2022年02月04日 (金)
虎番のつぶやき~阪神・キャンプ便り 矢野監督異例の退任表明に選手は~
「今シーズンで監督を退任しようと思う」
キャンプイン前日の1月31日、阪神の矢野監督がチームのミーティングで選手に伝えた決断。
シーズン開幕前、ましてキャンプ直前での退任表明は極めて異例。
指揮官からの突然の報告を選手は驚きを示しながらも受け止め、シーズンへの意気込みをことばにしました。
【いい成績で恩返しを】
キャンプ初日、ブルペンで矢野監督から指導を受けたのが、昨シーズン、セ・リーグで最多勝と最高勝率に輝いた青柳晃洋投手。
決め球の1つ、シンカーを投げる際の腕の振り方について、中日で活躍した山本昌さんから教わったというコツをアドバイスされました。
青柳投手にとって、矢野監督は2軍監督のときから指導を受けた、いわば「恩師」です。
ピッチャーゴロの対応で悪送球が目立った青柳投手に対し、一塁に正確に投げるためにワンバウンドで投げるようアドバイスしたのも矢野監督でした。
退任について青柳投手は「びっくりしたというのが一番」と驚きを隠しませんでした。
そして、恩師の“ラストシーズン”に結果で報いる覚悟を示しました。
(青柳晃洋投手)
「自分がダメなときからずっと見てもらっている監督なので感謝や恩はすごくある。なんとか矢野監督に自分が勝つことで少しでも恩返しができたら」
【辞める辞めないにかかわらず】
青柳投手と同じく驚いたと話したのは藤浪晋太郎投手。
ここ数年は先発ピッチャーとして結果を出せませんでしたが、昨シーズンは、矢野監督から初めての開幕投手に抜擢されました。
しかし、再び課題のコントロールに苦しんで3勝にとどまり、途中からは中継ぎでの起用となりました。
今シーズンも再び先発ローテーション入りを目指し、第1クールの3日間すべてでブルペン入り。
矢野監督からも熱い視線を送られています。
藤浪投手は口数は少ないながらも、再起に向けて言葉に力を込めました。
(藤浪晋太郎投手)
「矢野さんが辞める辞めないにかかわらず、活躍したいと思っているので、頑張りたいと思う」
【監督を男にする】
2年目の佐藤輝明選手は、おととしのドラフト会議で4球団競合の末、矢野監督がくじを引き当てて阪神に入団。
1年目の昨シーズンはチームトップのホームラン数をマークしました。
後半戦は極度の不振に苦しみましたが、矢野監督から「将来の4番候補」と成長を期待され、激しい優勝争いの中でも起用が続きました。
佐藤選手は「驚いたが、しっかりことばにするのが監督らしい」と冷静に受け止めました。
そして、佐藤選手らしいことばで意気込みを示しました。
(佐藤輝明選手)
「プロ野球で最初の監督だし、いろいろ教えてもらった。教えてもらったことを体現して 監督を男にできるよう頑張って打ちたい」
ファンからは賛否両論が集まる今回の発表。
矢野監督は「いろんな意見があることは想像していた」と話しています。
異例の形でスタートした阪神が今シーズンどんな歩みを見せるのか、これからも注目していきます。
(虎番記者:足立隆門)