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2020年1月26日(日)

世界が注目!モンスター大根

今回の旬体感は、冬に収穫の最盛期を迎える「桜島大根」です。10キロぐらいで標準的な大きさ。なかには30キロを超えるものもあって、世界一大きな大根としてギネス世界記録に認定されてます。この桜島大根、大きさに加え、あるパワーを秘めていることから、いま「モンスターラディッシュ」として、世界の注目が集まっています。

今が旬 桜島大根

訪ねたのは、桜島の山のすそ野に広がる農家の坂元次夫さんの畑。先祖代々、この地で桜島大根を育ててきました。

石橋
「初めて見ましたけれど、葉っぱが普通の大根とだいぶ違うんですね。」

農家 坂元次夫さん
「普通の青首とは違います。」

石橋
「広がるような形ですね。」

桜島大根は寒さが厳しくなる1月から2月にかけてが旬で、この時期、多い日には1日1,000本、すべて手作業で収穫しています。とれたてを生でいただきました。

石橋
「味は大根ですけど、ツンとした辛さがなくて食べやすいですね。ちょっと果物のような感じもあって、おいしいです。」

この桜島大根、地元で愛されてきた食べ方があります。坂元さんの妻の春美さんと、中尾美子さんに教えていただきました。作るのは煮物。ブタの軟骨と一緒に煮こんでいきます。みそで味付けし、そこに黒砂糖をた~っぷり入れます。これが桜島のおふくろの味です。40分ほど煮こんだあと、しばらく寝かせ、味をしみこませたらできあがりです。

石橋
「おいしそう。大根が中まで味がしみて茶色くなっていますね。とろとろでおいしい。ここまでやわらかいのに煮崩れしていないんですね。」

春美さん
「それが桜島大根の特長です。」

この桜島大根、栽培をするには、多くの苦労があります。取材をしていると…。

坂元次夫さん
「灰が降ってるよ。山が噴火しているようだ。」

桜島では、噴火が日常的に起きているんです。

畑に灰が降り注いだ場合は、茎や葉から取り除かなければなりません。農家の高齢化も進み、生産量は大きく減少。かつてのような賑わいは、失われてしまいました。

世界が注目! 秘められたパワー

しかし、桜島大根はいま、ある発見によって世界から注目が集まっています。研究をしている大学を訪ねました。

食品の栄養について研究している加治屋勝子さんです。加治屋さんは、桜島大根に、血管をしなやかにする「トリゴネリン」という成分が大量に含まれていることをつきとめました。しかもその量は、普通の青首大根のなんと60倍。動脈硬化の予防などが期待できるというのです。

その論文は、2年前、アメリカの科学雑誌の表紙を飾り、「モンスターラディッシュ」として紹介されました。すると、海外の研究者やメディアから問い合わせが殺到したのです。

鹿児島大学 農学部 加治屋勝子講師
「まさかでしたね。インドの新聞に載ったりとか、カナダの雑誌とか、世界からの反響がものすごかったんです。これが血管にいいという成果を、多くの皆さんに共有できるように広めて行ければいいなと思っています。」

“トリゴネリン”をPR 新商品開発

このチャンスを生かそうと、生産者たちも動き出しました。積極的に販売会を開いて、PRを始めています。

この機に、桜島大根を加工して売り出そうという人たちも。地元の特産品を使って新たな商品を作っているグループです。

開発したのは、この白い粉。水を入れてかき混ぜると大根おろしになります。これはフリーズドライにしたものなんです。

石橋
「いただきます。食感も香りも本当にそのまま大根おろし。おいしい。これは便利でいいですね。」

手軽に食べられることから人気でひと月に2,000パックを販売しています。

さくらじま旬彩館 中島孝子さん
「どんどん売れ出して原料がなくなってしまって、それぐらい大変なことが起きてしまって。」

石橋
「うれしい悲鳴ですね。」

この成功を受けて、新たな商品の開発も続々と進めています。この日は、大根の葉っぱを混ぜた塩の試食です。葉っぱにも「トリゴネリン」が多く含まれています。

グループのみなさん
「これで商品化しましょう。また頑張って作ろうね。えいえいおー!」

ほかにも桜島大根を使った商品がいろいろと開発されています。大福は皮には葉っぱを練り込んでいて、あんにも大根が入っています。さらに、鹿児島名物の「しろくまアイス」でも新商品が出ています。なんとすりおろした桜島大根が入っています。桜島大根は江戸時代から地元で愛されてきましたが、この機会に、ぜひ世界へと羽ばたいてほしいですね。

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