歴史秘話ヒストリア

2018年12月05日 (水)

【井上あさひ】最新研究 北条早雲

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最初の戦国大名

 浪人、高齢といわれていた早雲が、実は若きエリートだった!? とてもヒストリアらしい切り口で始まった今夜のヒストリアでしたが、もしかして、と見直してみると“変化”していくのも歴史の魅力の一つですよね。そしてこの最初の戦国大名についてもそう見ていくと、現代までつながる「志」が見えてきました。

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早雲の人間力

 戦国大名のパイオニア、北条早雲。「戦国時代をはじめた」人物であるならば、さぞ強くてコワい人物だろうと何となく思っていましたが、今は意外とそうでもないように感じています。

 伊豆を平定できたのも、また八丈島を支配したのも、単に早雲の武力が強かったからではないようです。地震や津波の被災民を顧みて守る慈しみ。おさめる島を大切にしたい代官の心をくむ思いやり。

 早雲がリーダーなら、と周囲の人々に思わせる「人間力」こそが、早雲の真の強みだったと思います。

 

窮地をチャンスに

 早雲の人生は、決して順風満帆ではありませんでした。むしろピンチに次ぐピンチです。しかし、窮地に対処できる“正解”をそのつどはじき出せる力が早雲にはありました。

 そう思うと、戦国大名として乱世のトップを突っ走っていた―というのは後の世の私たちから見た景色にすぎなくて、本当はただ目の前のことに必死に立ち向かっていただけなのかもしれません。

 そして、その「立ち向かい方」が一流だったからこそ、子孫の北条氏も繁栄し、のちの江戸の世にも影響が続いたのでしょう。早雲の覇業が結果として末長く続く家や国をつくったことを見ると、早雲がただ戦乱に乗じて成り上がった男、ではなかったと考えていいのではないでしょうか。

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「花の木を植えそえて」

 番組でも紹介いたしましたが、早雲の下の歌をあらためて読むと、早雲は心底 国の安定と平和を願っていたと感じられてきます。

 

枯るる樹に

また花の木を

植えそえて

もとの都に

なしてこそみめ

 

 戦国の世をひらきながら、太平の江戸のタネもまいていた早雲。冒頭でも申し上げたように、もしかすると、今の日本の繁栄も早雲の「志」が源なのかもしれません。



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■ コメント(8)
  • 八束 磨里

    2018年12月05日 23時28分

    こんばんは。武士の世がやや苦手な私が、何度も胸が熱くなってしまいました。戦国武士の『魁』である武将は、先ず力と攻め……では決してなく、研ぎ澄まされた叡智で、難局を次々と乗り越えて行った、ある種ジェントルな、戦略家だったのだと、感じ入った次第です。ただ滅ぼしに行くのではなく、被災者を助け、人質に取った者にも優しく諭し、自分の道を進めて行った……。幕府に突き放された時、自分で生きて行こうと決意した姿に、最後に詠んで下さった歌に、いつもながらにウルウルしていた始末です。
    世田谷ボロ市、北条氏が始めたのですね。あの楽しさは、本当に無形文化財です(笑)。東京時代に何度か訪れたことを、思い出しておりました。

  • 四国犬

    2018年12月05日 23時58分

    井上あさひ様

    "鳥羽伏見の戦い"拝見しました。
    エンディングは胸にしみました!後世で人から慕われるのは勝ち負けよりも、生き様、死に様ですね。
    そんな土方歳三と私の大好きなあさひさんのツーショットがこの回の放送の、私の一番のお気に入りの場面です。

    そして"北条早雲"
    今年度ヒストリアのスタジオのあさひさんではかなりトップクラスの美しさだと思います。
    牛の逸話が面白かったです。

  • 茅野裕子

    2018年12月06日 10時37分

    お邪魔します。かっこいい戦国武士のルーツ、感動しました。刀だけでは世の中、統治できませんね。領土を守るために養蚕業と絹織物とは、お侍というより貴族的。と、いうところが、伊勢の家の出、と考えれば、確かにすごく自然かと。
    重ね重ね拝見して、戦乱の世、武士が決して好んでいたわけではない、そんなある意味、人間臭い偉人たちの姿に、私は一番共感を覚えます。ゲームで仮想バトルを楽しんでいる皆さんは、この温かさ、分かるかなー?

  • 歴史の旅人

    2018年12月06日 11時51分

    拝見しましたです。。。なんと幕府のエリート官僚だったとは、歳も通説より30近く若いとはね~ちょっとショックですな~通説のほうが、夢があって面白いんですがね。。陰謀、謀略を張り巡らして相手を貶めてから戦い国を盗っていったのほうがね。。番組をみてたら自分に降り注ぐ火の粉を必死になって払ってったのがいつしか領土拡張に繋がっていって戦国大名のパイオニアと後世から言われるようになったんですね~本人からすれば、戦国時代の幕開けを切り開いたら人物との評価は、迷惑千万かもしれませんがね。。国を治めるには、義と慈愛と安定した生活が送れるようにするか、恐怖によって押さえつけるかですが、北条早雲は、前者のようですね。。前に放送された戦えば必ず負ける大名さんがいましたが、その大名さんも前者に近いかな?。。北条早雲が梟雄と呼ばれる要因に戦いかたががあるんでしょうね、奇襲奇策を使った戦いが多いからでしょうね、正面決戦で雌雄を決する戦いは避けてたから、相手の意表、隙、油断を突くのも兵法ですからね、本人も軍事を学んだということもあるんでしょうが、有能な軍師がいたと思いますね。。。学んだ寺の僧侶で戦略戦術に有能な人をスカウトしたかも。。。軍事ばかり書きましたが、北条早雲の本質は、戦のない平和な国を作り上げ、民が安心安定な暮しを送れるようにが志で、その為の戦いだったのでしょう。。。相手には相手の論もありますから、戦いに、義も信念は無いと思ってます、戦いに勝たなくては意味がない、勝つためには、相手を倒さなければならない、倒すためには、相手の命を奪わなければならない、そこに義も信念もなく生きる為に相手を殺めるだけしかないですからね

  • ピピ

    2018年12月07日 07時31分

     下克上の元祖と言われてきた北条早雲ですが、私の知る早雲は、足利氏に仕える身分の低い武士で、妹が今川氏に嫁いだことをきっかけに後継ぎ争いの調停で今川氏の信頼を得て、56歳で足利氏の一族を討ち戦国大名の先駆けとなったとゆう知識でしたが、今回の放送で自分の中の北条早雲が完全に変わりました。まさか年齢まで大幅に違っていたとは思いませんでした。唯一、領民に対して良くしたとゆうくらいですね。地震や津波で傷ついた領民は、敵に手当てしてもらうなど考えてなかったでしょうし、領主からもそんな事をしてもらったことがなかったでしようし、一気に心を掴まれたでしょう。
     早雲は母の仇を討ち将軍に就けることに努力したのに、義澄が斯波氏と手を結んだことで幕府に対して不信感を持つのも当然だと思います。幕府もそれだけ大名を統制できなくなっていたのでしょうけど、義澄のやり方はまずかったですね。戦国大名として独立して行ったこともうなずけます。そこから太平洋の海運を支配することで独立を保ち、その後の北条氏の繁栄が続いたのは、早雲が戦国大名の第一人者であった功績があったからなのだなと今回思いました。
     これからも新しい北条早雲が発見されていきそうで楽しみですね。

  • ぶるちゃん

    2018年12月08日 11時31分

    こんにちは。
    今回は土曜日の拝見となりました。
    北条早雲は伊勢新九郎だったのですね。なんと、政所で秘書室長を務めていたようで。確かに早雲はとても幕府への忠誠心の強い幕臣だったでしょう。とはいえ、秘書室長が今川の駿河まで戦をしに行くでしょうか?普通は行きませんよね。自分がやらなきゃいけない!と思ったんですかね。責任感が強く、行動力があることは間違いなさそうです。
    義澄が斯波氏と手を結ぶと思考が変わりました。幕府のやり方ではなく、北条のやり方で領地を統治、そして拡大していく。つまり戦国大名の第一号になるわけですね。幕府の意向を無視して動くのですから、幕府に裏切られたという辛い心が伝わってくるようです。
    北条といえば、氏康だと思っていましたが、早雲も覚えないといけませんね。知ってはいましたが、何をした人かまでは。。
    さて、お疲れ様です。今日は赤い着物でした。お綺麗です。生放送もありますね!お互い、頑張りましょうね。心身共に健康でありますよう!!!それでは、また!

  • makowara2

    2018年12月11日 00時20分

    歴史って変化が激しいですね。昔のことが掘り起こされてまだまだ変わっていく。しかし結局、年号とかより、今に生かせるかが大事なのだと思います。私は。ほかの方のコメントみて確かに一所懸命の武士より貴族的発想での統治かとも思いました。商業重視、ですからね。やはり知識って大事ですね。今と違って書物が行き渡っていない時代、今日の都で勉学に励んだ人ならではの知恵が立身出世のカギだったのかもしれません。話変わって、慶喜、理解しがたい将軍ですよね。しかしこれほど見事な白旗の揚げ方ができる武士はいません。武家の棟梁というより、見事な日本の為政者でした。最低の上司ですが。

  • 匿名

    2018年12月12日 13時41分

    あさひさん、こんにちは。

    北条早雲、謎の多い人物ですね。若かりし早雲は浪人伊勢新九郎でと名乗ってたと覚えていましたが、まさか室町幕府のエリート官僚だったとは驚きです。力ある人物のみが生き残るという混沌とした戦国の世の中で、領民に善政をひいた誉れ高い領主だったようなのでやはり官僚的要素の高い人物だったのでしょうか。でも素浪人から戦国大名に成り上がったほうがロマンがあるなと・・・
     放送では今川家に嫁いだ叔母を頼ったと有りましたが、私が読んだ本では今川家に嫁いだ妹を頼り、お家騒動を収めた功績で一城の主になったと記憶してます。あらゆる学説があるという事はますますミステリアスな人物ですね。
    歴史は暗記科目というイメージが先行していますが、あらゆる文献を熟読し遺跡調査から真実を突き止めていく地道な作業です。“もしかしたら、理系よりも論理的思考が求められる?”と考えさせられた放送でした。

    あさひさんの赤色のお召物、よくお似合いです。