分

     私が学生の頃、柔道部に所属していた友人がいて、その友人が嘉納治五郎の凄さをよく語っていたので少しはこの人のことを知っていたのですが、柔道家としてだけでなく日本のスポーツ、オリンピックの普及に尽力された方なのですね。嘉納に見いだされた金栗四三は、オリンピック予選会の時点ではそんな重大な使命で走らなければならないとは思わなかったでしょうね。ストックホルムオリンピックのマラソンに出場した半数以上がリタイアして、死者まで出るという過酷な試合になったことはスウェーデンの人達にとっても辛い記憶になっていたのでしょう。55周年の記念祭典に金栗を呼んでゴールテープを切らせるなんて、なんとも粋なサプライズですね。
     それと、戦前に東京オリンピックが決まっていたとは驚きですね。列強国の仲間入りをしたとはいえ、オリンピックは欧米のものという考えは強かったでしょうから結果を出すしか方法はなかったでしょう。しかし、嘉納の努力も報われず、日本は本格的な戦争に突入し敗戦国になったことで、国際的な舞台に立たせてもらえなくなったようですが、ロンドンオリンピックの水泳競技の決勝と日本選手権を同日、同時刻にぶつけるなどは、嘉納か実現出来なかった東京オリンピックをなんとか成し遂げたいという気持ちと、戦後復興への執念が感じられます。
     ミュンヘンIOC総会での平沢和重の名演説も重要な役割を果たしました、とても心にしみる言葉です。もし1964年の東京オリンピックが実現せず、もっと後になっていたら日本が世界平和を目指していることを諸外国からなかなか理解してもらえなかったことでしょう。東京オリンピックにこんなに深い意味があるとは思いませんでした。「大河ドラマいだてん」も楽しみです。

  • makowara2

    2019年01月12日 01時00分

    いや~、泣けるなぁ...この頃の日本人には今の日本人、もちろん私も含めて、よりもっと壮大な夢を感じます。ファーイーストはもっとずっと近くなり、アジアの時代とさえ言われる現代。でもまだ人と人の繋がりは遠いですね。しかし、精一杯努力し続けて世界の頂点を競い合うほどになったからこそ、認め合う選手たち。これほどの努力をしてもまだ勝てない、どれだけ努力したんだよ、お前は...故廣橋選手に戦後注がれた尊敬は相手選手の努力から生まれた打算なきもの、と感じます。平和の使者として走り続けた金栗氏。暖かな歓迎に勝敗以上の友情を感じます。来年の東京オリンピック楽しみ。新年早々、お綺麗なあさひさん、でした。

  • 匿名

    2019年01月16日 23時15分

    こんばんは~。井上アナが伝えるオリンピックは、ワクワクします。
    ヒストリア等の番組を拝見すると、改めて真面目に優しく、恨みつらみなく、暮らして行こうと思います。
    酔ってて、雰囲気よく記入してます。今後とも、素敵な心に染みる報道をお願い致します。