歴史秘話ヒストリア

2016年09月15日 (木)

溝端さん、川島さんが語る啄木夫婦の"愛"

 9月16日放送の歴史秘話ヒストリア「妻よ、私がバカだった 石川啄木と妻・節子」にご出演の、石川啄木役・溝端淳平さんと、その妻・節子役の川島海荷さんから、特別にコメントをいただくことができました。

 

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撮影前に読んだ啄木の歌集を手にする溝端さん

 

溝端淳平さんのコメント

 石川啄木といえば、若くして亡くなった天才というイメージで、教科書で一度は目にする方だという認識しかありませんでした。今回演じるに当たり、啄木の作品を読んだり映像で舞台を見たりして調べましたが、啄木って壮絶な人生を送ったんだなと思いましたね。教科書には書いてないじゃないですか。たった26年しか生きてないのに、これだけの経験をして、これだけのものを残しているというのは大天才なんだろうなと思います。

 

 ただ、才能という魅力を別にすると、女性目線で見た啄木は本当にロクでもない男なんです。しかも悪気がない。自分のことを天才だと豪語したり、周りの人を才能が無いと思っていたりするのも、自分に言い聞かせているとかじゃなくて、本心で思ってたんじゃないかと。うぬぼれですけど、自分が信じ込むだけじゃなくて周りの人も巻き込むほどの信じる力があったんでしょう。

 

 それを踏まえた上で、「異常な人なんだけど憎めない」「異常な人なんだけど魅力がある」という啄木らしさを演技にだせればなと考えました。普通じゃないことの魅力があるんだろうし、普通の経験では書けないことを書けるからすごいわけで、その意味で壮絶な人物像を描けたらなと思いました。

 

 妻である節子については、単純になんでこんな男を好きになったんだろうって思いました。いったいどれぐらい惚れさせたら、ああいう男を許せるんでしょうか。でもそれぐらい魅力的だったんだろうなと。それは自分へのプレッシャーでもありますけど。

 

 特に若い人たちにとってこの番組を見ることが、何かのきっかけになればいいなと思います。石川啄木というギリギリで生きてきた人の人生を知ることもきっと面白いはずです。「歴史は覚えるだけだ」と思っている方にこそ観てほしいというか、歴史とは覚えたり知ることじゃなくて、それを見て自分がどう考えるか、どう解釈するかが一番大事だと思うので、啄木の一生に触れることで少しでも何かを感じてもらえればうれしいですね。

 

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節子の人生に思いを寄せる川島さん

 

川島海荷さんのコメント

 石川啄木については、学生時代名前は聞いたことがあったのですが、詳しい人生は知らなかったので、あまりしっかりとしたイメージは持っていませんでした。このお仕事をいただいて台本を読んで、こんな波乱万丈な人生送ってきたんだ、現代では信じられないような価値観を持っていたんだということを知りました。

 

 個人的には啄木の性格の面とか生活感というか、そういうところは共感できませんね。ただ節子は、才能に惚れこんで才能を開花させるために妻として支えたい一心だったのだと思うので、男性の能力の部分に惚れこんでついて行ったのかなと思いました。実際性格面で啄木を好きになれといわれたら難しいかな。節子は苦労かけられていますし。

 

 だけど節子は、たとえどんなことがあっても、いつまでも彼の才能を信じています。そして啄木にとって自分が必要な存在であると信じること。それが節子にとっての希望なのかなと私は解釈しました。実際はどうかはわかりませんが、そう解釈することで節子に私も共感できました。

 

 節子は自分の信念は曲げない人なんじゃないかなと思ったので、弱くはなりたくないと思いました。だから、あんまりあたふたしないように、ちゃんと芯が見えるように、変に動揺しない女性を演じました。

 

 私の目線では、歴史上の人物として啄木は有名だと思うんですけど、その裏に彼を愛し続けて支えていた妻がいたことはそれほど有名ではないと思うんです。その妻が無条件の愛で支え続けたからこそ、啄木は何度転落しそうになっても這い上がってこられた。ぜひこの愛の物語をたくさんの人に知ってもらえたらなと思います。だからといって教科書に書いてある文字を読むのはつまらないじゃないですか。映像で観ることによってより理解できるというか、その情景が想像できると思うので、この番組で現代とは違う価値観を皆さんに想像してもらえたら嬉しいです。

 

※「石川啄木」の「啄」の表記について、本来はキバ付きが正しい表記ですが、閲覧環境によって見え方が違う場合が想定されるため、当ブログでは、「啄木」と表記しています。御了承下さい。

 

歴史秘話ヒストリア

「妻よ、私がバカだった 石川啄木と妻・節子」

http://www4.nhk.or.jp/historia/

■ コメント(4)
  • たにちゃん

    2016年09月15日 21時35分

    石川啄木役の溝端淳平さんと、妻・節子役の川島海荷さんのコメントを掲載してくださって、ありがとうございます!!

    先日、淳平君が石川啄木の詩集を買って、勉強されたと話されていたので、私も石川啄木の『一握の砂・悲しき玩具』を買って、読んでみました!!

    啄木の26年の濃密な人生が凝縮されていて、今まで知らなかった石川啄木を少し垣間見たような気がしました!
    歴然秘話ヒストリアで、淳平君と海荷ちゃんが、石川啄木と節子の人生や情熱をどんなふうに演じられるのか、とても楽しみです!!

    明日の放送が待ち遠しいです!!

  • ぺちか

    2016年09月15日 21時35分

    お二人とも随分と考えて演じられているのだなぁ…と感心しました。あまり知られていない秘話を演じるのはやはり難しいのですね。これは観る方も心して見なければいけませんね。

  • なお

    2016年09月18日 15時36分

    番組、面白かったです。
    惜しむらくは、次の有名な一首を紹介してほしかったです。

    不来方のお城の草に寝ころびて
    空に吸われし
    十五の心

    中学を中退するエピソードをとりあげたところでこの歌を含む連作の三つの歌を紹介してもらうとよかったかなと思いました。

  • 織座

    2016年09月20日 16時44分

    むかし澤地久枝さんが石川節子を書いた「愛の永遠を信じたく候」を読んで、まるで貧乏と借金の記録だと思ったことを覚えています。それだけ苦労させられても最後まで啄木に寄り添ったのはすごいですね。
    ところで啄木と同じ明治の歌人で、「東の啄木、西の純孝」と言われた前田純孝がほとんど取り上げられることがないのは何故でしょうか。いつも疑問に思ってしまいます。