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2018年10月4日(木)

おいしいお米! 新品種が各地に登場

高瀬
「新米の季節がやってきました。」

『特A』のお米 全国に拡大

和久田
「今年(2018年)は、記録的な猛暑や豪雨などの影響が心配されましたが、先週発表された米の作柄概況によると、現時点では、全国平均で『平年並み』になるとの見通しだそうです。
その要因の1つとして、気象の変動に強い新たな品種が、近年、次々と生み出されていることがあげられます。
こちらをご覧下さい。
味や香りが最も優れているとされる、『特A』のお米を生産した都道府県です。
10年前の2007年は、日本の東側に集中し、その品種の多くは、コシヒカリでした。

ところが、2017年になると、『特A』のお米を作る生産地は全国に拡大し、コシヒカリ以外の品種が多くを占めるようになりました。」

高瀬
「西日本をはじめ全国に広がって、いろいろな品種がありますね。」

和久田
「近年のこうした変化で、私たちのお米選びの選択肢が増えているんです。」

暑さに強い 熊本の新品種

去年、3つの品種が特Aと評価された熊本県。
厳しい暑さに耐えられる、コメの品種改良に取り組んできました。
その成果として生み出されたのがこちら。

「こちらが新しい品種、『くまさんの輝き』になっております」

去年、販売が始まったばかりの新しい品種です。
その名の由来は、”熊本で生まれたツヤの美しいお米”。
厳しい気象条件でも、味の良いお米ができるのが特徴です。

「コシヒカリにも負けない、おいしいお米だと思います」

“くまさんの輝き”の特徴

この品種を開発した熊本県農業試験センターを訪ねました。
木下直美さん。
新品種の産みの親です。

熊本県農業試験センター 木下直美さん
「こちらが“くまさんの輝き”になります。
これから収穫まで2週間ほどあるかと思います。
まだ”半分青い”ですので。」

九州でこれまで広く栽培されてきた品種は、穂が出たあとの平均気温が、23℃を超えると品質に影響が出ていました。
近年それを超える日が増え、白く濁った白未熟粒という品質の落ちたコメが多く混じるようになったのです。
そこで、木下さんたちは、暑さに耐えられる個体を15年に渡り掛け合わせ、耐えられる平均気温をこれまでより4℃引き上げることができました。

熊本県農業試験センター 木下直美さん
「(平均気温が)27℃を超えても白未熟粒の発生が少ないと確認ができています。」

もう1つの特徴は、強風や大雨でも、倒れにくいことです。
改良を重ね、稲の背丈をこれまでの品種より、平均4センチ低くすることに成功。
さらに、1本の穂に付くコメ粒の数を8割程度に減らし、茎への負担を軽減しました。

今回、木下さんの監修のもと、風速80メートルの風が出せる送風機で実験してみました。
風が直撃しても、茎がしなって風の衝撃を逃がすため、倒れません。


今年、記録的な暑さや大雨に襲われた熊本県。
しかし、成育状況は順調で、これから収穫のピークを迎えます。

熊本県農業試験センター 木下直美さん
「多くの人に食べていただいて、熊本県を代表する品種に育っていったらうれしいです。」

名産地・魚沼での取り組み

一方、こちらはコシヒカリの名産地・新潟県魚沼地域。
ここでもブランドを守るため、気象との闘いに本腰を入れ始めています。
もともと暑さに耐性がないとされてきたコシヒカリ。
ここでは今年、およそ50日の真夏日を観測しました。
暑さに加え雨も降らず、中には枯れてしまう田んぼも…。
そこで市がうちだした対策が、冬の間、道路の雪を溶かす消雪パイプ。
夏の間も稼働させ、用水路を通じて、水田に水を供給する異例の措置をとったのです。


もう1つの対策は、肥料を与える時期を大きく見直すことでした。
通常、コシヒカリは稲の穂ができる直前には肥料を与えません。
この時期に肥料を与えると、稲穂が成長しすぎて倒れてしまう恐れがあるからです。
高温に耐えられる体力をつけさせるため、測定器で稲の状態を毎日のように確認しながら投与していったのです。


先月21日、JAで収穫されたばかりの一部のコメの品質検査が行われました。
コメの品質を調べた結果…。
味を決める成分では、最高のランクになるSが多く見られました。
収穫はまだ始まったばかり。
今後も検査を重ね、品質向上のための模索を続けていきたいとしています。

新潟県農業総合研究所 有坂通展さん
「まさにコメの戦国時代だと思っています。
この中で勝ち抜くには、高い温度に負けないように技術でカバーしながら、このコシヒカリを守っていきたい。」

コメ選びの幅 広がる

全国のお米がいち早く集まるコメ問屋です。
猛暑や豪雨の影響を心配していましたが、魚沼を始め、各地から明るい報告が次々入っています。
各地の猛暑対策をきっかけに、消費者にとってコメ選びの幅は広がっていくと考えています。

コメ販売店 金子真人さん
「各地でいろいろな(気象)対策をしたり、たくさんの品種が出てくる。
本格的な収穫を迎えるので、どんなお米が出てくるか楽しみです。」

おいしいお米 続々登場

高瀬
「近年は北海道や青森など、北に産地が広がっているイメージがありましたが、こうやって見ると、本当に群雄割拠、まさに戦国時代だなと思いますね。」

和久田
「本当にそうですよね。
猛暑という厳しさを克服することで、逆においしいお米が増えるというのは、わたしたちにとってはとてもうれしいことですね。」

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