2018年06月13日 (水)
【井上あさひ】小田氏治 "負けない" 人生
今夜のヒストリアは、“戦国最弱”の武将、小田氏治でした。負けても負けても立ち上がった氏治の大逆転劇はいかがだったでしょうか? 励まされた? 勇気づけられた? いや、なによりも感動した? 氏治の生き方から私たちはいろんなことを教えてもらえるような気がします。
氏治の見事な負けっぷりを見ていると「これはなかなか大変な武将だなぁ」と思ってしまいますが、この氏治を見捨てることができない人たちがたくさんいたことも事実。いくら氏治があきらめない強い意志の持ち主であったとしても、それを支える人がいなくてはままなりません。氏治ってどれほど魅力的な人物だったのだろうと考えてしまいます。何度負けても立ち上がる氏治の精神的な“太さ”のようなものが、人を巻き込んでいく魅力だったのかもしれません。
私の話で恐縮ですが、生放送ではちょっとした失敗をあとに引きずると大変なことになってしまうので、瞬間 瞬間でリセットしています。あれはよくなかった、とか、もっとこうしてれば、とか、反省することも多いのですが、失敗が次の成功を連れてくると信じて、切り替えて次に進まなくてはなりません。そう思うと、なんだか“不死鳥”氏治が身近に感じられてきます。
とはいえ、氏治の場合は負けることが即、命にかかわる時代です。“負けるが勝ち”というほどの余裕はなかったことでしょう。しかし氏治の人生にとって、勝つ、負ける、とはいったいなんだったのでしょうか。例えば、織田信長は49歳で命を落とし、天下統一の夢は果たせませんでした。一方、戦国時代を乗り切って71歳まで生き、名門の家を守った小田氏治。その時々のいくさの勝ち負けはありましたが、氏治にとっての勝利とは、まさに“生き残る”ことにあったのではないでしょうか。だとすれば、どんなに大敗しても立ちあがった氏治は、最後まで“負けない”人生だったのかもしれません。
私は氏治の生き方を通して、一時的な華やかさや成功が人生最後の勝ち負けを決めたりはしない、ということを感じました。また、どんなに負けても心が折れない、あきらめない氏治の強さには、とても励まされました。
誰しもちょっとした“勝ち負け”に一喜一憂しがちですが、私も氏治を見習って、「戦いに勝ち負けはあって当然」とリセットできる強さを身につけたいものです。ワタシ、打たれ弱いので。
歴史秘話ヒストリア
http://www4.nhk.or.jp/historia/
NHKオンデマンド 歴史秘話ヒストリア 「“戦国最弱”小田氏治がゆく」
6月13日(水)22:25放送 購入期限:2018年6月27日