えぇトコ

2017年07月22日 (土)

清流の里は夏がウマイ!~和歌山・古座川~

eetoko170722_01_main.jpg

 今回は、清流で知られる和歌山県の古座川町を旅します。ここでは、紀伊山地の山奥から湧き出ずる清き水が、川の幸・山の実りを育ててきました。人々は水に感謝し暮らしています。98歳の鮎釣り名人!絶品野菜を作る元気な母ちゃんたち! 貴重な二ホンミツバチのハチミツを採る大自然の達人!夏の古座川で、ここにしかないウマイもんと、それをいただく人たちと出会います。

 旅人:勝野洋さん & 芳本美代子さん

 

 

①エビづけ

eetoko170722_ebiduke.jpg

岸にそって移動する川エビを誘い来むように石で道を作り、籠の中まで導く漁法「エビづけ」。獲れた旬の川エビをふんだんに使った地元の定番料理が、川エビの佃煮です。かつては保存食としても重宝されていたと言う伝統の味。この時期にしかいただけない、清流が生んだ夏のごちそうです。

 

 

②鮎の肉ずし

eetoko170722_02_nikuzusi.jpg餌もオトリもつけず、音に集まる鮎の習性を利用して、錘で川底を叩いて釣り上げる「トントン釣り」。その名人はなんと98歳!鮎の時期は毎日川へ繰り出します。名人によれば、古座川の鮎は他のものとは全く違うといいます。そのまま生で食べても臭みがないため美味しいのだそう。地元で肉ずしと呼ばれる鮎の姿寿司はそんな鮎だからこそできる郷土の味です。

 

 

③かしわずし

eetoko170722_kasiwadusi.jpg古座川の河口に近い町で毎年7月、川に敬意を捧げるため行われる伝統のお祭り。そこに欠かせない昔ながらの味が「かしわずし」です。具材の定番は、この地で「シビ」と呼ばれるマグロ。殺菌作用があるため柏の葉で包むのだそう。

川の畔に住む人の思い出はかしわずしと共にあるといいます。

 

 

④うずみ

eetoko170722_03_uzumi.jpg古座川の上流域にある平井の集落。ここに伝わる郷土料理が「うずみ」です。豆腐などの具材が入ったすまし汁の下にご飯をうずめるため、この名がつきました。実はここ平井は、昔、源氏の落人が開いたとされる里。ぜいたくな白米が見つからないよう具材の下に隠して食べたことが由来だとされています。この里にしか伝わっていない秘密のウマイもんです。

 

 

⑤和蜜

eetoko170722_04_wamitu.jpg古座川の上流では江戸時代から、二ホンミツバチが溜めてくれた蜂蜜をありがたくいただいてきました。西洋蜜蜂とちがい、年に一度しか取ることができず量も少ないため、とても貴重なニホンミツバチの蜂蜜。いただくための知恵が、丸太の中をくり抜いた蜂の巣箱「ゴーラ」です。山の中に置いたゴーラの中にハチが巣を作り、そこに溜まった蜂蜜をいただくのです。源流が育む不純物のない蜂蜜は、古座川が生んだ奇跡の味です。

 

 

担当日記

夏がやってきました。皆さんは夏休みに遊びに行かれるとしたら海、山、どちら派ですか?
両方楽しみたいと言う欲張りな方に是非お勧めしたいのが、今回旅した「古座川」です。
岩礁と波が作る独特のダイナミックな景観が待ち受ける太平洋。
新緑や滝、目も耳も心も癒される絶景に出会える熊野の山々。
どちらも大自然を満喫できる旅ができること請け合いです、そしてその海と山を繋ぐのが
清流、古座川です。

大塔山に端を発し熊野灘に注ぎ込むまでの40キロに及ぶ水系。この地では古座川に沿って集落が生まれ、暮らしが紡がれてきました。そんな川を辿りながら暮らしぶりにおじゃまし、夏のウマイもんを探そうというのが今回のえぇトコ。いつものように下見や打ち合わせ、撮影を含めて10日以上この地へ通いましたが、夏の日差しを受け煌く古座川はどれだけ見ても見飽きることがありませんでした。
天候により、場所により、目まぐるしくその表情が変わります。
下流域ではゆったりと流れる深き緑に目を奪われ、上流では清涼な水が奇岩や奇勝の間を縫うように走ります。
中でも忘れられないのは、古座川町の一番北、松根の里で出会った、驚くほど透き通った源流の川です。風が波紋を立てていなければ、そこに水があるかどうかすらもわからないほどの透明度。圧倒的にきれいな川を前にして、やはり水こそが全ての命の源なんだと、体で理解できました。

この川そばに湧き出している水の美味しいことといったら!まさに古座川のウマイものの原点となるウマイ水。
水が育てた花が、深い味わいのハチミツを生みます。
水をもらい健やかに育つ野菜が、伝統の郷土料理になります。
水の中でのびのびと過ごす鮎は、生でも美味しくいただけます。

そしてそんなウマイもんを獲り、作り、食べているこの地の人たち。
川を汚さないように頑張ろう、なんて皆さん一言もおっしゃいません。
なぜなら、生まれ育ったふるさとの水に手を加えようなんて、元々全く頭にないから。
ここに暮らす人は皆、手つかずの大らかな自然の一部。
大自然の中で、人もその一部にしかすぎないことをわきまえ、その大きな営みの中で生かされていることを自覚しています。
日々のウマイもんは、その自然が贈ってくれるのだということも知っているからこそ、
むやみに荒らさず、獲りすぎず、感謝の気持ちと共にいただいているのです。

松根の里に住む中地さんは、自分の仕事がわからない、とおっしゃいます。
それは、獣や魚、山菜やハチミツ、四季折々の恵みをいただくことが日々の暮らしだからです。
私たちは、そんな暮らしに身を置くことはなかなかできませんが、古座川に訪れて大自然を満喫し、この地のウマイもんを味わせてもらうことは可能です。
今度の休みはこの地の海を、山を、なにより川を訪れて、自然の一員になってみませんか。

担当:吉村

 

 

「えぇトコ」番組ホームページはこちら

次回もお楽しみに!