えぇトコ

2017年05月27日 (土)

すべていただく 深き山 深き恵み ~奈良・川上村~

eetoko170527_01_2S.jpg村の95%が山林という奥吉野の川上村は、豊かな山の恵みを余さず使い尽くすことで山と共に生きてきました。吉野杉をひたすら薄く削り、最高の口当たりを生む職人の器。熊野街道で築130年の旅館を守る女将が作る柚子菓子。旬のよもぎを使った代々受け継がれてきた火打餅。柿の若葉を使った今だけの絶品の柿の葉寿司。山が与えてくれるものを無駄にせず、感謝とともに受け取る暮らしぶりに出会う新緑の旅です。

 

 旅した場所♪

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①柿の葉寿司

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奈良を代表するお土産として知られる柿の葉寿司。川上村の大滝集落にあるお店では昔から、お酢ではなく自家製の塩で漬けた鯖を使って伝統の味を守り続けています。特にこの時期の味は格別、柿の若葉で包むからです。柔らかく香り高い柿の若葉は、目も舌も楽しませてくれます。秋の実りだけでなく春の若葉までも活用する工夫が生んだ山の恵みです。

【柿の葉寿司が買える場所】

大滝茶屋
住所:639-3543 奈良県吉野郡川上村大滝420-1
電話:0746-53-2350
営業時間:8時~18時 定休日:水曜日

②吉野杉の器

eetoko170527_04_suginoutuwa.jpg村で大切に育てられた吉野杉を使ったコップ。木の匠が心を込めて作り出したものです。驚くべきはその薄さ、飲み口の厚さはわずか1.5ミリです。故郷が生んだ最高の杉を最高の口当たりに仕上げたい、という匠の技が生みだしました。コップの他にも、吉野杉ならではの抜群の軽さと温かさ、優れた吸水性や保温性を生かした様々な器を作っています。

③山行き

eetoko170527_07_yamaiki2.jpg吉野林業に携わる人たちのことを、村では「山行き」と呼びます。そんな山行きの大事な仕事の一つが、間伐。成長の悪い木を伐採することで、残った木を大きく成長させる大切な仕事です。この作業が何世代にもわたり繰り返され、優れた木が今の世代へと受け継がれてきました。

④行者宿

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熊野街道にある、130年以上続く老舗旅館。宿の名物が柚子羊羹は、女将が一人きりで、今でもかまどを使い作っています。柚子の香りとほのかな甘みで、疲れた旅人を癒すおもてなしの一品です。


【柚子ようかんが食べれる行者宿】

朝日館
住所:639-3601 奈良県吉野郡川上村柏木154
電話:0746-54-0020

⑤火打餅

eetoko170527_02_hiutimoti.jpg元々は、4月8日のお釈迦様の誕生日にお供えとして作られていた草餅。お釈迦様が使っていた火打ち石の形に似せてあることから「火打餅」と呼ばれています。この時期に採れるよもぎを使った香り豊かなお餅です。毎朝5時から杵と臼を使って手作りされています。

担当日記

 この村にはコンビニがありません。スーパーもファストフード店もドラッグストアもありません。その代わりにあるのは、見渡す限りの山。村の95パーセントが山林という奥吉野の川上村は、圧倒的な大自然に包まれた場所。ここから湧き出す水が関西の田畑を潤し、ここで育まれた木が日本の建築を支えてきました。

村のどこにいても山の稜線が見えます。浅野温子さんはこの村に来て開口一番「いいところに来ちゃったね」とおっしゃいました。ここを訪れる旅人みんなが抱く気持ちだと思います。私たちはそうやって自然を堪能したら好きな時に帰りますが、ここに生まれ、生活されている人達はそういうわけにはいかない。山の厳しい面とも向き合って日々を過ごさなければなりません。縄文時代にはすでに人が住んでいたというこの村で、人々はどう山と接し、どんな思いを山に抱いているのか、それがこの旅で知りたかったことでした。

奈良県ではじめて限界集落になった村。急な坂道を往復する暮らし、冬は積雪のため道も閉ざされます。しかしそこに住む皆さんは一様に「こんなええトコはない」とおっしゃいます。それは「山」のおかげだと。

川上村の人々は実に様々な形で山と関わり、そこから糧を得てきました。
山を仕事場にする人がいます。
山行きと言われるその人たちは、実に500年に渡り山に杉を植え、育て、切り、最高級の吉野杉を磨き上げてきました。
山の恵みを美味しさに変える人がいます。
葉で包むことで食べものを長持ちさせ、美味しくさせる知恵が生んだ柿の葉寿司。村の女性たちは、季節の移ろいを敏感に感じながら、柿はもちろん、四季折々の山の幸を無駄にせずいただいてきました。
山の疲れを癒やす人がいます。
険しい山を越えてきた人を、精一杯の心尽くしでもてなしてきた老舗宿の女将さんは、苦労をいとわずかまどで料理を作り続けています。

「山に生かされている」
今回の旅で出会った方々は、皆さんそうおっしゃいました。カメラの前で見せて下さった弾けるような笑顔は、山から生きる力をもらっている証です。

皆さんもぜひ一度ここへ来て、山の力を感じてください。
コンビニもスーパーもありませんが、人が生きていく「源」がこの村にはあります。

担当 吉村

 

 

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次回もお楽しみに!