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2018年7月15日(日)

大詰め!サッカーW杯 “新トレンド”と“4年後の日本”

サッカーワールドカップロシア大会は、いよいよ大詰め。

実況
「優勝候補が消えました。」

名だたるスター選手を打ち砕いたのは、「組織力」をいかした新たな戦い方。

実況
「カウンターからメキシコ先制!」

新たなトレンドを生み出した国々が勝ち上がる中、最後にワールドカップ王者の称号を手にする国は?
そして、日本代表の進むべき道は?
世界最高峰の戦いを徹底解説します!

最新トレンドは個を超越する“組織”

北野
「サッカーワールドカップロシア大会、残すは今夜の決勝のみとなりました。」

小郷
「日本の快進撃もありましたね。」

北野
「深夜の応援で、寝不足の日々が続いた方もいるかもしれませんね。
NHKのサッカー解説者として大会前のキャンプから現地で取材をされてきた、福西崇史さんにお越しいただきました。

大会を振り返っていきたいと思うのですが、その上でのキーワードを挙げていただきました。」

NHKサッカー解説 福西崇史さん
「『個を超越する組織』。
今大会のトレンドではないかという気がしています。
『個』というのは、サッカーにおいて選手個人の能力もとても大切なんですが、それを超越するような『組織』=チームが今大会、結果を残してきているのではないかと思います。

その中でも代表的な戦術が、日本もベルギーにやられた『カウンター』です。
ベルギー対ブラジルの試合で、ベルギーが得点を入れるんですが、組織的な守備から連動した動きで攻めるカウンター。
ベルギーの選手がボールを奪うと『縦に』『早く』、相手の守備が整う前に攻める。
圧倒的な個人の能力がなくても、相手の個々の能力の差が出る前に得点しようと、こうした堅守速攻の戦術を立てるチームが多かったです。」

北野
「まさに決勝に勝ち進んだフランスやクロアチアも、こうした組織的なサッカーをしますね。」

福西崇史さん
「もともと個人の能力も高いチームなんですが、加えて組織もよりしっかりしているなと感じますね。
それぞれ攻撃に特徴はあるんですが、フランスの強みは『カウンター』です。
堅い守備で相手の攻撃をしのぎ、ボールを奪うとすぐに縦に攻めていくわけです。
そして19歳のエムバペ選手が、速いスピードであっという間にゴールに迫っていくという戦い方をしていくんです。
チームのねらいが統一されていますね。
クロアチアが得意なのは『サイド攻撃』です。
速く攻めたいんだけれども攻められない時、大きく揺さぶってピンポイントで合わせてくるというところです。
(パスを左から出した場合)逆サイドまで行くので、相手は右を見てしまう。
パスを出した人は、今度は死角の後ろから入ってくる。
そうするとフリーになって、攻撃ができる。
こうした攻め方をしてくるチームです。」

新井
「今回、メッシやネイマール、クリスチアーノ・ロナウドなど、スーパースターと言われてきた選手たちを要するチームが次々と敗退しました。
これもトレンドの影響があるのでしょうか?」

福西崇史さん
「その影響はあると思います。
メッシ選手は特に、ボールを持った瞬間に、組織化している相手チームが複数で囲みに行ってボールを奪ってしまう。
メッシでも、能力の高い選手を1人、2人、3人と抜くというのは並大抵では難しく、なかなかできないですね。」

日本代表 4年後への提言

小郷
「『組織力で戦う』というと、そもそも日本も組織で戦ってきたというイメージがあるのですが、日本の戦いぶりはいかがでしたか?」

福西崇史さん
「すばらしい戦いをしたと思います。
日本よりも個の能力が高いチームとの対戦が多かった中で、組織=チームが団結してよく頑張ったなと思います。
2戦目のセネガル戦のゴールでは、日本のやり方というのがしっかり出ていた。
守備をしっかりしてボールを奪う、相手の人数が少ないところへ長友選手が長距離を走る。
そして乾選手がサポートをして、細かい動きでゴールを取る。
こういうところは将来につながるゴールではないかと思います。

北野
「今回はベスト16という結果でしたが、4年後、日本がさらに上を目指すためのポイントを、福西さんに挙げていただきました。
それがこの3つ。
『チームづくり』『選手層の厚さ』『個の力』。」

小郷
「まず1つ目の『チームづくり』とは?」

福西崇史さん
「まず監督が誰になるのかということ、それによってチームの方向性が大きく変わってきます。
今大会、日本が見せた組織的な戦い方を引き継いで、強化をどうはかっていくかが非常に大切だと思います。」

新井
「そして2つ目、『選手層の厚さ』。」

福西崇史さん
「今大会では、スターティングメンバーを固定せざるを得なかったんです。
1次リーグの3試合を戦う上ではそれでもいいかもしれませんが、決勝トーナメントに入ると、その人数だけでは難しい。
試合が続くので、23人をやりくりしながら戦っていかなくてはいけない。
そういう点で言うと、チーム力が変わらないような選手層の厚さが必要ではないかと。
そのためには、やはりJリーグのレベルを底上げしなくてはならない。
やり方としては、個々の選手が海外に出て、また戻ってくるというのも必要ですが、そうなると代表の期間というのは練習時間が少ないので、スペインでは、バルセロナやレアル・マドリードはほぼ代表メンバーという感じですし、Jリーグにクラブチームでやっている人たちを集めるというやり方も1つあるのではないかと思います。」

北野
「ファンとしては少し複雑な気もしますが、なるほど。
最後に『個の力』とありますが、すでに多くの日本選手が海外リーグでプレーしていて、個人の能力は上がっているようにも感じるんですが?」

福西崇史さん
「上がっているのは間違いないんですが、世界トップレベルかといわれると、今大会でも相手からプレッシャーを受けている状況でミスが出ていましたので。
そういうところでいうと、Jリーグにもイニエスタ選手やフェルナンド・トーレス選手といった世界クラスの選手が移籍してきますから、そういった選手たちと戦うことでそのプレーを体感できる、日々成長できるという気がしますね。」

北野
「再び、世界最高峰の戦いに話を戻します。
明日(16日)の決勝を前に、昨夜、ベルギー対イングランドの3位決定戦が行われました。」

W杯ロシア大会 3位決定戦 ベルギー×イングランド

両チームは1次リーグでも対戦しました。
試合は前半4分、いきなり動きます。
ベルギーのエース・ルカクがスルーパス。
ムニエの今大会初ゴールで、ベルギーが先制します。

対するイングランドは23分、スターリングからケイン。
決定的な場面で得点できません。
さらに後半25分、イングランドは素早いパス回しからチャンスを作ります。
ベルギーは懸命の守りでゴールを割らせません。

すると37分、ベルギーは司令塔のデブルイネから、エデン・アザールの今大会3点目で突き放しました。
ベルギーは過去最高の3位です。

最高峰の戦いW杯 ずばり優勝は?

北野
「決勝戦の対戦カードは、フランス対クロアチアです。
フランスは2回目、クロアチアは初優勝をかけた戦いとなります。
福西さん、それぞれ注目選手は?」

福西崇史さん
「まずフランスは、フォワードのグリーズマン選手です。
自らドリブルで仕掛けてシュートを打てる選手、点を取れる選手です。
そして攻撃の起点となり、味方をいかすパスを出せる選手でもあるわけです。
そうなると、いろいろゲームを組み立ててフランスを勝利へ導くことができる。
そして『無回転シュート』。
ちょっとフリーになると、レベルの高いキーパーでも取れないこのシュートを打てるんです。
そしてクロアチアは、サイドバックのブルサリコ選手。
ピンポイントで合わせる、鋭いクロス。
先ほども言いましたが、クロアチアはサイド攻撃に特徴があります。
大きな揺さぶりから、ピンポイントで合わせていける。
クロアチアの個人能力はフランスより少し低いといわれていますが、そうなるとこのブルサリコ選手のクロスでしとめることができるという強みがある選手です。」

小郷
「どちらも強そうですが、最後にすばり、優勝は?」

福西崇史さん
「僕の個人的な予想では、フランスがちょっと能力が高いぶん、ギリギリで勝つのではないかと。」

小郷
「おもしろい試合になりそうですね!」

福西崇史さん
「それは間違いないです。
ギリギリの戦いですね。」

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