歴史秘話ヒストリア

2018年04月18日 (水)

【井上あさひ】イギリス侍 三浦按針の「友情」

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 徳川家康と三浦按針の「友情」の物語、いかがでしたか?

 数奇な運命のもと、日本史に名を刻んだ按針。家康だけでなく、日本の国にとっても恩人といえる人物なんだと今回初めて知りました。

 

 按針が生きて日本に流れ着いたこと。家康との出会い。その後の活躍。―どれもまさに「運命」という言葉が頭に浮かぶ出来事ばかりです。そして、この「運命」が歴史をつくりました。ヨーロッパからの大航海時代の荒波押し寄せるなか、日本が今ある歴史の流れを進めたのは、まさに按針のおかげだった気がします。

 

 曽我廼家文童さんと、パックンことパトリック・ハーランさんの共演されたドラマパートも説得力があって、見ごたえ十分でした。パックンの実にたくみな日本語(かえって失礼かな?ゴメンなさい…)あるいは「祖国に帰りたい!」と苦悩する表情の演技を拝見していると、だんだんパックンが、按針本人にしか思えなくなってくるから不思議です。

 

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 按針は言葉のカベを乗り越えて、文化のまったく異なる日本でもその多才な力を発揮します、と言うのは簡単ですが、いかにそれが大変だったことか。その時々の状況が、あらゆる困難に満ちたものであっても最善を尽くす。按針の生き方と覚悟は、まさに「サムライ」そのものだったと思います。

 

 家康と按針の関係は、単に利用する者とされる者のそれではありませんでした。徳川幕府のいわば外交顧問として奮闘した按針。彼の働きには、外交は「国家同士」の交渉ごとといっても、結局は「人間同士」のやりとりである、と強く感じました。家康は政治上のドライな要請、だけでなく、かといって不安な感情ゆえ頼る依存、でもなく、ただ按針という人物を信頼し、任せたということではないでしょうか。按針もそれに精いっぱい応えたのだと思います。

 

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 番組では、このふたりに流れるものを「友情」と表現しました。けれども、確かに按針にとって家康は命の恩人。家康にとって按針は、それまで入手困難だったものを次々と自分に届けてくれた奇跡のような存在。日本では「主君と家臣」というかたちを取りましたが、両者には「忠義」「友情」すら超える互いへの尊重心、きずなが培われていたのかもしれませんね。

 

 歴史をつくった徳川家康と三浦按針の「秘話」、ご堪能いただけたならば幸いです。

 

井上あさひ

 

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■ コメント(8)
  • 八束 磨里

    2018年04月18日 23時37分

    こんばんは。リーフデ号で日本に来た……しか習ったことがなかった三浦按針でしたけど、その紳士的な気質で、家康と『まごころ』を通じ合って、日本外交を進めて行った人だった……。ラテン系の下心も推し量り、おかしいことはおかしいと、忠言できたからこそ、深い信頼を築けたのだと思います。何だか、現代のこの国を取り巻く情勢に、彼の一言一計を賜われたら、と思ってしまったり……。
    そう、アダムスは、帰らなかったのですね。平戸の海を見つめて、祖国を思ったのか、帰る場所は日本しかないと思ったのか……。少ししんみりしながら、夢の中で考えてみます……。

  • ぶるちゃん

    2018年04月19日 01時05分

    こんばんは。
    徳川家康は三浦按針を保護して助けました。
    この事実がなければ、スペインに植民地化されていた、、かもしれない。そんな気さえしました。外国からみたら日本はトロイ国で、どう侵略するか、外国は考えていたでしょう。
    按針は外国のような下心なしに、家康に忠義を尽くした。外の狙いや思惑が何なのか、外と日本の厳しい関係を教えてくれた按針。あさひさんのおっしゃる通り、何とも言えない良い信頼関係で成り立っていますね。
    今日は録画でした。今週は土日がLiveです(^^)
    本当にお疲れ様でした。お着物とてもお綺麗です。お身体にお気を付けて!心もご自愛ください。それでは、また来週!

  • ひろ

    2018年04月19日 20時57分

    あさひさん、こんばんは。
    あさひさんのご感想が素晴らしすぎて、何も書くことがないのですが…(笑)
    家康と按針の関係は、あさひさんのご感想のとおり「運命」としか思えません。
    家康にしてみれば、天からの贈り物の様に感じたのではないでしょうか。
    按針の帰国を許すことは家康にとって不利益以外の何物でもないのに、
    按針のこれまでの働きを褒め称えて帰国を許す様はグッときました。
    あさひさん、今後とも応援しております。
    急に暑くなったりしますので、体調にはお気を付けくださいね。

  • marco

    2018年04月21日 10時03分

    イギリスの侍「三浦按針」を見て大変感銘を受けました。この日本の国が植民地化しなかったのはあの時代、彼の功績が大変大きかったのだと思わされました。わたしはキリスト者の殉教などが何故起こったのかずっと疑問でした。遠藤周作の「沈黙」という映画もありましたが、貿易と不況が同じになっていた国に対して、同じキリスト教でも異なる争いのあった国の太平洋側からの苦心の末の国への異なる宗派の使いが来て、政治の指針まさに按針をなしたことは、本当に神の摂理、計画でもあったのだろうと思わされました。彼の母国への手紙がそれからの行く末を決めたとでも言えるのではないでしょうか。いつか、按針祭に参加してみたいと思いました。パッックン演技よかった、です。

  • のり

    2018年04月21日 10時43分

    すっごく面白かったです!
    大河ドラマ化を希望しますよ!

  • さなだ げんじろう

    2018年04月22日 17時29分

    日本で結婚して子供が2人できたのに、イギリスに帰ろうする按針はおかしいぞ‐と思って調べたら、やはりイギリスにも奥さんと子供2人がいたことが分かりました。あさひさんはご存じなかったかな?
    もう一つは、あさひさんの紹介文にケチを付けたくないのですが、家康と按針は年の差が21あるので、深い友情があったというのはちょっと無理があると感じました。やはり主君と家臣の関係だと思います。
    それはともかく、家康にイギリス人の家臣がいて、関ヶ原にも参加していたことは知らなかったので、とても勉強になりました。これからもヒストリアで、歴史を楽しく学びたいと思います。今回もあさひさんのナレーションが心に染み入りました。

  • 井上あさり

    2018年04月22日 19時28分

    あさひさん、こんにちは。

     三浦按針。お堅いNHKといえども、過去に扱った事がほとんど無い人物ですよね!歴史でならった按針は、徳川家康の外交顧問程度でしか扱われていなかったので。
     侍の意味は、人に仕えるという”さぶらう”という言葉からきていると読んだことがあります。ささいなトラブルでイギリスに戻らず、自ら日本で生涯を終えると決めたのも侍としての誇りがそうさせたのでしょうか・・・按針の子孫がその後どうなったか興味がありますね。
     身分を超えた、家康&按針の友情物語ともいえる今週のヒストリアも目頭が熱くなりました。一度、三浦にいって、按針が伝えたワインを飲んでみたいです。
     さて、次回は、少しテーマが重そうですね。あさひさん&スタッフさんも新しい挑戦ですね!期待しています!!

  • 四国犬

    2018年04月25日 14時18分

    井上あさひ様

    歴史上、大航海時代と切り離せないのが奴隷です
    1517年にはスペインは新大陸で黒人奴隷を牛耳ったぐらいです
    一歩間違えれば、日本はプランテーションになったり、日本人が奴隷貿易で輸出されていた可能性も否めなかったですね
    それを未然に食い止めたのが按針ですが、もしも按針が彗星のごとく流れ付いていなかったらと考えると…
    按針は救世主ですね、そしてまさしく青い目のサムライ、海の目のサムライです
    それにしても家康の洞察力もこれまた凄い(笑)