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2019年7月16日(火)

外国人 日本での暮らし どう支える?

外国人材の受け入れを拡大するため、この4月、「改正出入国管理法」が施行されました。
これを受け、全国の自治体が急ピッチで進めているのが、多言語に対応できる相談窓口の設置です。
日本で暮らす外国人の生活を支援しようという取り組みですが、そこに、早くも課題が見え始めています。

多言語に対応 支援の決め手に?

東京・新宿区にある外国人からの相談を受け付ける施設です。
新宿区では、住民の8人に1人が外国人。
さまざまな言語で相談を受け付けるため、今年(2019年)、新たに相談員を拡充しました。

相談員がいない言語の場合は、離れた場所にいる通訳にテレビ電話をつなぎます。
中国語やベトナム語、それにミャンマー語など、今では15の言語で相談の受け付けが可能で、全国でも最先端の取り組みと言えます。

窓口では、在留資格や医療、法律などについての相談を外国人から聴き取り、専門的な対応を可能な関係機関に取り次ぎます。
しかし、相談窓口の役割は、原則として、そうした機関への紹介まで。
紹介先が外国人の話す言葉に対応できなければ、問題の解決には至りませんが、それを確かめるすべはないといいます。
新宿区の相談窓口、「しんじゅく多文化共生プラザ」の鍋島協太郎所長は、「相談された悩みが解決につながったどうかまで、私たちは追うことができない。踏み込んでいきたくても踏み込めないというのが現状だ」と話します。

日本での暮らし どう支える?

自治体が注目しているのが、外国人支援の実績がある「民間」の団体の取り組みです。
外国人のそばに寄り添いつつ、必要な支援を行う「民間」の取り組みを見ていきます。

一人一人に寄り添う 民間団体の支援

私たちが取材したのは、首都圏にある、日本で暮らす外国人を支援する民間の施設です。
子どもを抱える母親が、仕事を得て自立することを目標としています。
2年前からこの施設で暮らすフィリピン出身のソフィアさん(仮名・30代)。
結婚直後から、日本人の夫にDV=ドメスティックバイオレンスを受けていました。

ソフィアさん(仮名)
「夫はすぐに怒り、暴力をふるいます。
いちばんひどかったのは、ひざで鼻を蹴られたことです。」

施設では、ソフィアさんを夫から保護。
離婚を成立させ、自立への支援を始めました。
日本で生活するために必要不可欠な知識を丁寧に教えています。
使うのは、独自のマニュアル。

近所づきあいや交通ルールなどの情報がコンパクトにまとまっています。
「日本のシステムがよく分からないから、これは助かります」とソフィアさんは喜んでいます。
もちろん、日本語教育にも力を入れています。
「借りる」「貸す」、外国人には分かりにくい使い分け。
悩むソフィアさんに、教師がマンツーマンで指導します。
こうした支援の結果、先月(6月)末、ソフィアさんは、施設を出て、自立への一歩を踏み出しました。

“付き添う支援”で不安を解消

一方、地域で暮らす外国人に「付き添う」支援も始まっています。
この日、病院の診察を受けるベトナム人夫婦に、支援団体のスタッフが同行しました。
ベトナム出身の三浦テュイさんです。
言葉が通じない場所で初めての出産を迎えるハーさんが、不安にならないように気を配ります。

ときには自宅を訪ね、日々の暮らしの相談事にも応じるテュイさん。
ハーさんの不安の解消につながっています。
「テュイさんがいてくれるととても安心します。何でも相談できるので頼りになります」と、ハーさんは感謝しています。
テュイさん自身も、日本に来た当初は不安な日々を過ごしていたといいます。
だからこそ、今、困っている外国人の支えになりたいと考えています。

支援団体スタッフ 三浦テュイさん
「相手が困ったらそこにいること、寄り添って一緒にいることが、私の思いです。
すべて簡単に気が楽に話せることができればいいなと思います。」

テュイさんが所属する支援団体の代表、花崎みさをさんは、困っている人の声をしっかりと聞くための仕組みを整えることが大切だと指摘します。

支援団体の代表 花崎みさをさん
「私たちが必要性を発見したり学んだりして、そこへ支援をしていくかたち。
その人の身になって、何が一番必要なのかということを考えていくことが支援の基本だと思います。」

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