2021年08月04日 (水)
マスクで顔が分からない!中学生が考えた方法は?
感染防止のため、マスクをつける生活が日常となりました。
一方で、見えにくくなってしまったもの。
それは、笑顔。
大声を出して笑いあうこともためらわれる今のご時世。
大阪の中学生たちが自分たちの笑顔を取り戻す「笑顔ルネサンス」に取り組みました。
(大阪放送局 リポーター 小野田真由美)
■なんとか笑顔を取り戻したい
大阪府高槻市立第二中学校の1年生です。
ふだんの学校生活では、いつもマスクをつけています。
素顔を見る機会は給食のときなどに限られ、お互いの笑顔を見たことがほとんどありません。
担任を持っていない先生は、生徒たちの素顔を知る機会もありません。
なんとか笑顔を取り戻すことができないか。
そこで考えたのが、ふだんマスクに隠れた笑顔を自画像に描き、みんなに知ってもらう取り組みです。
高槻市の美術科の先生たちが企画し、市内18の学校のおよそ9000人の生徒が参加。
笑顔の「復興・再生」を意味する「笑顔ルネサンス」と名付けました。
美術担当 好田得二 先生
「マスクをつけることで、普通に顔を見ることもできない。そんなみんなの笑顔を、復興させようと考えました」
■お互いに笑顔を撮影
笑顔を描くためには、マスクを外さなければならない。
そこで生徒たちが使ったのが、タブレット端末です。
マスクを一瞬だけ外して、お互いの笑顔の写真を撮影していきます。
久しぶりに友人たちの前で見せる笑顔。
会話は禁止で、撮影を終えたらすぐにマスクをつけなくてはいけません。
それでもタブレット端末の画面の中には、満面の笑みがあふれています。
■笑顔を描くと気持ちも明るく
教室に戻ると、写真を見ながら自画像を描いていきます。
笑顔が強調されるよう、紙いっぱいに笑顔を描く生徒たち。
藤岡陽翔さんは、ふだんマスクに隠れている口元を丁寧に描くことにしました。
笑顔を描いていると、自分の気持ちも明るくなるような気がするといいます。
藤岡陽翔さん
「笑顔で歯を見せるとニコニコして心から楽しい感じになります。笑顔を描いているときは、マスクの下も自然とニコッとしてました」
■早くマスクを取れる日が来てほしい
クラスの代表をつとめる久保心芯さんが、コロナ禍以前、小学5年生のときに撮影した写真です。
当時は、まだマスクをつける必要もなく、みんなの前で笑顔をみせて、“あいさつ運動”などにも取り組んできました。
しかしコロナでマスク生活になって、複雑な思いを抱えていたといいます。
久保心芯さん
「マスクをしていると自分のありのままの姿が隠されているような感じがして、自分の気持ちがマスクの下にこもってしまうように感じます」
今回、自画像を描くために久しぶりにマスクをとって友人たちに見せた笑顔。
久保さんは、光があたっている「ほお」や「おでこ」にこだわりました。
つやを出すように白を加えて、笑顔で明るくなった気持ちを表現しました。
久保心芯さん
「笑顔を描いていたら、気持ちが開放的になりました。笑顔には人も一緒にうれしくなるような “魔法の力”がこもっていると思います。早くマスクを取れるような日が来てほしいです」
■“はじめまして”の笑顔
こうして完成したそれぞれの笑顔の自画像。
マスクで見えなくなっていた、個性あふれる笑顔がよみがえりました。
美術の好田先生にとっては初めて見る光景でした。
好田先生
「先生にとったら、本当に“はじめまして”の笑顔です。給食も一緒に食べてないし、君たちの顔も知らなかったけれど、こうやってみることができて本当によかった。しかもみんな笑顔で笑ってくれていて」
絵を描いた生徒たちも、笑顔から前向きな力を感じたといいます。
「みんなで一致団結して、がんばって描いてるな。笑顔で一生懸命何かに立ち向かおうって思ってる感じがしました」
「自分も笑顔を絶やさずにいこうと思いました」
なかなか終息の気配が見えない新型コロナ。
それでも、好田先生は笑顔ルネサンスに手応えを感じています。
好田先生
「自分を描いたときには、その時の自分が自分をどんなふうに見ているかという思いが絶対に表れます。これからの自分、withコロナ、afterコロナの世界をどんなふうに生きていくのか。そんなことを考えるきっかけになったらと思います」
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