歴史秘話ヒストリア

2018年01月18日 (木)

百万石サバイバル! 加賀前田家・3人の英雄たち

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 金箔の間と利家公の甲冑(再現)

(箔一本店 箔巧館)

 

 加賀百万石と聞いて、「前田利家とまつ」のことを思い浮かべる方も多いことでしょう。のちの加賀百万石の大繁栄の礎を築いたのはもちろん利家です。数々のピンチをくぐり抜けて、夫婦一体となって出世街道を駆け上がり、秀吉が天下をとると北陸三か国を治める大大名に。しかし、後が続かなければ現代に続く繁栄や、金沢が誇る特有の美の世界はありません。

 

 実は、利家・利長・利常の「前田三代」は、のちに百万石と称されるほどの石高の高さから徳川将軍家に常に警戒される存在でした。それゆえ、幾度ものお家取りつぶしの危機がありました。2代・利長、3代・利常には、前田家の生き残りをかけた究極のサバイバルが架せられていたのです。

 

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左から2代・利長、初代・利家、3代・利常

 

 利家は、一代で出世街道を上り詰めたという意味で、文句なしにすごいと思います。しかし、それをつなぐ責任を負った利長の苦悩は深かったのではないでしょうか。その中で知恵を絞って、お家存続のためにみずからを犠牲にして前田家を守り切りました。その利長亡き後、幕府から何度も謀反の疑いをかけられながら、奇策で苦難を突破していくのが利常です。生き残りをかけて勝負に出た策は、なんと文化路線。これがのちに金沢の多くの工芸品を生むことになります。

 

 今回のテーマは、「つなぐ」ではないでしょうか。命のバトンを「つない」で、前田家を守り、北陸文化の繁栄に「つなげ」ました。「前田家も、もうここで終わりか」という場面が何度もあったはずですが、そこを知恵と勇気でくぐり抜けることができたからこそ、現代まで「つながって」いる。

 

 ひるがえって考えると、今を生きる私たちも、先輩たちが受け継いできたものを受け取り、次の世代にバトンを渡しているんだということをあらためて感じます。前田家のように領地領民にかかわるような大きな話ではありませんが、私たちも仕事であったり文化・伝統であったり、生活の知恵であったり、そういった形に現れないものを日々つないでいます。おこがましいですが、私もできることなら、いいものをいい形でつないでいきたいと思い、少し背筋が伸びる思いがしました。

 

 百万石のバトンを見事につないだ前田家3代の奮闘。お家を守りながら、豊かな文化を花開かせた“知恵”にご注目ください。

 

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尾山神社の前田利家公像

 

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「百万石サバイバル! 加賀前田家・3人の英雄たち」

http://www4.nhk.or.jp/historia/

 

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■ コメント(7)
  • 八束 磨里

    2018年01月19日 21時12分

    こんばんは。大河ドラマばかり申し上げて恐縮ですが、『葵 徳川三代』よりもずっと素敵な、加賀前田家三代記……を拝見した気分です。よく、『生かすも殺すも三代目』と言われますが、利家から利長に受け継がれ、堅実に増やされた家督を、見事に利常が『文』の熟成で守り抜いた……。三代の叡智以外の何者でもないと思います。伝統産業保持のため、職工への技術見本まで残していたのには、深い感銘を受けました。熟練した職人を大事にしない、我が国のもの作り現場に、一顧願いたいですね。そして、やはりまつはしっかり手綱を引いていた……。戦国の世にも、女性の力ありき、でしょう?

  • ぶるちゃん

    2018年01月19日 21時15分

    今回のテーマ「つなぐ」に注目して拝見しました!
    守成した利長、利常凄いですね!家康から加賀百万石守り抜きました(笑)今回、利長が気になりました!毒を飲んで死期を早めたというお話がありました。とても思い詰めたのかな、と思うと気の毒です。前田利家の83万石を120万石に増やし、家のことを思って、毒まで飲んだ利長、とても立派でした。

    あさひさん、金沢寒そうでしたね(^^)息が白かったです!
    今は1番寒い時ですし。。大変でしたね。皆さんお疲れ様でした。
    毎度ながら、、、兎に角ご自愛ください。いつもパワー貰っています。応援してます!!
    それではm(__)m

  • 飯野 巳喜雄

    2018年01月20日 17時38分

    加賀百万石の歴史の中に、利家の五男利孝が「家康暗殺計画」疑惑の弁明のため利長の生母芳春院(まつ)と共に江戸へ人質に送られた話、その後、大坂の陣の武功により七日市に所領を与えられたという話が全然出てきませんでしたが、どうなっているのか知りたいです。
    よろしくお願いいたします。

  • 四国犬

    2018年01月20日 20時59分

    井上あさひ様

    "百万石サバイバル!加賀前田家…"拝見しました。
    冒頭からロケパートでしたが風が吹いていましたね、雪が積もっていたしあさひさんの吐く息が白く
    かなり冷え込んでいたのが画面から伝わってきました、あさひさんをはじめスタッフの皆さまお疲れ様でした。
    妙立寺(忍者寺)のからくり仕掛けが面白かったです、最初の方で出て来た"忍"の一文字と繋がりましたね。
    あさひさんwith利家公像がめっちゃキマっていました、ヒストリアブログの画像で使われたのは、なるほどでした。

  • makowara2

    2018年01月23日 01時58分

    あけましておめでとうございます。ちょっとだけ酔っています。年末年始お疲れさまでした。ブログはすっかり見ていなかったのですが、書き方が変わっていて驚きました。文は人なりとか、仕事に対する自信、充実感を行間に読みます。人生、春夏秋冬あり。青春あり、盛夏あり、実りの秋あり、耐える冬あり。各々の良さと辛さがありますよね。なかなか成果の出ないときもあれば、ぐんぐん結果が出て、良き出会いがあるときもあり。あさひさんにとって今はいい季節なのでしょう。はつらつといい仕事してください。スイスの時計職人は冬、工房に籠るらしいです。金沢の文化も厳冬に耐えて花開いたのかもしれませんね。

  • さなだ げんじろう

    2018年02月11日 17時03分

    とても面白くて、勉強になりました。具体的には、関ヶ原合戦に参戦しなかった90万石の大名がいたことを、今回初めて知りました。おととしの「真田丸」で、”わしは徳川と豊臣のどちらにもつかん!”と言う父親を、”どちらにもつかなければ、どちらも敵に回すことになります!”と源二郎が諭していたように、関ヶ原では全国の大名が例外なく二分されたと思い込んでいました。大河ドラマを12年間見続けていたのに知らなくて、今回は盲点をつかれました。これからも視聴者の目から鱗が落ちるような番組を期待してます。
    あさひさんのナレーションは天下一品で、いつも癒されています。

  • 匿名

    2018年03月11日 21時54分

    今日のニュース7は、特に素適でした。
    震災をしっかりと冷静に伝えられていました。
    NHKさんありがとうございました。