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2018年10月17日(水)

車いす卓球で金メダルを!…兄弟の夢

高瀬
「先週(13日)までジャカルタで行われていた『アジアパラ大会』。
卓球競技で、初出場にもかかわらずベスト8に進出、一躍注目されたのが、土井健太郎選手です。」

和久田
「急成長の背景には、子どものころからともに卓球にはげみ、3年前に亡くなった、双子の弟の存在がありました。」

アジアパラ大会 決勝トーナメントへ

今回初めてアジアパラ大会の代表に選ばれた、土井健太郎選手、22歳です。
身長130センチのひときわ小さい体で、決勝トーナメントまで勝ち進みました。

車いす卓球 日本代表 土井健太郎選手
「打たれても打たれても、しのいでしのいで、しぶとく、しぶとくやっていけるように頑張りたい。」

  

健太郎選手と弟の康太郎さんです。
2人は、先天性の骨形成不全症。
骨がもろく、少しの衝撃でも骨折することもある、2万人に1人の難病です。
2人とも、幼いときから、おむつを替えただけでも骨が折れてしまうなど、これまで30回以上の骨折を繰り返してきました。
母親の佳子(よしこ)さんです。
痛みに泣くわが子の姿に、胸が張り裂けそうな日々が長く続きました。

母 佳子さん
「つらかったですね、本当に。
普通に生まれてきたら、痛い思いもしないし、大変な思いもしないだろうなって。」


ところが、2人はともに助け合うことで、明るく元気に成長していきました。

健太郎選手
「もし1人で生まれてきたら、何かしら周りと比べてマイナスに考えてしまうことはあったんじゃないかな。
康太郎がいて、僕がいて、2人で頑張ってきたのが大きいです。」

正確なコントロール・長いラリー

そんな2人が卓球に出会ったのは小学6年生の時。
2人で競い合えることが楽しくて、卓球にのめり込んでいきました。
スマッシュで肩甲骨が折れてしまうこともあるため、2人は、力強さではなく、正確なコントロールと、長いラリーで相手のミスを誘う技を磨くことで力を伸ばしてきたのです。

健太郎選手
「パラリンピックという金メダルという夢もあるので、卓球は僕の夢です。」

弟 康太郎さん
「人生っていったら大げさかもしれないですけど、卓球にかけていきたいです。」

弟との夢 東京大会で金メダル

同じ夢に向かってともに歩んでいた2人。
別れが訪れたのは、3年前のことでした。
弟の康太郎さんは、併発していた心臓病が悪化。
この笑顔が最後となりました。

志半ばで、大切な相棒を失った健太郎選手。

健太郎選手
「康太郎と僕の夢は、東京パラリンピックで、兄弟で金メダルを争うことでした。
康太郎の夢は僕が絶対にかなえます。」

これまで以上に練習

弟が亡くなってから、健太郎選手の卓球に向かう姿勢が大きく変わりました。
自宅の寝室にも卓球台を置き、これまで以上に練習に打ち込むようになりました。
生前、健太郎選手よりも、努力家だった弟。
粘り強さを武器に、実力でも数歩先を行っていました。

弟のように粘り強い卓球がしたい。

意気込む練習の中で、何度も骨折。
さらに、弟と同じ心臓の病もあり、薬がかかせない状態です。
それでも、諦めるわけにはいかない。
胸には、康太郎さんの遺骨が入ったネックレスを肌身離さずつけています。

健太郎選手
「嫌なことがあって、それを乗り越えて次に進んで行く姿も、自分は何回も見てきているので、自分も負けてられないなって思っています。」

  

母親の佳子さんも、健太郎選手の姿に力をもらっています。

母 佳子さん
「健太郎が頑張っているので、私もメソメソしてられなくて、前へ少しづつでも行かなくてはいけない。」

アジアパラ大会 「康太郎に見守られている」

そして、康太郎さんが亡くなってから3年がたった今年。
アジアパラ大会への出場がかなった健太郎選手。
予選を突破し、準々決勝に進みます。

相手は、世界ランキング7位のキム・キヨン選手です。
世界ランキング30位の健太郎選手にとっては強敵です。
序盤は、相手に圧倒されます。
1対2で迎えた第4ゲーム。
かつては、劣勢になると、諦めていた健太郎選手。
ここからは、鍛えてきた粘りを発揮します。
このとき、触れたのは康太郎さんのネックレス。

健太郎選手
「康太郎に見守られている感覚というか、『諦めるな』とか『頑張れ』とか、そういう思いで見てくれているような。」

5ポイント連取してフルゲームに持ち込みます。
惜しくも敗れましたが、結果はベスト8。
大きな手応えをつかみました。

健太郎選手
「自分の卓球が出せて、それが相手に対しても通じた、得点につながったというのが、自分の中で大きな収穫です。
2020年の東京パラリンピックで金メダルを争うっていうのが、弟と一緒に見た最後の夢になるので、最後まで絶対に諦めないで、2018年、19年、これからずっと戦い続けていきたいなと思います。」

2年後の東京で夢をかなえてほしい

高瀬
「いまも、兄弟2人で戦っているんだなと思いますね。
拝見していると、自分も頑張ろう、頑張らなければという気持ちになりました。」

和久田
「いまでも2人で歩み続けているんだということを感じましたね。
健太郎選手は今回の活躍で東京パラリンピクの代表候補の1人として有力視されるようになりました。
2年後の東京でぜひ、2人の夢をかなえてほしい、そう思います。」

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