2021年06月25日 (金)
オリ番のつぶやき~37年ぶりの11連勝 その要因は
パ・リーグ首位のオリックスは交流戦の6月6日から快進撃を続け、前身の阪急時代以来、37年ぶりとなる11連勝をマークしました。
連勝を伸ばした要因には、今シーズン就任した中嶋聡監督の選手起用があげられます。
(記録は6月24日終了時点)
【上位打線の固定】
これまでレギュラーを固定できず、得点力不足が課題となっていたオリックス打線。
今シーズンも開幕から5月19日まで、すべての試合で打順が変わっていました。
ところが、交流戦に入る前、中嶋監督が日替わりだった打順のうち、1番から4番までをほぼ固定。
それをきっかけに得点力が一気に上がりました。
1番・福田周平選手、2番・宗佑磨選手、3番・吉田正尚選手、そして、4番に杉本裕太郎選手が座るオーダーです。
6月の出塁率が5割近い福田選手が塁に出て、宗選手がチャンスメーク。
打率リーグトップの吉田選手、打率リーグ2位の杉本選手がランナーをかえす。
上位打線が活性化した結果、昨シーズン、リーグ4位だったチーム打率が今シーズン、ここまでリーグトップになりました。
【若手の起用で活性化】
4年目の福田選手は5月11日初昇格したほか、6年目の宗選手は今シーズン、サードにコンバートして先発に定着しました。
また、同じ6年目の杉本選手は、中嶋監督が去年8月に2軍監督から監督代行に昇格したときに、1軍に引き上げてきた選手です。
杉本選手はこれまで1軍に定着できず、通算ホームランも去年までの5年間で9本でしたが、今シーズンはすでにチームトップの15本のホームランを打っています。
今シーズン、中嶋監督は杉本選手が打撃に悩んだときにも、「誰でも壁に当たるときはあるから、迷わずスイングしろ」と声をかけてきました。
【3連投を避ける】
一方、投手陣の起用にも“中嶋監督らしさ”が見られます。
今シーズンは中継ぎや抑えのリリーフ陣を3日連続で登板させないようにしました。
その結果、パ・リーグ6球団で唯一、30試合以上登板したピッチャーがいません。
疲労を残さないようにしたことで、ピッチャーの状態が安定し、チーム防御率はリーグ2位と投打がかみあっています。
【経験を糧に成長へ】
さらに、接戦の場面で2年目の村西良太投手や3年目の漆原大晟投手など、あまり1軍経験がなかったピッチャーを積極的に投入します。
中嶋監督は成長のためには経験が必要だと考えていて、「プレッシャーがあっても必要であれば、投入したい」と実戦の中でチームを育てようとしています。
常々、「全員が戦力」と口にする中嶋監督。
積極的な選手起用が実を結び、37年ぶりの11連勝につながりました。
(オリ番記者:伊東健)