えぇトコ

2019年01月25日 (金)

母に学ぶ 吹雪の女子旅 ~石川・奥能登~

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関西出身、20年来の友達・藤原紀香さんとはるな愛さんが、吹雪の能登半島を旅します。冷え込んで海が荒れた日にしか現れない能登の風物詩「波の花」との出会いからスタート。海岸を覆いつくした白い泡に二人は大喜び。そして吹雪の海岸線で見つけたのは、風よけのため背の高い竹で囲まれた20軒の集落。ここで出会った元気な女性たちから、荒れる海の岩場で自ら取ってきた貴重な岩のりをごちそうになります。

旅人:藤原紀香さん & はるな愛さん

                                          

旅した場所♪

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 ①輪島朝市

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輪島の台所と言われ親しまれている輪島の朝市。300メートルの通りにおよそ200軒の露店が並びます。ここでは、お手製の漬物から野菜、さらに能登名産の魚醤「いしる」などが売られ、元気なお母さんたちが楽しくお店を開いています。中でも、朝市には珍しいとれたての魚をさばいてくれる魚屋さんは、味にうるさい輪島の料理人も通い詰めるといいます。かじかむ手をお湯で温めながら雪の日も休むことなくお客さんを迎えます。笑顔が素敵ないしる作りの達人のお母さんは紀香さんと意気投合!ご自宅でお母さんが作ったというふぐの子糠漬けを食べさせていただきました。そのままでは食べることができない部分を何とかおいしくいただきたいという、能登の母ちゃんの工夫が光る一品です。

【番組で紹介したお店】

輪島市朝市

住所:〒928-0001 石川県輪島市河井町1部115番地

電話:0768-22-7653(午前中のみ)

営業時間:8:00~12:00

定休日:毎月第2・第4水曜日(正月1・2・3日)

                            

                               

②岩のり

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高い崖がそびえたつ奥にひっそりと現れる入り江の集落、上大沢にやってきた二人。家の周囲に張り巡らせた竹で風を除けるための工夫が間垣です。一歩踏み込めば風がピタリと止むほどの優れもの。風だけでなく、防音や日よけの効果もあるという間垣。そんな間垣の里を案内していただき見つけたのは、岩のりです。この地の冷たい水と荒波で鍛えられ美味しさを増すという岩のり、採るのは母ちゃん達の仕事。どんなに歳を重ねても、岩のりの時期になると若い時分と同じように胸が騒ぐのだそう。採った岩のりは漁師たちがなかなか海に出られない冬の間の暮らしの糧になります。そんな冬の風物詩である岩のりをいただきました。母ちゃん達が命がけでとった岩のりの味噌汁。体は小さくても人一倍働く母ちゃんの強さがたっぷり詰まった一品でした。

 

                                          

③輪島塗

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日本を代表する漆塗、輪島塗。その職人が集まる工房、輪島の街中にある長屋にひっそりと立ち並んでいます。輪島塗に魅せられてイギリスからはるばるやってきた職人、スザーンさんの元に訪ねました。古くから大切に扱われてきた伝統技法。スザーンさんは器だけでなく、様々なアクセサリーも輪島塗の手法で作り出しているそう。何十回も塗っては乾かし、研ぎ、また塗ってを繰り返す輪島塗。根気と繊細な神経、そして熟練の腕が必要です。最高の技と途方も無い手間で磨き上げた輪島塗の器で料理を頂きました。能登のイワシで作った団子汁。見た目、触り心地からも味わう能登の料理。美味しいものをより一層美味しく、その思いがあふれた美しい仕上がりです。

【番組で紹介したお店】

輪島工房長屋

住所:〒928-0001 石川県輪島市河井町4-66-1

電話:0768-23-0011

営業時間:9:00〜17:00(5~8月は18:00)

定休日:毎週水曜日

                                                                  

④蛸島(カニ・タラ)

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能登の冬といえば今が旬のズワイガニをはじめ、フグにアンコウ。冬に旬を迎える様々な魚たちが、珠洲市の蛸島に並びます。市場で元気良く働く母ちゃん。蛸島きっての料理名人でもあり、市場の人気者です。自慢の蛸島の料理をふるまってくれるということでご自宅に伺いました。頂いたのは蛸島の自慢、タラ。この時期脂がのり丸々と太ったタラは能登の冬の食卓に欠かせない幸です。漁師町の料理名人は、タラ1尾を丸々捌きます。作ってくれたのは「タラの子付け」。タラの刺身になんとタラの子をまぶして食べるのです。身に脂がのり美味しいオスの刺身にメスの子供をつけたぜいたくな一品です。漁師に嫁ぎ命がけで仕事をしながら家を守って来た母ちゃん。手間をかけた能登の美味に母の愛とぬくもりを学びました。

                                                

            

担当日記

とにかく寒い!この地に足を踏み入れた時にまず感じたことは、かつて経験したことがないほどの冷え込みでした。えぇトコで初めて訪れる奥能登。鉄道も通っておらず、石川県の県庁所在地、金沢からも車で2時間以上かかる遠い場所です。日本海に突き出した半島には風雪が吹きすさび、人々は芯から冷え込む冷たさの中で生きています。

今回、冬の奥能登を旅の舞台に選んだのは、関西では体験できないその寒さから生まれた独自の暮らしを知るためでした。輪島市に上大沢という地区があります。切り立った高い崖に左右と背後を囲まれた入江の集落です。その集落の外周は、高さ4メートルの竹がびっしりと覆っています。「間垣」と呼ばれる、風除けのための工夫なのだそうです。間垣がなければ屋根瓦さえ吹き飛んでしまう強風の中には20軒の家が並び、人々は家族同然ともいえる絆を結び暮らしています。徳光しさのさんは、この地で生まれこの地に嫁いだ、間垣の里の生き字引。80歳の今も、近所の友達と一緒に畑に出かけ、元気に暮らしています。そんなしさのさんに冬の楽しみを伺うと、「岩のり採り」だといいます。間垣の里の岩のり!これは面白そうと思い、しさのさん達が岩のり採りに出かけるところに同行することにしました。岩のりが採れるのは集落から200メートル離れた磯場、間垣の里の母ちゃん達はその磯まで、電動カートで移動します。皆さん80歳前後のご高齢です、失礼ながらどうやって磯までたどり着くのだろうと心配になったのですが…。そんな心配は母ちゃん達が電動カートを下りてすたすたと磯場に歩く様を見て吹き飛びました。足場も悪く波が打ち付けるため滑りやすい磯を足早に行く母ちゃん、私はついていくのに精いっぱいでした。飛沫がかかる波打ち際で楽しげに岩のりを採る母ちゃん達を見て、この地で暮らすということはこういうことなんだと思いました。

厳しい冬に立ち向かう元気と勇気がなければ生きてゆけない。目も開けていられないほどの風や、足をさらわれそうな波を跳ね返すだけの覚悟と体力を持つ者だけが、この地で生活することができるのです。奥能登の集落は過疎化が進んでいますが、間垣の里で暮らす人の数はずっと変わらないのだそうです。竹の砦の中で、身を寄せ合いながら逞しく生きてきた母ちゃん達にとっては、厳しい冬もへっちゃら。「この土地が一番いい」と笑うしさのさんがごちそうしてくれた岩のりは、元気をもらえる豊かな滋味でした。

寒風が生む絶景や、荒れる海がくれる美味しさ、冬の奥能登は旅の醍醐味に溢れています。しかし、もしこの地を訪れたなら、見て、食べて、で終わるのではなくそこに住む人に話しかけてみてください。厳しさを楽しむ力と知恵にきっと出会えるはずです。

担当:吉村

                                                   

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次回の放送は2月1日(金)夜8:00~です。お楽しみに!!

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