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2018年7月6日(金)

警察の働き方改革 現場の模索

和久田
「企業や自治体で進む『働き方改革』。
あの過酷な現場でも始まっています。」

警察署の働き方改革 今年の春から本格的に

24時間態勢で市民の安全を守る警察。
昼夜問わず呼び出しを受け、現場に向かいます。
勤務は長時間におよび、私生活を犠牲にすることもあります。

事件事故が多発する名古屋市の中心部。
名古屋駅周辺を管轄する中村警察署です。

所属する警察官は、県内で最大規模のおよそ400人です。
働き方改革に本格的に力を入れ始めたのは、今年(2018年)の春。
結婚後も働く女性警察官が増えたことなどから、働きやすい職場環境を作る必要が出てきました。

働き方の見直し 上司への報告・当直勤務

外部のコンサルタントからアドバイスを受け、働き方の見直しを進めています。
議論を踏まえ、まず改めたのが時間がかかる「上司への報告」です。
階級社会の警察。
以前は1人目の上司“係長”に報告した後、“課長代理”さらには“課長”にも同じ内容を報告しなければなりませんでした。
今回、報告時間を短くするため、3人の上司にまとめて報告することにしました。

中村警察署 生活安全課 諸岡清人課長代理
「小さなことからどんどん積み重ねて、仕事も業務も改善していく。」

次に目を付けたのが、24時間態勢の警察に欠かせない「当直勤務」の問題点です。
当直の警察官は事件や事故の対応で、仮眠時間が取れないことも多いといいます。
そこで、渡すことにしたのがこのカードです。

 

中村警察署 福井剛副署長
「周囲の職員に、その当人が当直明けであることを認識してもらうためのカード。」

当直明けの日、勤務時間が終わる正午に副署長が回収することで、周囲の目を気にせず堂々と帰宅してもらうよう促すのがねらいです。

当直明けの朝から容疑者捜し

それでも、ひとたび事件が起きれば、時間を問わず対応せざるを得ないのが警察です。
生活安全課で防犯指導を担当する天池晴奈巡査長です。
この日は月に3回ほどある当直勤務です。
当直勤務は午前9時前に始まり、翌日の正午に終わります。
午後5時半から当直態勢に入り、交代で仮眠をとります。

ところが。
名古屋市の病院から精神鑑定中の容疑者が逃走。
天池さんは、当直明けの朝から容疑者捜しに追われました。
捜索から解放されたのは昼前。
しかしその後も、近く開く防犯教室の準備が終わらず、勤務が終わる正午を過ぎても、帰ることができません。

中村警察署 生活安全課 天池晴奈巡査長
「必要な書類は必要なところに引き継いでいかないとそこが滞ってしまう。
ちょっと眠いですね。」

中村警察署 生活安全課 諸岡清人課長代理
「引き継げるものがあったら、引き継いでぱっとあがって下さい。」

上司が帰宅を促しますが、代わりの担当はいません。
結局、帰宅できたのは午後3時。
お昼の時間を除いて2時間の残業をしてしまいました。
疲労がたまり、仕事の質にも影響が出かねません。

職員の健全・やる気は 県民の安全安心に

そこで、新たな仕組みが導入されました。
当直明けの日に残業した分は、翌日の勤務時間から減らせるようにしたのです。

中村警察署 生活安全課 天池晴奈巡査長
「お先に失礼します。」

天池さんはいつもより2時間早い、午後3時半に帰宅。
夫と夕食を囲もうと、時間をかけて買い物をすることができました。

中村警察署 生活安全課 天池晴奈巡査長
「早めに帰れるので、ちゃんとできあいじゃないやつを作ろうかなと。
自分の家のことや自分のこともできるので、いい制度だと思っています。」

中村警察署 西川幸伸署長
「職員が心身ともに健全でやる気に満ちあふれていれば、当然それは県民の安全安心に跳ね返っていく。
働き方改革というのは時代の要請だと私は思っているので、実現していきたい。」



高瀬
「愛知県警は『全体の改革はまだ3合目ぐらいだ』と話しているそうです。
市民の安全を守る待ったなしの職場で、業務をどう効率化していくのか、模索が続いているということです。」

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