えぇトコ

2018年11月02日 (金)

時をこえる!雲上の宝 ~奈良・吉野~

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山に囲まれた奈良・吉野。そんな吉野を旅するのは、太川陽介さんと藤吉久美子さんご夫婦!1300年変わらず輝き続ける宝物を巡り旅します。山の男たちが命がけで挑む!樹齢120年の木の命をいただく瞬間。先祖がクワ1本で興した奇跡の村。古来の技を守り続ける職人の心。時をこえ、今なお先人の心が受け継がれる偉大な吉野へいざ、旅に出ます!

旅人:太川陽介さん & 藤吉久美子さん

                                          

旅した場所♪

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 ①樽

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吉野の中でも特に山深い殿川の里。わずか8世帯という集落は、70年前に入植者がこの地を開拓し作りあげたのだと言います。そんな地で出会ったのは、丸太を切っている最中のご家族。吉野の山で育った杉の木を樽材にするのだそうです。作るのは樽の底と蓋の部分。吉野杉で作り上げられた樽材は酒樽に欠かせないと言います。切ると木目が細かく真っ直ぐな年輪が姿を現します。

吉野が与えてくれる恵みは木だけではありません!アケビになんとムカゴ、さらに贅沢に杉のチップでアユとニジマスを燻製にしてくださいました!杉の香りが魚に移り、絶品です!豊かな実りと自然を謳歌できる殿川の里。それは先代が自らの力で村を切り開いてくれたおかげ。クワ1つでつくりあげられた奇跡の里では吉野の美味しいもの、スゴイものにたくさん出会えました。

                               

                               

②吉野の木

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林業の町、吉野。その中心地には吉野の山で育てられた杉やヒノキが集結する貯木場があります。ちょうど丸太から板を切り出している職人さんに、吉野の木のスゴさを教えてもらいました。室町時代から植林がはじまり、何代にも渡って育てあげられてきた吉野の木。1ヘクタールあたり10000本以上という他の地方のなんと3倍もの木を密に植える「密植」というやり方。ビッシリと植えることで木が真っ直ぐに育ち、年輪の幅も狭く均一になるのだそう。

そして20年おきに、立派な木を残すため間伐を行います。こうして日本が誇る美しく丈夫な吉野の木が作り上げられているのです。先代から受け継ぎ、時をこえてつながる宝物。今、山にある木は未来への贈り物となります。

                                           

                                     

③山行き

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吉野では木を世話し、切る人のことを「山行き」と呼びます。吉野町のお隣、東吉野村で出会ったお父さんもその一人。幼い頃から山に親しみ、吉野の木を知り尽くした達人です。木を伐採する貴重な現場に立ち会わせてもらいました。伐るのは樹齢120年にもなるヒノキです。木を伐る前に先祖と山の神に感謝をし、事故なく無事に仕事ができるよう祈りを捧げます。こうした山に対する敬意の心も、代々吉野では大切に引き継がれてきました。

お父さんがチェーンソーで根元を削ぐ音。木が傾き、隣の木の枝に当たる音。そして120年もの間、山に立ち続けた大木が倒れる音。1つ1つが耳に残り、忘れられなくなります。山の命をいただくその重さを痛感。こうして山の男たちによって伐られた木は、家の建材として新たな人生を送ります。日本家屋の床柱などに使われる最高級の磨き丸太も見せてくれました。手塩にかけて育てた木に感謝を込め、洗い、磨き、最高の柱にするのです。吉野の山は木の命であふれていました。      

                                                                   

④畳

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500年前、室町時代から栄えてきた上市という町。古くからの佇まいや細い路地が今でも残っています。そんな上市で今ではめったに作れる人がいない、伝統の畳を手掛ける職人がいます。畳のことを語り出したら止まらない職人さん。畳の歴史はなんと弥生時代にまで遡るのだとか!創業300年という老舗のご主人に畳作りの技を見せてもらうことに。年々機械化していく中、ご主人は手縫いで畳を作りあげます。長年の経験と勘で畳の裏側から狙う場所へ針を正確に貫き通します。その腕前は全国の畳職人がご主人の元へ学びに来るほど!日本人が大切にしてきた畳は、吉野で次の世代としっかりつながっています。

【番組で紹介した「畳屋」】

浜田畳店

住所:〒639-3111 奈良県吉野郡吉野町上市52

電話:0746-32-2371

営業時間:8:00~20:00  定休日:不定休

 

 

⑤金峯山寺・ご祈祷

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山の中腹に建つ吉野の象徴「金峯山寺」。御本尊は青く輝く吉野の宝、金剛蔵王権現。毎朝欠かさず行われる勤行は修験道1300年の歴史が詰まった祈りです。そんな金峯山寺の参道では300年の歴史を持つ吉野のきっての名物「柿の葉寿司」や吉野山で人気を誇る創業100年のお餅屋さんなど、数々のウマイもんがあります。そんな参道で出会ったご主人は、役場勤めの傍ら、なんと山伏の修行も続けてきたそう!40年の間、120キロに及ぶ険しい大峯奥駈道で修行を重ねてきたと言います。自宅にお堂があるそうで、ご祈祷をしていただきました。煩悩を焼き払う炎の前で旅人は、己と向き合い祈ります。厳しさに耐え、少しずつ歩むからこそ願いは叶い、宝が輝くのだと吉野は教えてくれます。

【5-A 番組で紹介した「柿の葉寿司」】

にしや

住所:〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山951

電話:0746-32-8600

営業時間:11:00~16:00  定休日:不定休

 

【5-B 番組で紹介した「草餅・桜餅」】

萬松堂

住所:〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山448

電話:0746-32-2834

営業時間:8:30~17:00  定休日:火曜日・不定休

 

 

担当日記

吉野山は古より敗者にやさしい山でした。壬申の乱では大海人皇子が隠棲し、源義経が逃れ、後醍醐天皇や天誅組の兵たちもこの山に身を寄せました。常々、どうしてみんなこの山に安住を求めてやってくるのか不思議だった私に対し、行者の田中さんは、こうおっしゃいました。「人は元々この大自然の中で生きてきた、その中で修行し人間の本来を取り戻すのが修験道なんです」人が本来あるべき姿に戻れる場所、それが吉野なのだと、その時に思い当たりました。

訪れた人にやさしい山では、そこに住む人もまたやさしさにあふれています。火の粉がかかるほどの距離で汗にまみれ、太川さんと藤吉さんのためにご祈祷してくださった行者の田中さん。何の得にもならないのに、何時間もかけて鮎の燻製を作って下さった樽職人の荒木さんとそのご一家。自分たちの予定を二の次にして、私たちに仕事の都合をつけてくださった山行きの皆さん。ご自分のことよりも他者への気遣いを優先される方ばかり、ご迷惑をかけっぱなしだった私には、皆さんの姿が眩しかったです。

吉野の山に植えられた木は、古いものは樹齢500年になるのだといいます。苗木で山に植えた杉やヒノキは、自分の代では売り物になりません。何十年、何百年も後、いつかその木を切るであろう子孫のために、大切に植え、育てるのです。これが吉野の優しさです。

吉野は、もうすぐ紅葉を迎えます。桜の時期しか行かれたことがないという方、桜とは逆に、山頂からはじまり徐々に麓まで秋色を装う山は格別!ぜひ訪れてみてください。山もやさしく、人もやさしく迎えてくれるはずです。

担当:吉村

                                                 

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次回の放送は11月16日(金)夜8:00~です。お楽しみに!!

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