歴史秘話ヒストリア

2018年05月09日 (水)

【井上あさひ】伝説の棟梁 中井正清

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 今夜の放送は、伝説の棟梁・中井正清でした。中井正清については、以前別の番組でもご紹介したことがありましたが、今回さらにくわしく知ることができて、ますますその超人ぶりに魅了されました。またヒストリアでも、昨年放送した坂本龍馬の「刀とブーツと大政奉還」の回で、中井正清が現代に残した偉業「二条城」を目の当たりにしていまして、その威厳に満ちた迫力に圧倒されたことを鮮明に覚えています。

 

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近年発見された「江戸始図」

 

 棟梁という仕事は、現場仕事以外にも資材や職人の手配、予算や工期の管理までを手がける、現代でいえば大型ゼネコンのトップ。今のような電子機器は当然ありませんので、手書きの指示書などをもとに、何百人といる職人を配置して、工期通りに正しい寸法の材木などを組み上げたと考えると……想像を絶しますよね。

 

 なおのことすごいのは、短い工期の中で作られた城が、美しさと威厳を備え、かつ丈夫であること。権威を見せつけるための建築物でありながら、戦争とは真逆のクリエイティブな仕事が成し遂げられていることに心を動かされました。

 

 中井正清は、技術や知恵はもちろんのこと、人をひきつける力、まとめ上げていく力、“この人のためならば”と思わせるような人を巻き込んでいく力がありました。無理難題に対してそれを超えるような結果を返していく様は、「かっこいい」のひと言です。

 

 どのような分野であれ、短期間で良い結果を出すことほど難しいことはありません。ましてや慎重さ、正確さが重要な建築という仕事です。にもかかわらず、スピードに文字通り命をかけることができたのは、“プロフェッショナル”中井正清らしさと言っていいのではないでしょうか。私は女性ですが、もしかしたら男性もほれるような男性像なのかなと思いました。

 

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 名古屋城築城に参加した大工の名簿

 

 あの徳川家康に「代わりがいない」と言わしめた中井正清。その仕事術からは、現代の私たちが学ぶこともあるように思います。例えば、一人一人の属性を掌握し、それぞれが最大限に力を発揮できるように配置すること。やる気と底力を引き出す分業体制。モチベーションを高めるこまやかなコミュニケーション。

 

 中井正清が“プロフェッショナル”であったことはまちがいなさそうですが、決して中井正清一人が主役だったのではなく、大仕事を成し遂げる背景には「働く者が全員主役」の職場環境があったのではないでしょうか。

 

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http://www4.nhk.or.jp/historia/

 

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■ コメント(8)
  • ぶるちゃん

    2018年05月09日 23時35分

    そうですよね。全員主役の職場環境だったのでしょう。
    しかし、どうやったら541人もの大工さんをまとめられるのでしょうかねぇ??なんか想像できないことをやってのけている。どういった人物だったのでしょう。想像できないですよねぇ。
    井上さんが担当した二条城の番組も見ました。その時も中井正清が棟梁として築城したと紹介がありました。たしか旗本になったとか?大名みたいな肖像画ですもんね。わたくしの住む静岡市の久能山東照宮も中井正清が建築したんですね!!甥っ子と行こうかな(笑)
    というか今日は途中からプロフェッショナルみたいでしたね!正清さんが横文字読めないところ面白かったです(笑)

    あさひさんお綺麗です。今度はどんなお着物なんでしょう。楽しみにしています。土曜日はまたLiveで拝見できない(TT)

    色々あると思いますが、自分を労りながら、お互い頑張りましょう☆☆

  • 八束 磨里

    2018年05月09日 23時39分

    こんばんは。楽しみにしていただけのことがありました。そう、おっしゃる通り、今日の『ゼネコン』の祖のような存在。しかも、大和の人だったのですね。名古屋城も手掛けられたなどと聞くと、現天守をまた見ておこうかしら、と思いました。
    ゼネコン的才覚で、素晴らしい建物を次々と造られた中井氏は、しかし今の談合だらけのそれとは全く違い、参加する名工全てのモチベーションを高め、公正な入札を行った……。本当に、リニアを造る人たちには、是非ご覧になって頂きたいですね。後世に残るものを造ってもらうためにも……。
    途中で別番組になっちゃうかしら、と思いましたが(笑)、家康という人も、彼や、この前の三浦按針などという、強い助っ人に恵まれたからこそ、江戸幕府270余年の安泰の礎を築くことができた、そう思えてなりません。また、中井氏は、法隆寺の番匠だった父君と、没年が10年しか違わないのだそうで、やはり身を削っておられたのかも……と、感慨を深くいたした次第です。

  • 匿名

    2018年05月12日 02時40分

    徳川家康公は、法制度、都市設計、道路整備、戸籍管理、対等な外交など、とても多彩な政策を遂行されたと考えています。その点に魅力を感じます。「家康江戸を建てる」の本に描かれているように、人材の活用や把握が俊逸だったと思います。
    その源泉は、父親や息子への無念のおもいを背負った経験であったり、生物学的には、両親や祖父母が若いということだったりが、天才を生み出す素地であると考えております。
    家康公の大航海や城作りに関わりある秘話は、より注目して拝聴致しました。
    今後とも同様な秘話がございましたら、是非宜しくお願い致します。

  • 手塚 千晴

    2018年05月12日 23時34分

    今日の再放送が長野県の地震速報で見られませんでした。録画をして楽しみにしていたので、とても残念でした。ぜひ、再々放送をよろしくお願いします

  • 金井豊

    2018年05月13日 09時54分

    昨日(5月12日土曜日)歴史秘話ヒストリア大工棟梁中井正清を拝見させていただいておりました。大変楽しみにしておりました。
    ただちょうど途中から、地震速報が入りほぼ半分が放送していただけませんでした。
    地震速報は必要と思いますが、この番組内容も史実に基づき、大変内容の濃い番組でしたので、きちんと全て拝見したいと思います。
    ぜひ、再放送をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

  • 井上あさり

    2018年05月13日 18時39分

    あさひさん、こんにちは。
     
     築城のプロといったら藤堂高虎や加藤清正などが思い浮かぶのですが、中井清正という人物は初めてきいた人物でした。
     今回のヒストリアで何が驚いたかといったら、400年以上も前から工程管理&生産性向上を考慮したものづくりのスペシャリストがいた事です。学生時代、からくり人形の復元を手段にロボット工学の研究をしていた恩師がいました。その先生はよく、”過去の先人の知恵から学ぶべき事がたくさんある。”とおっしゃっていました。しかし、20年前の私は ”技術者たる者、常に最先端技術を修得すべき”という生意気な考えを持っていました。今回の放送を観て、先生がおっしゃていた意図が何気にわかってきました。歴史から学ぶべき事はたくさんありますね。
     今回は久しぶりに奈良大学の千田先生が解説してくれました。先生の解説わかりやすく、本当に歴史研究が好きなんだなと。加えて、番組構成も楽しく拝聴させていただきました。
     
     あさひさんの分かりやすい解説&優しい語り口は、人を引き付けるという点では正清さんと互角の勝負です!!。もちろん、スタッフさんの協力があってこそですが・・・来週は足利兄弟ですね。30年前ぐらいに放送していた太平記を思い出しながら楽しみにしています。

  • ひさ

    2018年05月19日 23時26分

    中井正清、子供の頃から、近世の城郭建築の第一人者として、関心を持っていました。 
    目の前の城郭の建築が、中井正清という実在の人物の存在を通して、なお一層、我が国の人材と歴史の厚みを子供ながらにも、感じました。

    先週土曜日の再放送、長野県の地震速報のため、途中で終了してしまい、大変残念でした。

    中井正清の功績を、日本のあすを担う子供たちが観られる土曜日の午前中に、再度、再放送していただき、一人でも多くの子供たちが、我が国の人材と歴史の厚みを知ることがてきるように、ご配慮いただけますよう、是非ともお願いします。

    オンデマンドでは、中井正清を知っている人には視聴するのに便利ですが、中井正清を知らない子供たちには、やはり、公共の電波で伝えることが必要かと思います。

    どうぞ、よろしくお願いします。

  • のり

    2018年06月30日 12時35分

    いつも楽しく拝見しています。
    これー、これこれーーっ!!『歴史秘話プロフェッショナル』の回。
    再放送していただいてありがとうございました!!
    本放送で観たのですが、とても良かったのでもう一度観たいと思っていました。また、先日の再放送が途中から観られなかった方もたくさんいらっしゃったようで、そのためにも大変ありがたかったです。
    私は中井正清を知らなかったのですが、こんなスゴい人がいたことを知って、改めて歴史に興味を持つようになって良かったなあと思いました。こんな人が自分の上司だったら心からついていきたいと思うし、もし大変な仕事を任されたとしても、「この人のためなら何とかしなければ!」と思わせるようなそんな人物だと思います。
    近頃、『一億総活躍社会』などと言われたりしていますが、それを本当に実現しようと思うのであれば、正清のように人をしっかりと良く見て、適格な判断と評価ができる人に棟梁になってもらいたいものです。周りを見ないで、私利私欲に走るような人はいりません。
    とは言いつつ、私自身も正清を見習ってちゃんと「清」く「正」しく生きたいと思います!