歴史秘話ヒストリア

2018年10月31日 (水)

【井上あさひ】与謝野晶子と柳原白蓮

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まぶし過ぎる才能

 今夜は、「与謝野晶子と柳原白蓮」という二人の女流歌人の秘話をお届けいたしました。同時代に現れた才能あふれる二人の女性が歩んだ“愛と情熱”の日々。そのまぶし過ぎる才能と知性に、私も強い憧れを感じます。まだ女性が自立して社会に出るには早すぎた時代に、このような先進的な生き方を貫いた方がいることに、私も励まされる気持ちになりました。そして、表面的な表現だけでは伝えきれない複雑な気持ち、感情をこれほど鮮明に後世に残すことができる“短歌”という文化の力を実感しています。

 

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かごの鳥を解き放つ

 女性が男性の下に見られ、自分の意思で働く事も、自分が好きになった人と暮らすこともままならない時代に、自ら筆を持ち自分の率直な気持ちを美しく文学に昇華させることで収入を得ていたというのですから、二人の才能のすごさが伺えます。

 晶子と白蓮が後に続く女性に届けた歌は、かごの中の鳥を外の世界にいざなうエールだったのかもしれません。そしてその声は今もって私たちの心を揺さぶります。

 

血の通った文学

 しかし、文学が時代を映す鏡であるとすれば、皮肉なことに男尊女卑や戦争礼賛の時代背景があったからこそ誕生した歌もあったのかもしれません。

 二人が感じた苦しみや悲しみが才能を通して高尚な文学となり、多くの人を慰めたり癒やしたり、心を豊かにしたりしてくれている。かといって、二人は決して鉄のような女性ではなく、血の通った人間らしさを持っているところがとてもステキだと思いました。誰もついていけないような特別な感情ではなく、多くの人が共通して持っている気持ちを新しい表現で言語化してしまう才能に、ほれぼれしてしまいます。

 

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未来を見据えた視点

 平和運動を始めた白蓮と、女子教育の普及に努めた晶子。後に続く女性たちをけん引した二人の視点は、時代のはるか先にあったのかもしれません。

 ひるがえって、女性が自分の意思や意見を持って社会に出て働く事も、好きな人を自分で選ぶことも、今では普通のことになりました。その一方で、現代社会が本当にすべての人にとって生きやすい社会とはいえません。さて、私たちが目指すべき未来の社会のあり方とは? 二人の傑出した文学と生き方に触れることで、私たちも未来に向かう推進力を得られる気がいたしました。


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■ コメント(5)
  • ぶるちゃん

    2018年11月01日 00時00分

    こんばんは。今回も拝見しました。
    与謝野晶子、柳原白蓮は確かに時代の先を見て、活動していますね。与謝野晶子は女性が活躍するのに何が足りないのか、何が必要なのか、女性の活躍を切り開いてきた人だから見えていたんですね。柳原白蓮は平和が必要だと感じたんですね。今、足りないもの!愛かもしれない。真剣にそう思います。愛について、へんちくりんな宗教?のようなものがあります。そうではなくて。。
    彼女たち、愛する男と歩むまでは、確かに御法度をしているようには思います。男尊女卑の時代、よく生きたと思います。ただ、愛 の力だと思います。僕は強い孤独を人一倍感じた時期がありました。だからこそ、愛の大切さを解っているつもりです。残念ながら、女性と縁がある訳じゃないのですが。。
    井上さん、愛は大事です。幸せになるには一番大事なものではないでしょうか。孤独や、時には疲れを癒してくれる唯一のものだと思うから、大切にしてください。井上さんに愛される方は幸せですね^ ^旦那が一番愛したのは自分、そう言える人生にしてください^ ^
    乾燥してきました。冷え込んできました。お肌のケア大変ですね。それでは、また来週!!

  • 八束 磨里

    2018年11月01日 00時00分

    こんばんは。短歌の素晴らしさというものを再認識、と同時に、今よりはるかに封建的な世の中にあって、だから女のすることは……と罵詈雑言を浴びても、敢然と自分の道を生き進んだ、二人の情熱歌人の生きざまに、改めて感銘を受けた次第です。晶子さんも、白蓮さんも、多少時代は前後こそすれ、ある意味女性が自立して生きるため、もしくは人を慈しみ、尊ぶための道標を共に立てて下さり、我々はそれに従って歩いているのかも……。みんなが生きやすい、多様性を認め合う世の中にして行くために、現代の私たちももっと詠ってもいいのかも知れませんね。
    鉄幹どのへの惜別の歌、終戦の4日前に戦死した我が子への哀悼の歌……。今夜もやっぱり、ハンカチ片手に拝見しておりました。

  • makowara2

    2018年11月03日 09時33分

    こんなことは言いたくないですが、残念な回でした。理由は白蓮や晶子のナレーションをあさひさん本人が情感たっぷりに読まなかったことです。固い。短歌に感動したのなら情感に身を任せ、NHKのキャスターでも一人の女性として、思うところはあるのですよ、ってないとこの回に関してはダメなんじゃないですか。それでいながら”芸術”として、クラシックの演奏を情感たっぷりに演じつつ、知性で見事に纏める余裕が欲しかった。マエストロのように。時の女神のように人の行いをたんたんと見つめる、中性的なナレーション、いまいちでした。まさに”熱き血潮にに触れもみで、寂しからずや道を説く君”次回期待しています。

  • ピピ

    2018年11月04日 18時51分

     与謝野晶子のように、明治時代に自分の考えを社会に表現した女性はそう多くいないと思います。特に戦争に疑問を投げかけるような言動はかなり勇気のいることだったことでしよう。内気だった少女が情熱的で行動的な女性に変わったのは、よほど鉄幹が魅力的で才能のある人だったからだと思います。鉄幹に会いたいがためにフランスまで駆けつけるなんて恋愛ドラマのような話ですね。
     白蓮は、炭鉱王と呼ばれ25歳も年上の伊藤伝右衛門と結婚したことで裕福な生活は出来たかもしれませんが、自分がやりたいことが出来なかったことや伝右衛門の子供や養子のことなど、複雑な家庭環境に不満が爆発したのでしょう。新聞に公開絶縁状を出すとゆうかなり大胆な行動に出ていますが、私なら二度と立ち直れませんね。(笑) しかし、女性だけに貞操義務を負わせるのは不公平な話ですよね。晶子と白蓮は、戦争や発言力のない女性の代表として社会に問題提起した歌人だったのですね。
     それと、次回の京都現地ロケの紹介をニュース7ブログで観ました。あさひさんの写真がカワイイ。

  • 茅野裕子

    2018年11月07日 16時07分

    お邪魔します。ここには余り来ませんが、いつも番組は見させてもらってます。近代の情熱的な女流歌人の物語、、、なのにこちらの場では、女性一人で頑張っている? まるで今の国会だと思い助太刀に来ました。歌詠みをしていた私からしても、この二大歌人は、伝説的な存在です。自分では更に、大塚楠緒子も好きですね。
    女をかごの中の鳥にするのは、男? というよりは、社会ですね。社会を創る一人一人が、固定観念や不寛容さを剥き出しにする今と、近代の男尊女卑な世。どこかに通ずるものがあるように思えてならないから、現代の私も歌わなければと、しみじみ言い聞かせています。
    次は刀剣。楽しみですね。いいのありましたか? 私は村正には目が利きます。女神のあさひさんになって、名刀をいざ一振り……、されてみてはいかがですか?