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2020年1月25日(土)

女子バレー元日本代表 益子直美さん 指導者は“怒ってはいけない”

子どもたちへのスポーツの指導のあり方が社会的な問題となる中、その指導のあり方を見直そうと女子バレーボール元日本代表の益子直美さんが取り組んでいます。キーワードは、“怒ってはいけない”です。

“怒ってはいけない”大会 理想の指導とは?

今月(1月)に行われた、指導者が「怒ってはいけない」という小学生のバレーボール大会。
にもかかわらず…。

指導者
「しっかり足を動かしてチャンスせな!」

“勝ちたい”という思いから、口調が荒くなる指導者たち。

指導者
「チャンス!チャンス!チャンス!チャンス!」

指導者が怒っていないか目を光らせるのは、益子直美さんです。

怖い口調の監督には…。
マスクを付けてもらって、お口にチャック。足を揺らすのも禁止です。
子どもたちから、指導者の気になる言動について報告も。

女子バレーボール元日本代表 益子直美さん
「(子どもたち)みんなに聞いたら、『クビだ』とか(指導者が言っていた)。」

益子さんが“怒ってはいけない”大会を始めたのは5年前。学生時代の経験がきっかけでした。指導者から毎日のように怒られ続け、バレーボールに愛着が持てなかったという益子さん。全国大会で好成績をおさめても喜べなかったといいます。

益子直美さん
「怒られないように、それしか考えて練習もしていなくて。バレーボールが嫌いだった。」

さらにここ数年、バレーボールをはじめ、スポーツに携わる小学生の人口が減少。指導のあり方を巡る問題も目立ってきました。
益子さんは、子どもたちを萎縮させず、能力を引き出せる指導のあり方を考えてきました。

益子直美さん
「監督が怒らないで、子どもたちが笑顔でチャレンジできる。バレーボールがすごい楽しいと、何歳になっても思ってもらえるような基本を作るのが小学生の時だと思う。」

益子さんがすすめる「怒らない指導」。
しかし、指導者たちの中には「怒ることは必要」と考える人もいます。

バレーボールの指導者
「怒られたことがある子の方が成長に役立つんじゃないかと。」

益子さんがたどりついたのは「怒る」ことよりも「自主性を引き出す」指導です。

この日、益子さんが気にかけていたのは、熱心に指示を出す、ある監督です。
子どもたちは実力を発揮できず、僅差に追い込まれます。暗いムードが漂っていました。

益子さんは監督にかわって、子どもたちのことばに耳を傾け、一緒に考えて楽しもうという態度をとりました。
伝えたのは、自分たちが積み重ねてきた練習を信じて、試合で発揮すること。

益子直美さん
「先生は何も言わないよ。」

子どもたち
「いくぞおー!」

子どもたちは、練習してきた声かけを実践しました。
すると…、ムードが一変。次々とサーブが決まり、相手を突き放す展開に。
笑顔で、勝利をつかみました。

監督は、益子さんが子どもと向き合う姿勢に、大切な気づきを得たといいます。

水城ジュニアバレーボールクラブ 川﨑幸三監督
「自分たちで考えさせる。いいプレーにつながったのかな。
どういう指導方法があるのか学んだので、一つ一つ勉強をしていきたい。」

女子バレーボール元日本代表 益子直美さん
「スパルタでどんどん強化していけば、短期間で結果は出てくると思うが、競技を続けられない子が多い。もっと練習したい、がんばりたい、勝ちたいという気持ちが出てくる練習を工夫してやってもらいたい。」

益子さんの“怒ってはいけない”バレーボール大会は、福岡だけでなく神奈川でも開かれています。要望があれば、怒らない指導についての講座を設けたいとのことです。

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