2022年11月04日 (金)
オリ番のつぶやき「エース不在を投手陣の奮闘でカバー」~オリックス26年ぶりに日本一~
去年の雪辱を果たし、26年ぶりの日本一に輝いたオリックス。
絶対的エースがアクシデントで不在となった窮地を救ったのは、若いリリーフ陣を中心とした投手陣の奮闘でした。
【去年敗れたヤクルトにチャレンジ】
「パ・リーグ連覇、日本一」を目標に掲げてスタートした、今シーズンのオリックス。
レギュラーシーズンは最終戦までもつれ込んだ優勝争いを制し、1つ目の目標を達成。
そして、今回の日本シリーズでは、去年2勝4敗で敗れたヤクルトに再び挑みました。
〈中嶋聡監督〉
「ヤクルトは打力も投手力もあり非常にバランスがいいチームで本当に強いチーム。チャレンジャーとしてチャンピオンチームにぶつかっていき、やり返したい。」
【エース不在の緊急事態!?】
シリーズが始まる前は、史上初めて2年連続で先発投手のタイトル4つを獲得した絶対的なエース・山本由伸投手が去年のシリーズ同様、第1戦と第6戦に先発し、ここで確実に勝利をあげることが期待されていました。
ところが、山本投手は第1戦の5回に左脇腹の違和感でマウンドを降りることになり、この計算が大きく狂いました。
【不測の事態にも投手陣が奮闘】
ここで奮起したのが、投手陣でした。
山本投手不在の第6戦の先発を託されたのは第2戦から中5日で臨んだ山崎福也投手でした。
ヤクルトの強力打線に立ち向かい第2戦と第6戦をいずれも無失点に抑えました。
〈山﨑福也投手〉
「日本シリーズで2回も投げられるという楽しみな気持ちでマウンドに上がった。いつも由伸(山本投手)に頼っているチームなのでみんなでカバーしたかった。」
【三振を取りにいけるピッチャー】
さらにシーズン後半のチーム躍進の原動力となったリリーフ陣もふんばりを見せました。
勝利をつかめずに迎えた第4戦の5回、ヤクルトにスリーベースヒットを打たれたピンチの場面で登板したのは、7月に育成選手から支配下登録された2年目の宇田川優希投手でした。
中嶋監督は、この起用がシリーズの潮目を変えるものだったと振り返っています。
〈中嶋聡監督〉
「ヤクルトは1発の怖さがあり、バットに当てられたくなかったので三振を取りにいけるピッチャーを選択するしかなかった。ここで抑えてくれたので、このピッチャー陣だったらいけると手応えをつかんだ。」
連続三振を奪って窮地を救った宇田川投手。
このシリーズでは4試合に登板し、打者24人をヒット2本と力で圧倒し起用に応えました。
〈宇田川優希投手〉
「ピンチの場面に登板することが多かったが、ピンチの場面にこそ自分のピッチングをすることができた。投げたい気持ちが強かったが、いざマウンドに立つと重圧があった。その中でも、何が何でも無失点で抑えようと思っていた。」
【自分も負けないピッチングを!】
そして、今シーズン後半に先発からリリーフに役割を変更した、24歳の山崎颯一郎投手。
身長1メートル90センチから投げ下ろす、角度のある150キロ台後半のストレートと落ちる変化球が持ち味です。
〈山崎颯一郎投手〉
「先発のときは長いイニングを考えてピッチングをしていたが中継ぎでは短いイニングになったので、もう何が何でも抑えようという感覚。宇田川投手がいいピッチングをしていたので自分も負けないピッチングをしたかった。」
互いを意識し、高め合う若いリリーフ陣。
オリックスは、リードを奪えば、強力なリリーフ陣で逃げきるレギュラーシーズン終盤の勝ちパターンを日本シリーズでも発揮。
第4戦から4連勝で26年ぶりの日本一に輝きました。
〈中嶋聡監督〉
「ヤクルトは本当に強く、最初は『ダメなのか』と思ったが、戦っている選手たちを見たときに諦めている選手は1人もいなかった。どの選手もしっかり仕事をしてくれて、考えていた以上の力を発揮してくれた。選手たちには感謝しかない。」
(オリ番記者:林知宏)