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2020年1月28日(火)

“異端”から“王道”へ 日本人デザイナーの挑戦

洋服の色が変化!! 日本人デザイナー 世界的ブランドとミラノコレクションへ

世界屈指の高級ブランド・フェンディが、1月に開かれた世界4大ファッションショーのひとつ「ミラノコレクション」で斬新なファッションを発表しました。写真のコートは、それぞれ全く同じコートです。実は太陽の光に含まれる紫外線をあてると色が変化する色素を使っています。ショーではその変化を観客に披露しました。

この洋服を作ったのは、最新テクノロジーを取り入れた斬新な作品を発表しつづけ、異端のファッションデザイナーと呼ばれる森永邦彦さんです。パリコレクションで6年連続して作品を発表。ことし開催されるドバイ万博で、日本館の公式ユニフォームをデザインすることが決定するなど日本を代表するファッションデザイナーのひとりです。

フェンディ・デザイナー
「彼は進化した素材を研究開発するファッション界の科学者です。」

伝統を重んじる高級ブランドから熱烈なラブコールをうけて森永さんが挑んだミラノコレクション。その舞台裏について話を聞きました。

和久田アナウンサー
「世界のトップブランドから依頼があったとき、どう受けとめましたか?」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「僕らはファッションの王道がある中で、それに対して違う視点から洋服を作っていて、すごく小さなことではあるけど“独自の道を”とやってきた。最初は間違いじゃないかと思ったくらい、驚いたんです。」

今回、森永さんがフェンディから依頼された作品のテーマは「サステイナブル=持続可能」。大量生産、大量消費が課題とされるファッション業界にとって重要なテーマです。森永さんは、長く大切に着てもらえる服をつくり、クリアしようと考えました。

化学メーカーと検討を重ね、色が変わる服につかっている色素を改良。これまではつくれなかった色素入りの細い糸が完成しました。この糸でつくった生地は日本伝統の桐生織。色が変わるのは立体感のある模様部分です。肌触りや着心地も飛躍的にアップしました。色が変わる服の品質を向上させ、長く大切に着てもらえるようにする。それが森永さん流のサステイナブルでした。

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「自分がいる場所や環境、季節、あと国によっても太陽の光は違います。それによって色合いが微妙に変化していくのがすごく大事なところ。そうすると1着に対する愛情も生まれる。一つのものを捨てないことはもっともサステイナブルなことではあると思う。」

迎えたミラノコレクション。森永さんが手がけた作品は、ショーのクライマックスで発表されました。コート、帽子、かばんなどファッションのほとんどが新しく作った色が変わる織物です。森永さん流のサステイナブルが認められたミラノコレクションでした。

フェンディクリエイティブディレクター シルビア・フェンディさん
「今回の服はシーズンが終わって何年たっても楽しめて、その時の気持ちや用途にあわせて着ることができます。私は伝統を守るために新しいモノを拒絶しません。」

和久田アナウンサー
「今回ミラノコレクションに挑戦して、これまでと違った収穫はありましたか?」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「僕はずっと多くのファッションの日常であったり、今までの当たり前を壊していけると信じていて、それが夢だったんですけども、なんとなくその一歩になったんじゃないかなというミラノコレクションでした。」

今回のミラノコレクションについて、世界で行われるファッションショーを年間およそ200か所、取材しているというファッションジャーナリストの神保誠さんは、「日本人が世界の一流ブランドと共同でショーを行うのは簡単なことでない。世界で活躍するデザイナーの1人として証明されたのでは」と話しています。

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