歴史秘話ヒストリア

2018年10月24日 (水)

【井上あさひ】黄金の室町時代 足利義満

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戦乱だけじゃない「室町」

 今夜のヒストリアは、室町幕府3代将軍「足利義満」の秘話をお届けいたしました。室町時代と言えば、かつて番組でも紹介した「応仁の乱」や「観応の擾乱(じょうらん)」で知られる戦乱の時代です。

 しかし、その間におよそ100年の太平の世がありました。その立て役者こそが足利義満です。そして義満と言えば、金閣。番組で紹介したような、戦乱のさなかに生まれながら太平の世を作り出した苦労人という姿は、野心と権力の象徴とも見えるゴージャスな金閣のイメージとはだいぶ違っていましたよね。

 

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特別な楽器「笙」の音色

 義満が手に入れた公家での地位の確立に欠かせなかったモノに「笙(しょう)」があります。その楽器が奏でる音色は不思議で魅力的な音律。殺し合いを生業(なりわい)とする武家にとっては、人をあやめた「悪行」を打ち消すことができるという意味もある重要な楽器だったそうです。笙の美しい旋律に身をゆだねると、癒やしが体に行き届いていくのを私も感じます。この楽器をうまく扱えることが、公家としての地位と関係があるのも「なるほど、そうかも」と納得しました。

 

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“超人”義満の人間味

 むき出しの武力もさることながら、こうした文化の力も手に入れた義満が、武家と公家の両方の世界でトップに立ったという事実。そう考えると義満はまさに文武両道の超人です。その血を引き継いだ息子たちでさえ、その両方を手に入れることができなかったほどなのですから。

 武力で他を圧倒しつつも、公家としての地位をゆるぎなきものに確立した義満ですが、その一方で、細川頼之との絆をずっと大事にしていたり、すべての民が救われるようにとの祈りを捧げたりする姿からは、血の通った人間らしい内面を感じます。

 

多面的に観察する目

 また天皇の位さえ狙う「悪者」というイメージさえあった義満ですが、最新の研究でその「野心」は否定されつつあります。交易による利益を上げるため便宜的に日本国王を名乗ったという説ですが、国のため矢面に立ち、その利益で幕府の財政を立て直したのだとすれば、義満ってもしかしたら理想的な権力者だったのかもしれませんね。

 今回学んだ義満の姿からは、歴史を学ぶ時、物事をいろんな角度から多面的に観察することの重要性を感じます。そしてそれは現代の出来事をつぶさに見る、フェアな視点を持つことにもつながっているのではないでしょうか。



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■ コメント(8)
  • ぶるちゃん

    2018年10月24日 23時57分

    こんばんは。今回も拝見しました。
    恥ずかしながら、足利義満といえば金閣寺というイメージしかありませんでした。
    義満は太平の世をつくった人、大きな権力を持った人ということで、どんな人かと思って見ていました。育ての父、細川頼之を失脚させてしまったことで、無力感を感じてしまったことでしょう。そこで、官位、位を上げることで自分の力を蓄えていった。笙や和歌などのソフトパワー(文)の習得に励むとは、まさに努力家の将軍ですね。それに加えて武の面では5000人もの精鋭部隊をつくっていた。抜け目がないです。大内裏での決戦も見事でした。(山名といえば、応仁の乱にも観応の擾乱にも出てきましたね。)
    その後の南北朝合一、貿易と、政治力も卓越したものがありますね。お見事だと思います。抜け目ないですね。義持、義嗣のその後も気になります。ちょっとインターネットで見てみましょうかね。
    支配の正当性が成り立つのはこの時期で、確かに江戸幕府にもあるものだと思いました。凄いの一言です。
    では、インターネットをしますので^ ^
    中学の頃金閣寺に行きました。こうした歴史的背景などを知って見ると、きっと違うんでしょうね。自分も京都行きたくなってきました^ ^

  • 八束 磨里

    2018年10月25日 00時16分

    こんばんは。戦国時代に疎い私にとって(苦笑)、昔見た民放の某長寿番組のイメージも伴い、足利義満は、ソフトパワーの将軍というイメージが強かったのです。しかし若くして英明闊達、大内裏を使った決戦を制し、公家ともうまく折り合いをつけ、南北朝時代を終わらせた辣腕は、まさに鎌倉武士などとは一味違う、戦国武将だったのだと感じ入りました。
    およそ250年続いた足利幕府は、歴代15代の将軍という点でも、後の徳川幕府に通ずるものを持っているように思えますが、昔のことわざ、『一族を、活かすも殺すも三代目』の通り、足利一族を盤石の重きに就かせた三代目……。秋の北山鹿苑寺を、ふと見に行きたくなりました。

  • 空木宝剣

    2018年10月25日 00時26分

    グーテンアーベント 室町時代良いですね。クローズアップ現代を見ているうちに、ウトウト
    して、気がついたらカープ県民代会議の生放送。足利義満再放送を土曜日に見逃さないように
    しましょう。
    わが先祖の、赤松円心則村や嘉吉の乱の赤松満祐も、映像のタイムトンネルを見てみたいもの
    です。タイムマシンに乗って、過去への旅行番組を仰山見せてください。期待しています。

  • ピピ

    2018年10月25日 11時34分

     足利義満と言えば、テレビアニメ一休さんの中で度々出てきて一休さんと頓知問答をしていつもやり込められる、少し意地悪で人情味がある将軍様とゆうイメージが残っているのですが、それはアニメの中だけの話しのようですが。私の持っている本にも、義満が天皇の地位を狙っていたとか、天皇の権限を奪い外交権を握ったとか書かれていたので、今まで疑うことも無かったのですが、国内の安定を目指すのであれば、そんな事をすれば周りが黙っておかないのは分かりきったことなので有り得ないことですね。武家を義持、公家を義嗣と役割分担させて世を治めさせようとしたとゆうのは納得できました。公家社会で和歌が重要だったのは知ってましたが笙がそれほど大事だったとは知りませんでしたし、すごく意外でした。義満のやった南北朝合一や細川頼之の協力で有力大名の力を弱めることが出来たことで、動乱を治めることが出来たことの功績は大きいですね。
     それと、燃えるような赤い着物いいですね!ブログのあさひさんの画像にもグッときちゃいました。

  • makowara2

    2018年10月27日 00時00分

    やっぱり教養って大事なんだなぁ~、という印象をもちました。なんかの小説?で残虐非道な武力を用いて天下布武を目指しながらも、織田信長も笛を好み、盟友徳川家康が人間性を感じたなんてありましたが、武はやはり忌なるもの、華やかであったり、哀愁を感じたり、古い盟友を信じたり、がないと人はついてこないのでしょうね。笙の音色は如何なるものか。それはそうと、お琴を好んで上手だったとなにかで見た覚えがありますが、井上さんが番組中に弾いたりはしないのでしょうか。いつか観られるのかと期待しています。お疲れさまでした。

  • 歴史の旅人

    2018年10月27日 11時19分

    朝廷の権威と幕府の武力、それを支える財力、其が揃って、はじめて政権が安定しうると、何年後を、見据えて行動した義満、まさに巨人ですね。。とある番組での、暇潰しに、とんち小僧相手に遊びに、うつつをぬかしてる将軍さまのような暇人じゃないですね~。。

  • 井上あさり

    2018年10月29日 00時14分

    あさひさん、こんにちは
    お召し物よくお似合いです。まさに、『女は赤で輝く』ですね!麗しき御尊顔がより輝いてます♪
    今回も色々と学ぶ事が多かったです。守役の細川頼之と過ごした幼年期&青年期はほっこりするストーリーでした。また笙の持つ意味についても『う〜ん、なるほどね』と納得のいく説明。我々の世代では足利家に対して悪いイメージは湧きませんか、皇国史観が強かった昭和初期は南朝の楠正成を英雄視し過ぎたせいかどうしても足利氏は逆賊ととらえられてました。今回の放送で足利氏の名誉が少しでも知れ渡ればいいですね。あさひさんのコメントにあるように、フェアに判断できる時代に生きているので多角的な視点から歴史を観察し、何が正しいか判断できるようになりたいです。ただ、義満死去後の足利将軍家は波乱の連続でした。確か、義持と弟の義嗣は対立し義嗣は殺された筈です。やはり、子育ては苦労したのかなと。
    今週から冷え込みも強くなってきました。お体大切に。次回も楽しみにしてます。

  • のり

    2018年11月04日 07時49分

    私も、足利義満と言えば金閣寺というイメージしかありませんでした。
    歴史を多角的な視点から見ることは、とても大切なことだと私も思います。いや、歴史だけでなく、物事は何でも多角的に見て判断しなければいけませんよね。でないと、間違った解釈をしてしまいます。
    いつも思うのですが、一つ悲しいことは、平和な世の中を作るためには、その前に必ずと言っていいほど戦いが伴いますよね…。今放送中の大河ドラマ『西郷どん』においてもそうですよね。時代が変わっても、そこだけはいつも変わらないのが非常に残念でなりません。もしかすると、人類は何百年経っても全く進歩していないのではないかと思ってしまいます。
    歴史を学んでいるはずなのに。
    歴史から学べるはずなのに。
    歴史から学ぶべきなのに。