歴史秘話ヒストリア

2018年11月14日 (水)

【井上あさひ】将軍吉宗と象

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象、大好きです

 今夜は「将軍吉宗のわがまま!? 江戸1300Kmの象の旅」をお届けいたしました。ヒストリアでは実はおなじみの象。これまで私が担当したヒストリアの中に、何度も象が登場していたことを皆さんご存知でしょうか。そしてついに、今夜は象が主役の座に! ついに象にスポットライトがあたったことをひそかに喜んでいるのは、私だけでしょうか?

 

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時代を超える象の魅力

 大きな動物の姿を見ているとじんわりと心が癒やされるのですが、特に象はその聡明で優しそうな瞳が魅力的で、いつまでも眺めていられます。

 ドイツの動物園での象への餌やりをするロケで、まるで人の心がわかるかのようにふるまう象と、大喜びする子どもたちの姿が今も忘れられません。

 現代でも世界中で愛されている象。吉宗をはじめ、江戸時代のみなさんが象を巡って大フィーバー状態になっていたのもうなずけますよね。

 

過酷な旅の果てに

 象が長崎の港についたスタートから、吉宗に対面するゴールまで、象にとっても周りの大名や武士にとっても、一切の油断ができない厳しい旅でした。途中、象が起き上がれなくなって何日も寝込んでしまうシーンなどは、見ていて胸が苦しくなりました。

 象にしてみれば気候も違う、食べ物も違う、まるで環境の違う場所に運ばれて、長距離を毎日歩き続けるという見果てぬ旅です。長崎から江戸まで3か月半もの旅は、周りの人間がありとあらゆる配慮に心をくだいていたとはいえ、過酷なものだったに違いありません。

 また、その周りの人間にしてみれば、いつなんどき、最悪の事態が訪れるとも知れぬ異国のけもの。どんなに扱い方に気をつかえども、どうすれば最善かを知るすべもありません。何度も切腹の2文字が頭にちらついたことでしょう。

 

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奇跡! 吉宗との対面

 かくして、吉宗と象はついに念願の対面を果たします。これは奇跡といっていいかもしれませんね。その後、象が江戸にきて12年目まで生きられたことを考えると、本当にみんなに愛されて、大事にされていたのだろうと思います。

 象が巻き起こしたフィーバーで、停滞していた日本の元気が少し取り戻せたのなら、それはもう吉宗の「わがまま」とはいえないのではないでしょうか。

 人と動物のあたたかい関係性を感じる今夜のヒストリアでした。


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■ コメント(13)
  • ぶるちゃん

    2018年11月14日 23時39分

    今日も拝見しました。
    象さん大変ですよね^ ^ 1300キロを3ヶ月半歩きっぱなし。あの身体を動かすのはただでさえ大変なのに。
    井上さんのおっしゃる通り、象も世話人も双方、それはそれは大変だったと思います^ ^

    象は人の心が分かるんですかね。確かに優しそうで、人々に愛されている映像が流れましたね。次、象さんに会う時が楽しみです。

    今日は華やかなお着物でしたね。とてもお似合いでしたし、とてもお綺麗でした。着物にも注目してきましたが、すごい明るめでしたね。明るい、華やかなお着物もバッチリです!

    今回は、メインが享保の改革、ではなく象さんでしたね。象さんメインも、とても良かったですよ。
    それでは、鳥羽伏見の戦いもしっかり拝見したいと思います。空気が乾燥しています。お肌や喉のケアを大切にしてください^ ^

  • 八束 磨里

    2018年11月15日 00時28分

    こんばんは。いきなり『徳田新之助さん』が出てきたのもびっくりでしたけど(笑)、象一頭を、長崎から京を経て、箱根越えまで手厚く助けながら江戸にようよう迎え入れた、大プロジェクト。その折に出された、実に緻密な指南書や指示伝令を目にして、歴代の将軍とはいえ、直接血がつながっているわけでもないはずの、あの綱吉の『生類憐れみの令』の緻密さとの酷似性に更にびっくり、でした。民を思う心や、まつりごとへの勤勉な姿勢も、何だか時を越えて、二大将軍、似ている気がしますね。
    私が小学校の頃、上野動物園に初めてパンダのつがいが来て、それはもう大変なブームになったのです(カンカンとランランの時ですね)。文房具屋さんにまで、大きなポスターが売っていて、すぐ売れちゃう……みたいな盛況でした。あのパンダブームに近いことを、吉宗は享保年間に自分の意図で催し、天下人の視点できちっと国を見つめていたというのは、なかなか彼が秀逸だったことの現れなのでしょう。小判の金比率を変えて、デフレを脱却した手腕、すごいと思いました。現在に来てくださったら……、わが国はもっと良くなるでしょうに、ね。
    ひと昔前は、タイに旅行で行くと、象使いが象に観光客を乗せて、付近をお散歩してくれるのが、ポピュラーでした。来年は、タイなど行ってみられては……?

  • makowara2

    2018年11月16日 01時14分

    よかったです。象っていうより享保の改革全般を取り上げていましたね。施策の一つ一つの意図が分かりやすかった。教科書と違って歴史が生きてるっていうかんじがあります。江戸時代の棟梁としては上杉鷹山公の評価が高いですが、吉宗公の治世も良かったようですね。ブログもほっこりとして太平感が出ていました。ま、着物姿ですましてしても激務なのでしょうが。お仕事、楽しんでください。次回も楽しみです。

  • ピピ

    2018年11月16日 07時06分

     ドラマの暴れん坊将軍は観たような観ないようなとゆう所ですが、庶民に寄り添った優しい将軍様とゆうイメージがあります。将軍吉宗の目安箱は有名ですが、全国統一の教科書を配布して教育水準を上げようとしたり、薬草を無料で配布したり、庶民のために尽くした所はイメージどおりの人ですね。小判の改鋳を行って米の値段を上げることに成功させたり、公文書を整理、管理したりと凄く賢くて几帳面な人なんだなと思いました。野球で言えばデータを重視したあの監督のような人なのでしょうかね。
     吉宗が象を呼び寄せたのは聞いたことがありましたが、長崎から江戸まで歩いて連れていったとは思いませんでした。一般庶民にとっては未知の巨大生物ですから大興奮だったでしょう。江戸まで歩いて行くと知った象はゾーっとしたかも知れません。(おやじギャグです) 現代でも国民の士気を上げたり、経済効果を期待してオリンピックなどの大きなイベントを誘致したりしますが、象を諸藩で歩かせたことはこれに近いことを期待したのかなと思いました。日本を一つの国として盛り上げようとしたのでしょう。やはり将軍吉宗は名君ですね。その後の象も大切にされていたようで安心しました。

  • るうみ

    2018年11月16日 19時27分

    ゾウのゆめ花ちゃん、上手にお芝居できましたね。お疲れさまでした。

  • 内田 英一

    2018年11月17日 10時30分

     戦時、空襲が激化し、動物園の猛獣は殺傷処分された際、象は毒入り餌を食べず、餓死させようとしましたが、芸をして餌を求めてたそうです。戦争の悲劇の一つとして涙が出ます。

  • 井上あさり

    2018年11月18日 16時58分

    あさひさん、こんにちは

     『米将軍』としても知られる吉宗公。時代劇では江戸の下町生活を悠々と楽しんでいますが、まさに将軍職としての生涯は米の生産量と価格調整の政策三昧。象が見てみたいというのが唯一のわがままだったのではないでしょうか・・・
     今回の放送内容は、現代の我々の世代が似たような状況に直面しているからでしょうか、心にジ~ンとくる内容でした。庶民一人ひとりにも象を見せたいという吉宗公のやさしさ、やはり名君ですね。たしか天皇陛下に拝謁するため象には官位が与えられたと読んだ事があります。
     象一頭で日本全体が一つになれる。同じような政策を現代の政治家の先生からも提案してもらいたいものです。

  • 名無しの権兵衛

    2018年11月18日 18時14分

    吉宗が呼び寄せた象が京都御所に入って時の天皇に拝謁したくだりのところですが、御所には官位がないと入れなかったので、特別に「従四位広南白象」の位を与えられて参内していることを調べておくべきですよ。

  • 茅野 裕子

    2018年11月20日 14時53分

    またまたお邪魔します。長崎からお江戸まで、参勤交代さながらの象行列、だったのですね。タイやインドでは神聖視されている生き物故に、その威容は、島国の民にも厳かに映ったのでしょう。
    象は、もちろん個体差や地域差もありますが、動けるものは1日に20kmほどは動きます。走れば時速40キロですし、そういう点では、意外とタフだとは思いますね。
    現代人に比べ、昔の武士にせよ農民にせよ、ずっと歩いていたし、そういうスローな社会での行事は、大名行列さながらというもの、だったのかもですね。
    まあ、ジパングに来て、1000キロの旅をし、その後10数年の寿命だった象くんは、ある意味暮らしにくい風土に連れてこられ、消耗したのかも。大体40年は平気で生きますので。
    それでも、先の大戦中の悲劇(動物園の象や虎が、色んな理由付けで密かに殺処分された事実)を思えば、天下の大将軍の計らいと、沿道庶民に慕われた道中にその後の余生、彼はなかなか幸せだったのかも知れません。動物好きは、ふとそんなことを思いました。

  • 小太郎

    2018年11月20日 18時49分

    吉宗の功績に焦点を当てた番組作りは興味深かったですが、石坂昌三さんの『象の旅』(新潮社)を読んだ後ではちょっと辛いものがありました。象は浜離宮で大事にされて一生を終えたように語られていました。しかし実際は払い下げられて見世物となり、ついには持て余されて、賢いために毒を飲ませることもできず、最期は寒さと飢えで誰一人看取るものもなかったそうです。戦時中の象と同じですね。動物保護などない時代のこととはいえ、吉宗の功績は功績として、そのために利用された象の真実も伝えて欲しかったと思います。

  • 歴史の旅人

    2018年11月25日 17時42分

    象さん、海をわたり長崎に、長崎から江戸まで歩いて上様のところに、お疲れ様でした。。しんどかったんじゃないかな~、こう思ってたりしながら旅してたんじゃないかな?なんでその上様とやらに会うために、長い旅しなあかんのやってね。。まあ~お役人さんもぞうさんの旅の街道にある藩の人達も神経使ったでしょうから、しんどかったんじゃないかな。。。それにしてもぞうさん、よく暴れなかったですね~人の心がわかるぞうさん、この人達も大変だからって、思ってたからかな?心優しきぞうさんですね。。さすがにストレスと疲労で途中で体調を乱してしまったのは、可哀相でした。。

  • 歴史の旅人

    2018年11月29日 23時51分

    徳川慶喜は、政に関しては、有能だったかもしれませんが、戦略戦術家としては、有能ではなかったんだと。。大政奉還しても新政府の実権を徳川家が握り、形変われどこれまで通りにの政略は、お見事ですが、そんなこと薩摩長州が認めるわけもなく、あくまで徳川家を、滅亡させるのが主眼、最初から武力抗争しか念頭になかったのを、見抜けなかったのではないかと。戦いも徹底せずに、いままでの威光と兵力の差に、頼った戦略戦術では、薩摩長州の敵ではなかったですね。。旧幕府に行った第二次長州征伐の大惨敗で兵士達は、相手の強さを、わかっていたから、一部の武士意外は戦いたくなかったのを、わかってなかったのが敗戦の要因のひとつでは。。徳川慶喜の頭の中には、徳川家を守るのが主眼で、戦いの表舞台から姿を消したんではないかと。。。鳥羽伏見から五稜郭まで続く戦いは、旧幕臣との戦いで徳川家との戦いではなかったですからね

  • 歴史の旅人

    2018年12月01日 18時39分

    連投すいませんです。。。来週の北条早雲、楽しみですね~。。還暦を過ぎた頃に歴史の表舞台に現れ、それ以前は謎が多い北条早雲ですが、どうやらいままでの思ってた北条早雲とは違うみたいで、放送楽しみにしてますです。因みに、美濃の蝮こと斎藤道三も謎多い人物ですから、取上げて北条早雲と比べたら面白いかも。国とりものがたりは、この二人から始まったですからね