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2018年7月11日(水)

篠原涼子さん 新たな女優像に挑む

高瀬
「新たな女優像を目指す、あの方の挑戦です。」

和久田
「今週末、およそ100年前にアメリカで発表された往年の舞台『アンナ・クリスティ』が公開されます。
主人公は、幼い頃に親戚から虐待を受けその後娼婦となったつらい過去を隠しながら生きる女性です。」

高瀬
「この役に挑むのは45歳を目前にした、篠原涼子さんです。」

和久田
「これまで“理想の上司”や“敏腕刑事”といったイメージがありましたが、そのイメージを打ち破る覚悟で舞台と格闘していました。」

13年ぶりの舞台出演

篠原涼子さん
「おはようございます。」

舞台に立つのは13年ぶりとなる篠原さん。

篠原涼子さん
「(演出家の肩を揉みながら)めっちゃコリコリ。
だめじゃないですか。」

物語は、主人公のアンナがつらい過去を隠したまま波止場のバーに立ち寄るところから始まります。

アンナ
「ウイスキー それとジンジャエール。
たっぷりよ、けちらないでよ。」

アンナ
「私だってつらいのよ。」

「もっと自分自身を高めていきたい」

舞台の見どころは、アンナが愛する父親と恋人に隠してきた過去を打ち明けるのか、あるいは2人に嫌われないために嘘をつきとおすのか。
激しく揺れ動く心に迫るところです。

稽古が始まってまだ数日にもかかわらず、篠原さんの台本はすでにぼろぼろでした。
国民的ヒロインというこれまでの殻を破り、新たな女優像を目指さねばと、危機感を抱きながら取り組んでいたのです。


篠原涼子さん
「今回の舞台がやっぱり自分の中での挑戦です。
ちゃんとその役と作品と向き合えているのかなとか、いちいち考えるようになってきて。
もっともっと自分自身を高めていきたいと思っている。」

自らの経験を重ね合わせて

16歳でデビューした篠原さん。
歌手やバラエティ番組、ドラマなど幅広く活躍してきました。
姉御肌の飾らないキャラクターで、世代を超えて支持されてきました。

篠原涼子さん
「当時はもう必死で。
一つ一つを大切にやるというよりは、追いかけるみたいな。
リスみたいな感じ。
空回りしている感じでやっているから、何だかよくわからないでやっていた。
今思うと。」

今や二児の母となった篠原さん。
年を重ねる中で得た経験から、アンナの気持ちを読み解こうとしていました。

恋もケンカもぶつかり合うこと

篠原さんの持ち味を生かし、アンナの感情表現を指導するのは、演出家の栗山民也さんです。
むき出しの感情と感情がぶつかり合うとどうなるのか、そして何が失われ何が生まれるか、栗山さんが最も力を入れている表現です。

演出家 栗山民也さん
「(みんな)最近ケンカをしないですよね。
恋もしないんですよ。
つまり恋もケンカもぶつかり合うことなんだよね。
反発するかもわからないけど、そこに何かが生まれる。
うそにならずにぶつかり合えるっていう、その感覚が見えてくる。」

今の社会に届く演技を

舞台のクライマックス。
アンナが売春をしてきた過去を、父親と恋人に打ち明ける場面です。

アンナ
「おもしろい話だからよく聞いてなさいよ。
手紙に書いたのはウソ。
店に出てたのよ。
あんたやマットみたいな船乗りが港に着くと駆け込むお店。
ちゃんとした男たちも来る。
男はみんな来る。
みんな。
男なんて大嫌い…大嫌い!」

クリス
「そんなこと言うな、狂っちまう。
俺は聞かないぞ!」

マット
「お前ほど腐った女いねえだろ。
俺ほどこけにされた男いねえだろ。
ぶっ殺してやる。」

「はい、ここまで確認します!」

栗山さんはすかさず流れを止め、修正点を伝えます。

演出家 栗山民也さん
「何だろうね。
心の中がえぐれるような心の傷を、ずっと抱えているわけだよね。
それがどうしようもなく、ぷつっとあるとき破けて、わーっと傷口が見えてくる。
それに対して圧倒されちゃう。」

過去のトラウマから抜け出せず、生きづらさを感じる人たちの感情をあぶり出す。
今の社会にも届くように、篠原さんは大切に表現しようとしていました。

「まだまだ訓練することはたくさんある」

篠原涼子さん
「まだまだ訓練することはたくさんあるので。
今は皆さんとの意思の疎通とか、演出の栗山さんのアドバイスを大切に噛みしめて。
(アンナは)ものすごく複雑な気持ちでいるんですよ。
その感じがきちんと伝わっていただければいいなと思います。」



和久田
「篠原さんの舞台は、あさって13日から都内の劇場で公演が行われます。
8月には大阪でも上演が予定されているということです。」

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