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2018年7月23日(月)

池江璃花子選手「世界で勝つ」ために

和久田
「豊原アナウンサーとお伝えします。」

豊原
「東京オリンピックまで明日7月24日で2年となりました。
メダルラッシュが期待される競泳陣の中でも注目されているのが、池江璃花子選手18歳です。」

高瀬
「次々に日本記録を塗り替えるなど、伸び盛りと言っていいですよね。」

豊原
「その池江選手、2年後のメダル獲得に向けて『大きな決断』をしたんです。」

「世界で勝たなきゃ意味がない」

今月、18歳の誕生日を迎えた池江選手。

池江璃花子選手
「うまー。」

明るくマイペースな高校3年生です。
その成長はとどまることを知りません。
4月の日本選手権は、出場した4種目すべてで日本新記録をマーク。
圧倒的な強さを見せつけました。
池江選手の専門はバタフライと自由形の短距離種目。
これまではパワーのある海外勢が席けんしてきました。
日本選手は40年以上、オリンピックでメダルはゼロ。
池江選手も、大きな国際大会でまだメダルがありません。

池江璃花子選手
「世界で勝たなきゃ意味がないと思う。
世界に対しての向き合い方、自分の意識のしかたも今までと全然違う。
勝つことに意味があると思う。
勝負の世界は。」

世界トップ選手の指導方法

日本選手権のあと、池江選手は大きな決断をしました。
オリンピックまで2年となるこのタイミングで、二人三脚で練習に取り組む「コーチ」の交代に踏み切ったのです。
新たに指導を依頼したのが、三木二郎コーチ、35歳です。

三木二郎コーチ
「この合宿に炎を持ってこいと言ったんですよ。
魂を持ってきてって。
約束したよな?」

池江璃花子選手
「はい。
やる気まんまんです。」

現役時代は個人メドレーの選手としてオリンピックに出場。
引退後、この春まで2年間イギリスに留学し、世界トップの短距離選手の指導方法を学びました。

三木二郎コーチ
「(池江選手は)一流から超一流になれるかという素質はすごくある。
そこからどこを私が引き出してあげるか。」

池江璃花子選手
「すごく選手の気持ちを分かってくれる。
世界のトップスイマーの練習メニューも参考にできるのもすごくいいところ。」

課題 “序盤の差”

オリンピックに向けた課題がはっきりと見えたレースがありました。
先月(6月)の国際大会。
リオデジャネイロオリンピックの金メダリスト、デンマークのブルム選手と100メートル自由形で対戦しました。
スタート直後からスピードに乗るブルム選手に比べ、池江選手は序盤で出遅れます。
前半の50メートルでついた差は1秒以上。
序盤の差が大きく響いて敗れました。

池江璃花子選手
「体格はそんなに変わらないけど…なんでこんなに離されるんだろう。」

キック力の強化・スタートの改良

世界トップとの「レース序盤の差」をどう埋めるか。
三木コーチは、“スタート直後の泳ぎ”が弱点と指摘しました。

三木二郎コーチ
「スタートからの出だしも課題になってくる。
あとは下半身の全体的なキックのバランスやパワーもこれから詰めていかないと。」

取り組んだのは序盤の加速を生む、キック力の強化です。

腹筋や背筋に力を入れた状態で、前後に足を動かすトレーニング。
三木コーチが、イギリス留学で学んだ強化方法です。
バランスをくずさないよう、徐々にピッチをあげていきます。

三木二郎コーチ
「おなか使って!
速く速く速く!」

素早く、かつ強く水を蹴ることができるよう体に覚え込ませます。

三木二郎コーチ
「陸でできないことは水中でもできないので。
体幹を使える体にしてから水中に。」

そして水の中での練習。

腰につけているのは練習用のパラシュートです。
キック力の強化へ、大きな負荷をかけます。
体がきつくなる練習の終盤にあえてこうしたメニューを組み込みました。

加速につなげるため、スタートの改良にも取り組みました。
スタートで最も勢いがつくフォームを求め、1本1本丁寧に確認します。

池江璃花子選手
「もうちょっと上ですね。」

三木二郎コーチ
「もうちょい上やな。
でもけっこう飛んでる。」

池江璃花子選手
「前より全然いいですね。」

「やることは決まっている」

東京オリンピックまで、2年。
新たなコーチとともに世界との差をひとつひとつ縮めていく日々です。

池江璃花子選手
「たぶんことしもすぐ終わると思うし。
来年になったら(来年も)すぐ終わると思うし。
そしたらもう、すぐ東京オリンピックが来ると思うので。
すごいあっという間だとは思いますが、やることは決まっているので。
それさえやればきっと勝てるレースできると。
しっかり二人三脚で頑張っていきたい。」

8月の国際大会に注目

和久田
「私たちが想像つかないくらいの辛いトレーニングだと思うのですが、それでも池江選手自身が一番自分の変化を楽しんでいるような、手応えを感じでいるような気がしました。」

豊原
「三木コーチが学んだイギリスの競泳界は今、短距離選手が急成長しています。
池江選手も世界の最先端のトレーニングを行っているという実感があるのかもしれませんね。
また、興味深いのは、三木コーチのようにJOC(=日本オリンピック委員会)の研修制度を使って、イギリスに留学したコーチが今現場に戻って来て、いろいろな競技で成果をあげ始めています。
池江選手は来月(8月)東京でパンパシフィック選手権、そしてインドネシアで開かれるアジア大会に出場を予定しています。
この夏どんな成果を見せるのか、注目です。」

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