2021年07月19日 (月)
虎番のつぶやき~阪神・矢野監督「胸を張る」 前半戦首位ターン~
プロ野球、セ・リーグで阪神が13年ぶりに首位で前半戦を折り返しました。
就任3年目の指揮官は「チームの成長が感じ取れたし、胸を張っていいと思う」と手応えを口にしました。
【ルーキーと主力が融合】
矢野監督が前半戦の好調の要因としてあげたのが、“ルーキーの活躍によるチームの相乗効果”でした。
注目を浴びたのは、何と言ってもドラフト1位ルーキーの佐藤輝明選手です。
開幕から84試合すべてに出場し、ホームラン20本、52打点はいずれもチームトップでした。
さらに、正確なコントロールを持ち味に、先発で5勝をあげたドラフト2位の伊藤将司投手と、走攻守で積極的なプレーを見せたドラフト6位の中野拓夢選手も1年目から戦力に加わりました。
こうしたルーキーの活躍に乗せられるように、先輩選手たちも奮起し、シーズン序盤は面白いように打線がつながりました。
昨シーズンまで課題だったチーム得点数は、5月途中まで両リーグトップの成績をマークしました。
また、もともと安定感のあった投手陣も6年目の青柳晃洋投手、12年目の秋山拓巳投手を中心に、先発投手が白星を積み重ねました。
(矢野監督)
「ルーキーの加入でチーム内の競争が激しくなり、それにつられて、チームの中心であるべき選手が意識高くチームを引っ張ってくれている。成熟してきた選手とルーキーとの融合ができた」
【前半戦のMVPは・・・】
報道陣から前半戦のMVPを問われた矢野監督。
「難しい」と言いながら選んだのが、開幕から中軸を任された来日3年目のマルテ選手でした。
マルテ選手は昨シーズン、けがの影響で出場機会を大きく減らしましたが、今シーズンはここまで全試合に出場し、ホームラン16本、46打点をマーク。勝負強いバッティングを見せました。
中でも、矢野監督が評価していたのがマルテ選手の「選球眼のよさ」でした。
ここまで選んだフォアボールの数は、ヤクルトの村上宗隆選手に次ぐリーグ2位の52個、出塁率もリーグ3位の4割をマークしました。
(矢野監督)
「決めるバッティングだけでなく、次のバッターにもつなぎ、相手にとって、すごくいやなバッターでいてくれる。サンズや佐藤につなぐマルテがいてくれるのは大きな存在だ」
一方、ピッチャーのMVPにあげられたのは、青柳晃洋投手でした。
ことしは課題にしてきたコントロールの改善や、苦手にしていた左バッターへの対策が実を結び、ここまでチームトップの8勝をマークしています。
防御率は12球団トップの1.79と抜群の安定感を見せ、5月以降は無傷の6連勝。
東京オリンピックの代表にも選ばれました。
(矢野監督)
「青柳には失礼だけど、あんな下手くそな選手が練習してはいあがって来て、先発ローテーションの中心になったり、日の丸をつけて戦ったりするのは子どもたちに夢を与えてくれると思う」
【中断期間で立て直しへ】
しかし、交流戦のあと、チームの勢いにかげりが見えてきました。
打線につながりを欠いたほか、先発ピッチャーがゲームを作れない試合も増え、9勝14敗1引き分けと失速しました。
プロ野球はオールスターゲームと東京オリンピックによる1か月の中断期間に入りました。
矢野監督が16年ぶりのリーグ優勝がかかる後半戦に向けて、どこまでチームを立て直せるか、その手腕が注目されます。
(矢野監督)
「交流戦明けは苦しんだが、オリンピックブレークで選手の調子が上がってくると信じている。ファンの皆さんと最後に喜べるようなシーズンにしていきたい」
(虎番記者:足立隆門)