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2019年2月4日(月)

中小企業の幹部 外国人を起用へ

高瀬
「企業の後継者不足が深刻化していますが、いよいよ、地方の中小企業でも経営者を外国に求める動きが出てきました。」

幹部候補獲得へ ベトナムに乗り込む

報告:馬場勇人(NHK高松)

中小企業の社長たちが直接乗り込んで行われる、採用面接会です。

中小企業の担当者
「将来の希望は?」

面接を受けたベトナム人学生
「挑戦の多い仕事をしたい。
挑戦が多ければ多いほどやりがいを感じる。」

全国からこれまで24社が参加しました。
目的は、将来幹部になれる資質をもった人材の獲得です。
応募しているベトナム人の多くは難関大学出身です。

参加した香川県の企業
「東京や大阪にいってしまうので、国内での人材がなかなか採れない。」

経営への意欲 際だつベトナム人

面接会でベトナム人を、将来の幹部として採用した金型メーカーの社長、青木一夫(あおき・かずお)さんです。
社員17人、大手家電メーカーなどに部品を供給しています。

親子2代で経営してきました。
しかし、中堅社員は経営に関わる事を望んでいません。
後継者を求めて募集をかけていましたが、面接に来た応募者が気にすることは、有給の数や待遇面ばかり。
本気で経営に意欲を持つ人材は、国内では集まりませんでした。
そんな中で際だったのが、ベトナム人との面接でした。

金型メーカー 青木一夫社長
「非常にレベルが高かった。
“僕は3年後に何を覚えて、この会社にいればいいですか”。
キャリアアップを積み重ねることを、一番に聞いてきた。
自分をいかに高めていくかを考えている。」

面接を突破し、幹部候補として先月(1月)入社したベトナム人のド・クアン・ドさんです。
ハノイの工業大学で機械工学を専攻したことから、設計のエンジニアを任されました。
給与は日本人社員と同じ水準です。
ドさんの強みは、立体から平面を想像する能力にたけていることです。
3次元の設計図も簡単に2次元に表現できます。

「いらないデータを消して移す。
あとはお願いしようかな。」

今は、先輩について設計の手順を学んでいます。

ド・クアン・ドさん
「日本人とベトナム人で、仕事をわけないことがうれしい。
発展(成長)します。」

ドさんは、家に帰ってからも努力は怠りません。
その日の会話の中に出てきたわからない単語は、決してそのままにしておきません。
できるだけ早く日本語を習得できるように、寝る間も惜しんで勉強を続けています。

スピード育成 ベトナム人への期待

これは、青木社長が考えているドさんの育成プランです。
技術を磨いた後、1年後には設計部署のリーダーに。
その後、工場全体の運営を学びながら、5年後には経営に携わる管理職に育てる方針です。

ド・クアン・ドさん
「経営は新しい仕事なので習いたい。」

金型メーカー 青木一夫社長
「やっぱりハングリー精神がある。
(会社を)引っ張っていくような人材になってほしい。」

日本人社員に危機感も

一方、ドさんの入社で危機感を覚えている社員がいます。
入社4年目で経理を担当する、山手栄太郎(やまて・えいたろう)さんです。
山手さんも、社長から幹部候補と期待されている若手の1人です。

山手栄太郎さん
「こちらが、私が参加したマネジメント研修の修了証書になります。」

外部の研修会に毎月参加し、管理職の心構えを学んでいます。

山手栄太郎さん
「優秀な彼が入ってきて、正直このままではいけないなと。
何かしら自分のチャレンジを重ねて、ほかのみんなを導いていける存在になれたら。」

外国人を経営幹部に 活気増す社内

ドさんが入社して10日あまり。
この日、青木社長は、山手さんとドさん、期待の2人を地元企業の経営者交流会に連れて行きました。
ドさんを、将来の経営幹部として紹介するためです。

金型メーカー 青木一夫社長
「将来は経営幹部ということで採用した。」

ド・クアン・ドさん
「日本に来たのは初めてなので、わからないことはいろいろある。
お世話になります。」

山手さんも、ドさんの勤勉な姿勢に影響を受け、積極的に発言します。

山手栄太郎さん
「社員の責任感であったり、自分たちで(会社を)改善していこうという気持ちが芽生えた。」

青木社長は、ドさんの入社を機に、社員同士が互いを高め合って欲しいと考えています。

金型メーカー 青木一夫社長
「全員平等に期待を持っている。
その中から、ぬきんでてきた子たちが、将来の経営幹部になってくると思う。
切磋琢磨して、お互いに成長してくれることを一番に希望している。」

高まる期待

高瀬
「たしかに、ドさんが来たことによって、山手さんのやる気スィッチが入ったのか。
活気が増してきている感じに見えますね。」

和久田
「やはり外からの刺激と適度な競争意識がないと、個人としても組織としても成長しないのだろうな、という気がしました。
専門家は、今後、こうした中小零細の企業にも外国人を育成し、幹部に起用していく動きは、増えていくとみてます。」

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