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2018年7月19日(木)

日本人の身近な食材が高騰!

和久田
「こちらのグラフをご覧ください。
最近、急激に価格が上昇していて、この5年で2倍以上になっているある身近な食材についてです。」



庶民の食べ物に異変!

大阪の卸売市場。
数ある食材の中でも、今年(2018年)きわだって値上がりしているのが、タコ!
国産の活ダコは、去年(2017年)と比べて1.5倍。
天然の鯛やヒラメとほぼ同額なんです。
庶民の食べ物の異変に街の人は…。

街の女性
「高いなと思う。
スーパーに行ったら。」

街の女性
「こんな足ちっちゃいのに、めっちゃ高い。」

タコの価格 過去最高水準

高瀬
「私も関西の生まれですので、たこ焼きで育ったようなものですが、タコが高いってピンとこないんですけどね。」

和久田
「それだけ身近ですよね。
タコの価格は今、過去最高水準にまで上がっているそうなんです。
タコに何が起きているのでしょうか。」

タコ高騰でたこ焼き屋は…

レストランの格付けガイド「ミシュラン」に掲載された、大阪市内のたこ焼き屋です。
商売に欠かせないタコの仕入れ価格は、去年より3割上昇。
価格高騰の直撃を受けています。
この店では小麦とタコの価格高騰を受けて、一昨年(2016年)8個入り400円から450円に値上げ。
常連客から「高すぎる」と厳しい声が上がりました。


「500円超えるとやっぱり買うか悩む。」

今回は値上げをせずに乗り切りたい。
今、タコだけでなく他のものも具材にできないか検討しています。

株式会社 和なか 和中徹会長
「これは筑前煮。
筑前煮もレンコンもあるし、丸いコンニャクとか。
これが焼きかまぼこ。」

コストの低い食材を使えば、利益率を上げられると考えているのです。

株式会社 和なか 和中徹会長
「できあがりました。
食感は一番コンニャクがいいね。
レンコンおいしいね。」

社員
「このままでいいかもしれないですね、味付けせず。」

数十種類の食材を試した中で最も手ごたえがあったのが、レンコンとかまぼこ。
商品化を目指したいと考えています。

株式会社 和なか 和中徹会長
「いい素材ができたら、お客さんも喜ぶし、僕らも喜びます。」

タコ高騰の理由は2つ

なぜ、タコが高くなっているのか。
理由の1つが、国産のマダコやミズダコなどの漁獲量が減っていることです。
10年前と比べておよそ3割減少。
水温の変化などが影響していると見られています。

もう1つの大きな理由が、世界的なタコ人気の高まりです。
欧米ではかつて「デビル・フィッシュ」と呼ばれ、嫌われていたタコ。
アメリカでは、健康志向の高まりで日本食が人気になったことで、すしなどでタコが食べられるようになりました。
ヨーロッパでも、パンの上に載せたり、じゃがいもと一緒にオリーブオイルをかけたり。
今、タコ料理が大人気です。

西アフリカ産タコの輸出量変化

こうしたタコ人気を受けて、世界有数の産地=西アフリカ産のタコが、欧米に向けて出荷されるようになったのです。
モーリタニアとモロッコのタコは、1990年代、日本に7.7万トン、ヨーロッパに3万トン輸出されていました。

しかし、ヨーロッパが高値で買い取るようになったことから、去年はヨーロッパが6.2万トンに増えた一方、日本は2.9万トンに減って逆転。
この結果、日本で扱うタコのおよそ4割を占める西アフリカ産が品薄になっているのです。

欧米市場へ 特大サイズのタコ

日本の業者の中にも欧米の市場を目指す動きが始まっています。
茨城県で100年以上続く、水産加工会社です。
アメリカで好まれる特大サイズのタコを仕入れて、アメリカ人好みの強い弾力になるように、蒸して出荷しています。

株式会社あ印 葛貫賢治部長
「実はアメリカ人は大きいタコが非常に好きで、一番大きなタコを輸出しています。」

国内への出荷を減らして、この5年でアメリカへの輸出を3倍に増やしました。
この1ケース6匹で、およそ3万円の値が付きます。

株式会社あ印 葛貫賢治部長
「アメリカのお金持ちの方が今こういうものを好んで召し上がっている。
だんだん日本で消化するよりも、アメリカに売った方が非常に企業的には有利。」

身近な食材がだんだんと高級食材に?

高瀬
「庶民の味方であるタコを奪わないでいただきたい、という気持ちになりましたけれども。」

和久田
「そうですね、高級食材になりそうな勢いですね。
ここからは、水産と食料経済が専門の近畿大学 有路昌彦さんにお聞きします。
このタコの高値、いつまで続くとみていらっしゃいますか?」

近畿大学 有路昌彦教授
「残念ながら欧米の方でタコの需要が固まってきてしまっていることと資源も厳しいことを考えると、今後(タコの価格が)下がることはなかなか考えられないかなと思います。」

高瀬
「最近はサンマも獲れなくて値上がりしていますし、タコまでとなると…。
身近な食材がだんだんと高級食材になってしまっているといった感じですね。」

近畿大学 有路昌彦教授
「そうですね。
こちらに『さけ・イカ・スケトウダラ・かつお』とありますが(他の魚種でもいろいろあるんですが)それぞれ値段が上がっています。
例えば、スケトウダラは魚卵の需要が高まってきて明太子の値段も上がっています。
カツオは世界的にマグロの代用としてツナ缶の需要が高まっているので、こちらも値段が上がってきているというところです。」

和久田
「日本人がこれまで好んで食べ続けてきた魚が食べられなくなる日も来るかもしれないと危機感を感じてしまいます。」

近畿大学 有路昌彦教授
「そうですね。
もともと、日本人が独占して魚を食べることができたというのが特殊な状態でした。
今後、今もそうですが、世界中で魚が食文化に定着していってます。
その結果「魚の味を分かる」ようになっていて、日本人が美味しいと思う魚をみんなが食べるようになりました。
結局、日本人が今まで食べてきた美味しい魚の値段がどんどん高くなるというのは当たり前のことかと。」

高瀬
「なかなかショッキングですが、どうすればいいですか?」

近畿大学 有路昌彦教授
「重要なところとしては、足りないものは人の手でちゃんと作るということになりまして、具体的にはタネから作る養殖業。
こちらで賄っていく。
日本は世界最高の養殖技術を持っていますので、天然の魚だけににこだわらず(養殖で)増やしていくというのは一つの手だと思います。」

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