歴史秘話ヒストリア

2018年05月30日 (水)

【井上あさひ】奥深いニッポンの信仰心

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 春日大社には神と仏の千年を知る手がかりが

 

 神仏習合の“封印”を解き明かした今夜のヒストリア。日本人の不思議な信仰心の謎に迫りました。「伝統」ということを念頭に置くと、ちょっとかしこまる感じがありますが、生身の人間がしてきた人間の歴史を扱うという意味で、あまり堅く考えすぎないように取り組みました。

 

 神と仏という異なる信仰が反発し合うことなく、うまく混ざり合って一体化していった過程を見ていると、いかにも日本らしい、いい意味でおおらかな気質を感じました。他方を退けずに取り込んでしまうという、世界的にも斬新な「宗教ミックス」をやってのけた神仏習合ですが、単純に伝統を軽んじたわけではなく、「誰一人として取りこぼさない」という大きな慈悲だったのかもしれない、と私は思いました。この「寛容さ」「懐の深さ」が、日本人の宗教観を形作ったとも考えられますよね。

 

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神と仏の関係を物語る曼荼羅(まんだら)

 

 現代的にいえば、宗教はあまり信じないんだけど、12月にはクリスマスを祝って、年が明けたら初詣、法事はお寺にお願いする、というスタイルは、一見“いい加減”なように見えて、「寛容さ」「懐の深さ」によって無益な争いを遠ざけ、「誰もが平等に幸せを願う」という本来的な宗教のあり方に適(かな)っているのかもしれません。そう考えると、ニッポンの信仰心もなかなか奥深いではありませんか。

 

 この、“ちょうどいい”という意味の“いい加減”さこそが、もしかしたら現代においても無益な争いを遠ざけ、皆が幸せになれるヒントになるのでは? そんな気がしています。

 

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御朱印ブームの到来!

 

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NHKオンデマンド 歴史秘話ヒストリア 「神と仏のゴチャマゼ千年 謎解き!ニッポンの信仰心」
購入期限:2018年6月13日

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■ コメント(5)
  • 八束 磨里

    2018年05月30日 23時49分

    こんばんは。受験の頃も、昨日ウェブで読んでも、もう一つ釈然としなかった本地垂迹説が、よく分かりました。子供の頃は、お宮さんとお寺のケンカとか、そんな話題を見聞することが多く、そういうものかしらと考えがちだったのですが、神仏習合で、いわば古神道と仏教が、多少の儀礼は弁えど、共存共栄を図っていたという史実は、まさに現在のこの国に処方すべき良薬のように感じた次第です。ごちゃまぜといい加減……、そんなファジーさの中で、対立もせず、互いを認め合っていた信仰文化。社会の分断、二極分化、不寛容などという言葉が飛び交う世の中を、かつての神々にかきまぜてもらえたら……。
    今回も、春日大社や南円堂、西大寺まで登場して、またまた里心がつきそうになっておりました。

  • ぶるちゃん

    2018年05月30日 23時51分

    神が仏に帰依する形で全て収まるわけないですよね。廃仏毀釈をするという理屈は分かりました。ただちと酷いな。その廃仏毀釈で失われた神仏習合を取り戻し始めてる時代なのかなと思いました。
    世界では信仰というのは欠かせないものです。ただ、ひとつの宗教に統一するのはもう不可能ですよね。宗教絡みの戦争ってあるし、過去にもありました。確かに日本が生んだゴチャ混ぜ、いい加減宗教という形を参考にすれば、それ絡みの争いは起こらないかもしれません。

    宗教の教えに縛られてしまうのを僕は嫌うタイプで、特殊かな?なんて思っていましたが、そうでもないのですね。自分も無宗教ですし。クリスマスには美味しいチキンを沢山食べて(笑)大晦日には美味しいお蕎麦を沢山食べて(笑)正月は美味しいおせちを沢山食べて(笑)あれ?なんかズレましたね。いい加減に神仏に祈る現代人のメカニズムを知りました!僕も自信持って宗教のいいとこ取りをしていきたいと思います。
    ただ思うのは、神仏は頼っても頼っても、何もしてくれないということです。結局自分なんだということです。こんな事書いたら怒られちゃうかもだけど、正直な自分の考えなんです。すいません。
    それでは、また!!
    自分を労わり頑張りましょう☆

  • makowara2

    2018年05月31日 01時54分

    世界中で宗教戦争が起こる中、神仏習合は確かに奥深く、寛容で無益な争いを避けえるものだったといえます。結局ご利益があればOK!なのかな。仏教が後の鉄砲伝来的に伝わりつつ、植民地化と無縁だったことが関係しているのかもしれませんね。ところで日本人の道徳観は宗教の教義とは無縁、だったわけではなかった、と思いますが。不思議の国、日本、ですね。定期的で濃い内容ですが、ちょっと寂しい。

  • 井上あさり

    2018年06月10日 11時50分

    あさひさん、こんにちは。
     2週間遅れの感想です。仏教vs神道の争いで有名な歴史上の事件は、聖徳太子を将とする蘇我氏と物部一族の争いを思い出しました。
     私が神仏習合に初めて接した(認識した)のは、その起源より明治新政府が発令した“神仏分離令”です。今回の放送で驚いたのは、明治新政府が発した神仏分離が予想していた以上に厳しかったことです。また、神仏習合の起こりも丁寧に解説くださり勉強になりました。
     私はクリスチャンの家で育ち神道に関してはほとんど無知なので、今回は古代ローマ帝国と古代日本の宗教政策を対比しながら放送を楽しみました。古代ローマは産業や学問に特別に秀でいるという民族ではありませんでした。ただ、征服した国に対しては忠誠と納税をする限り各民族の文化と宗教の自由は保障され、征服国の良いところを導入する事により帝国内の治安は維持でき世界帝国へとのし上がりました。ローマ帝国の多神教政策と古代日本の神仏習合政策、似ていませんか。また、ローマ人は日本人同様、“テルマエ”と呼ばれる公衆温泉好き、加えて地中海に囲まれおいしい魚介類がたくさん獲れる・・・・
     どうです、ますます親近感わきませんか? 宗教の多元性を認めたのは、世界最大の帝国を築いたモンゴル帝国(元)も有名ですよね。
     東西の歴史を振り返ると、21世紀の我々が抱えている問題にどのように対応できるか参考になりますね。自分の人生の中では国策等に関わること事は絶対ありませんが、“個人としてどのような意見&思想を持って行動するべきか?”という命題を、歴史を通して学んでいきたいとおもった放送でした。
     さて、次回は伊能忠敬さんですね。人生の中間点にいる我々中年の星です。伊能さんの不屈の精神に注目し。放送を楽しみたいです。

  • 匿名

    2018年06月16日 15時15分

    神仏習合はすなわち、全員集合。