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2018年7月30日(月)

北海道を走る“日本一貧乏な観光列車”

高瀬
「旅行会社などが作る団体から、去年(2017年)『日本一の鉄道旅行』に選ばれた観光列車をご紹介します。」

保里
「こちら、北海道南部の海沿いを走る『ながまれ海峡号』です。
『ながまれ』とは地元のことばで『のんびり、ゆっくり』という意味です。
実はこの列車、ファンの間からは『日本一貧乏な観光列車』とも呼ばれているんです。」

高瀬
「いったい、どんな列車なのでしょうか。」

鉄道旅行の最優秀グランプリ

観光列車「ながまれ海峡号」です。

月2回の運行前に必ず行う作業があります。
社員が手作業で普通列車を観光列車に変身させるのです。
車内には大漁旗、買ってきたぬいぐるみも飾られます。

全国で人気を集める観光列車。
なかでもJR東日本の「四季島」は、総工費100億円をかけた豪華寝台列車です。
超高級ホテル並の設備で乗客をもてなします。

一方、ながまれ海峡号の改造費はおよそ1,000万円です。
それにもかかわらず、去年100あまりの鉄道旅行の中から最優秀のグランプリに選ばれました。

活路を観光列車に

ながまれ海峡号が走るのは2年前(2016年)北海道新幹線の開業に伴ってJRが経営を切り離した路線です。

函館駅から海沿いおよそ40キロを4時間かけて往復します。
開業から10年で23億円の赤字が見込まれる中、経営を引き継いだ第三セクターは観光列車に活路を見いだしました。

道南いさりび鉄道 勝又康郎さん
「観光でお客さまを呼ばないと、この路線はもたない。
“いっちょやってみようか”と。
お客さまがググっとくるような魅力のある旅行を提供していきたい。」

地域一体で盛り上げる

これといった有名な観光地がない沿線で、旅をどう演出するか。
協力を求めたのは地域の人たちでした。
下斗米亮人さんです。
パン屋を経営しています。

上磯駅前商店街 下斗米亮人さん
「こちらになります、べこもちになります。」

米粉とあんで作った伝統の和菓子「べこ餅」。

パン職人の下斗米さんが観光列車の運行日に合わせ、2時間かけて作ります。

上磯駅前商店街 下斗米亮人さん
「商売にしようと思ったら、(採算が)全然合わないけれど。
観光客のおもてなしでやっています。」

 

下斗米さんは列車の到着に合わせてホームに立ち、昔ながらの立ち売りで乗客を歓迎します。
ローカル線ならではのふれあいを地域が一体となって作り上げているのです。

お金がないなら知恵と工夫で勝負する。
ながまれ海峡号が「日本一貧乏な観光列車」と呼ばれるゆえんです。

ツアーの後半、駅で乗客を待っていたのはバーベキュー。
焼いているのは地元のボランティアの人たちです。
この日のメニューは、地元でとれたホッキ貝とツブ貝。
あつあつの焼きたてを提供します。


出発からおよそ4時間。
車窓から見えるのはイカ釣り船のいさり火です。
旅はこの夜景で締めくくりとなります。

旅行客
「地元を盛り上げている。
熱意が伝わってきて、感動しました。」

旅行客
「ほんとに、すごく感激しました。
貧乏の裏返しはあたたかいという感じと思った。」

日本一貧乏な観光列車、ながまれ海峡号。
沿線の人たちがもてなす観光列車には、地域の足を守るヒントがありそうです。

手作り感が魅力

保里
「あたたかい雰囲気伝わってきました。
『ながまれ海峡号』のツアーは、ご紹介した食事を含めて1人 9,800円からということで、豪華な観光列車と比べると手が届きやすいのもうれしいですね。」

高瀬
「あの手作り感あふれるおもてなしも、また人気の理由なんでしょうね。
日本一あたたかい(かもしれない)観光列車についてお伝えしました。
乗ってみたいなと思いましたね。」

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