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2013年11月5日(火)

消費税率引き上げ、駆け込み需要は?

阿部
「消費税率の引き上げを前に、駆け込み需要は起きているのか。
『おはよう日本』では、この3連休、取材を重ねました。」



鈴木
「取材した、中山アナウンサーです。」

中山
「おはようございます。
安倍総理大臣が来年(2014年)4月に、消費税率を8%に引き上げることを表明して、1か月余り。
家具や住宅、車の販売店で取材してきました。」

消費税「駆け込み需要」 家具店では

まず訪れたのは、都内にある家具の販売店です。

「すっかり、くつろいでますね。
どうですか、寝心地は?」

男性
「いいですね、本当に。
新しいソファーを買おうかなと。」

「何を買いに?」

女性
「自宅用のふとんと、以前、購入した食器棚の上置きを。」

「予算は?」

女性
「30万くらい。」

鈴木
「皆さん、いろいろと買ってらっしゃるんですね。」

中山
「そうなんです。
家具は例年、引っ越しシーズンの3月ごろに需要が高まるのですが、今、なぜか、この時期によく売れているというんです。
その背景には、やはり、消費税がありました。」

女性
「金額の大きいものは、負担も大きくなるから、できるだけ安く求めたいので、今のタイミングかなと。」



男性
「税金分が上がるのは、もったいない。
早めに買おうかなと。」



さらに、去年(2012年)までは見られなかった現象も起きているということです。

先月(10月)、家具を購入した人たちの伝票です。
配送の希望は、いずれも3月末となっています。

鈴木
「半年も先に買うんですね。」

今のうちに、気に入った商品を手に入れようという人が多いといいます。

家具販売店 山川直広さん
「3月になると、直前の駆け込み等も出てくる。
家具は、かさばる。
配送も、かなり混雑が予想される。
早め早めに見ていただいたほうが、間違いなくお届けできると思う。」

来年1月から3月までの間に配送を希望する人は、例年より、3割多いということなんです。

消費税「駆け込み需要」 車の販売店では

次に訪れたのは、自動車販売店です。
こちらの販売店では、去年9月にエコカー補助金が終了してから、来店者が減っていましたが、先月から客足が戻ってきたといいます。



来年3月末までに車両登録を行えば、税率は、現行の5%のまま。





例えば、およそ300万円の車の場合、今なら、消費税分は15万円ですが、4月以降は8%になり、消費税分は24万円となります。
こちらの男性は、この日初めて来店し、その場で契約を決めました。



男性
「たぶん、駆け込みで1月以降、ばっと(客が)来て注文できなくなると考え、今のうちからということで今日、来たのもある。」



その一方で、消費税率が気になりながらも、悩ましいという人もいました。

男性
「本当に自分にとって、どっちがいいのかなと。
そんなに車って、人生で10回も20回も買う物ではないと思うので。」



さらに、年末の税制改正では、自動車関連の税制の見直しも議論になりそうで、消費者の中には、その行方を見守っている人もいるといいます。

自動車販売店 小山和俊店長
「昨年に比べると、肌感覚で20%くらい増えているのは感じる。
本格化は、年末の政府の税制改正の発表後ではないかと見ている。」

消費税「駆け込み需要」 住宅販売の現場では

続いて訪れたのは、横浜市にある住宅展示場です。
住宅も、これから買う場合、3月末までに引き渡しが間に合えば、消費税率は5%のままです。
住宅ローンの金利水準が低い中で、今、買いたいという人は多いようですが…。

男性
「何千万の買い物なので、(消費税が)上がる前に購入したい。
高い一生モノの買い物なので、判断が難しいところがある。」



その一方で、来年4月の消費税率引き上げに伴う、住宅ローン減税に注目している人もいました。

男性
「住宅選びを考え出し始めてから、(住宅ローン減税)情報に興味を持っている。
消費増税だけが判断材料ではないと思うようにしている。」



来年4月からは、住宅ローンの減税額が年間で最大40万円、10年間で、最大400万円に拡大されます。

住宅メーカー 中村孝広報担当
「消費税アップの来年4月以降でも、恩恵あれば、客は買い求めやすい状況・条件が整っている。
建物自体も、じっくりと納得してもらえる建物を買いたいという雰囲気はあると思う。」

さらに、将来の消費税率10%を見据えている人たちもいました。
東京・世田谷区で建設が進む、マンションのモデルルームです。
中心価格帯は、6,000万円から7,000万円。
引き渡しは再来年(2015年)です。
それでも、昨日(4日)までの3連休だけで、200組以上が見学に訪れました。

「早く手に入るマンション考えなかった?」

男性
「消費税8%は覚悟。
10%(に上がる)までに子どももいるだろうと仮定、そのころには、もう少し広いところに住み替えていると思う。」


法律では、消費税率の8%への引き上げに続いて、再来年10月には、10%に引き上げることが定められています。
経済状況などを勘案して、安倍総理大臣が判断することになっています。
高額な商品だけに、消費税率が8%から10%に引き上げられると、その差も大きくなるのです。
マンションの引き渡しは、再来年の9月。
8%のうちに購入しようという人が多い、といいます。

モデルルームの責任者 田中慶介所長
「駆け込み需要が、正直もう少しあるかと当時は思っていたが、実態は、そこまで大きなものではなかったかなと。」

消費税「駆け込み需要」 何が起きているのか

16年前、消費税率が5%に引き上げられた際にもあった、駆け込み需要。
それ比べて、どこまで広がっているのでしょうか。

日本総合研究所 小方尚子主任研究員
「前回と異なり、山が早めに始まって、裾野は広いが、高さ自体はそんなに高くない。
緩やかな丘のような、駆け込み需要になりつつある。」


阿部
「いつ買ったらいいのか、これは、なかなか難しいですね。」

中山
「そうですね。
大きな買い物ですから、慎重に見極めたいという意見も、かなり耳にしました。」

女性
「給料が上がればいいなって。
庶民にも反映されるといいなと。」



男性
「アベノミクスって、給料上げていくらという話。
企業も利益が出てから、ワンテンポ、ツーテンポ遅れて、自分の給料になると思うので、そこの部分というのは、まだ実感してない。」


鈴木
「消費者の率直な思いですよね。」

中山
「消費税率の引き上げ前はもちろん、引き上げ後も、個人消費にとって何が必要か。
専門家は、デフレからの脱却と同時に、賃金の上昇が欠かせないと指摘しています。」

日本総合研究所 小方尚子主任研究員
「消費税率を引き上げた影響がなくても、物価が安定的に上がっていく。
物価が安定的に上がっていくのは、働いている人たちの賃金が安定的に上がっていく。
賃金も上がる、モノも上がるけど、賃金も上がるという循環が、経済が回るうえでは大事な条件。
そこに向けて、実現していけるかどうかが重要。」

中山
「今回の取材では、子どもの教育費ですとか、食費を削れないから、ふだんの買い物でも、本当に必要なものなのかどうか見極めたいという人もいました。
賃金の上昇などを通じて、将来への不安を減らすことが、個人消費にとって、何よりも重要だと感じました。」

阿部
「消費税率引き上げの影響や動きについて、『おはよう日本』では、今後も、さまざまな角度から取材し、お伝えしていきます。」